バンタンエンタープライズ(株)夏 2

パラソルも無事に設置できて、ジミンはジョングクに、

「そろそろ着替えに行こうか?」

って聞いた。海に来たのだ水着を着るのは当たり前だ。ジミンが水着を着る。ジョングクはそれを想像しただけでどうしたらいいかわからない感じだった。デートに海でも行くか?と誘ってくれたのはジミンだった。水着を持っていないといったジョングクにじゃぁ買えばいいじゃんと言ったのもジミンで、2人で買い物に行って、ジミン氏は水着を持っているの?って聞いたジョングクに、持ってるよって当たり前の様に答えたジミンに対して、どんなのですか?って精一杯の質問をした。ドギマギと質問したジョングクに、ん?どんなのって水着の話?と真顔で聞く。コクと頷いたジョングクにジミンは当たり前のようにビキニだよって答えた。質問しておいて目をまんまるにしたのはジョングクで、ジミンはそれを見て目を細めてふふふって、絶対にもうこいつ可愛いなぁって思いしかないよねって表情で笑った。

貴重品と着替えを持って更衣室に向かう。

「あ、靴脱いでくればよかった。パラソルのところにサンダル置いてきちゃった。」

「戻りますか?」

ジミンはジョングクに問われたが、まぁ、いいやって答える。

「じゃぁ、着替えたらここで待っててね。」

ジミンはそう告げると、更衣室の中に入ってった。ジョングクは、「はーい。」と背中に向かって声をかけた。

更衣室に入ると着替えをしている人がいた。男子更衣室はほぼ大人の男だけだった。子連れも今はおらず、ジョングクは空いてる個室を見つけキョロキョロと誰にも見られていないか少し不安になりながら個室に入りカーテンを閉めた。こう言うところで着替えるの緊張するなって思いながらも、荷物を下ろしTシャツをばさっと脱いだ。脱いだTシャツを胸を使って綺麗に畳む。そしてカバンにしまう。それから履いてきたズボンを脱いで、下着も脱いで急いで海水パンツを履いた。それから脱いだズボンも綺麗に畳んで鞄にしまった。ジョングクは最初からサンダルで靴下も履いてなかった。着替えが終わり一瞬考えてからベンチに座った。

多分ジミン氏は少し時間がかかるよね。女子は着替える時にきっと個室を使うんだろうし、たくさん人がいたら順番を待つだろうし、子連れもいっぱいいたらきっと更衣室自体が混んでいるだろうし、っていろんなことを考えた。多分それは少し外に出るのが怖いから。だって、出たら水着のジミン氏がいるわけで、僕はどうしたらいいんだろうかとジョングクは座り込んでそんなことを考えていた。

しばらく座っていたがジョングクは意を決して更衣室から出ることにした。鏡の前で一瞬立ち止まる。上半身裸の自分に戸惑う。ジミンが水着ということよりも自分が上半身裸ということに恥ずかしさを覚えて、着てきたTシャツを鞄から出してまた着た。それから外にやっと出た。

「やだー、遅いよー。」

出た瞬間ジミンに声をかけられた。

「あ、すいません、ジミン氏、あ、でも、」

ジョングクはジミンを見る。

「ほら、行くよー。いくら貴重品はないとはいえ、パラソルも盗まれたら困るしさー、もう、着替えに何でこんなに時間ががかるんだよ。ジョングクもうちの色気付いてる弟と同じかよって思っちゃったよ。」

ジミンはそう言いながら歩きだしジョングクの手首を掴みずんずんと前に進む。

「あ、はい、ごめんなさい。時間かかっちゃって。」

そう言ったジョングクに、少し振り返りうふふって笑いながら、

「海楽しみだね。荷物置いたら海入ろうよ。」

って言った。



ジョングクは心の中で、聞いていたのと違う。と思っていた。僕が期待して、楽しみにして恥ずかしくなっちゃってたやつと違う。。。

そんなジョングクの心が見えたわけじゃないが、ジミンは、どうした?大丈夫?って聞いた。ジョングクは、あ、はい。って答えた。

ジミンは、確かに聞いた時に水着はビキニだよって答えたんだ。でも、今ジョングクの目の前にいるジミンは、長袖のラッシュガードを着て、しかもフード付きだからフードも被り、下は短パンを履いている。ジミンに腕を掴まれそのまま連れて行かれているジョングクをジミンは振り返り立ち止まりもう一度聞いた。

「なに?どうした?」

考え事をしていたからジミンに聞かれたことが耳に入ってなくて、また聞かれて、ジョングクはジミンをただ見つめて、ジミンの着ている服に視線を落としてからもう一度ジミンを見たジョングクに、

「あ?水着?変?」

って逆に聞かれた。

「あ、いや、変ってことはないです。」

ジョングクがそう答えると、

「良かったー。ラッシュガードは必須よね。でもデートで着るにはちょっとおばちゃんくさいけど、私真っ黒になっちゃうから、そんなの言ってられないの。」

ジミンはそう言った。ジョングクは返す言葉がなくて。あ、はい。って答える。

「でもジョングク、着てたTシャツ脱がないの?それ濡れても着て帰る服あるの?」

ジミンにそう聞かれて、

「ないです。」

と答えた。

「え?ないの?帰りどーすんのよ。裸じゃぁ、帰れないよ。脱ぎなよ。もしかして持ってくるの忘れたの?」

「あ、いえ、海パンだけでジミン氏の前に出るのなんだか恥ずかしくて、、、」

ってもじもじと答える。

「あははは。帰りにバス乗れない方が困るんですけどー。」

ってジミンは大笑いした。

パラソルの下までついて、ジミンは抱えていたカバンをよっこらしょって下ろす。ジョングクもその横にちょこんと座った。

「まだ、朝なのに、もうめちゃめちゃ暑いね。はー、ひとまず、日焼け止め塗るか。」

ジミンはそう言って、足から塗り始めた。

「ジョングクは、塗る?塗ってあげようか?」

「あ、いや、僕は、」

「ん?塗らない?やめておく?」

「あ、僕は大丈夫です。」

「そう?」

ジミンはジョングクからの返事を聞いて、視線を自分の足に戻して日焼け止めを塗り続けた。そうしていたら足への塗布は終わった。そこで徐に着ていたラッシュガードのジッパーを下ろす。そして、ばさっと脱いだ。

「日焼けは嫌だけど、着てるのも暑いんだよね。」

そう言った。ジミンは話していた通りビキニだった。シンプルなフリルとかついていない、三角布のビキニだった。

「首元とか焼けると痛いんだよね。」

両手にバーっと日焼け止めを出して、両手に塗り広げ首や肩や腕、胸の前に塗り始めた。ジョングクは日焼け止めを塗っているジミンをただみつめた。見つめたと言うか、初めて見るジミンの肌にただただ緊張していた。じっくりみていいのかも気になったし、ジミンも自分の目の前にいるわけではない。少し背中を向けるようにやっているのだ。本当は前からじっくり水着姿を見たいんだけど、、、ジョングクはとにかくただジミンが日焼け止めを塗っているのを見つめていた。

ジミンは器用に背中の方にまで塗っていくが塗れていない部分もある。

「ジミン氏、この辺り塗れてませんよ。」

ジョングクは恥ずかしそうにチラッとジミンを見て言った。

「え?そう?この辺?」

「あ、いや、もう少し左。」

「え?この辺?」

ジミンはもう一度どこらへん?って聞いてから徐に、

「ちょっと塗ってよ。」

って言った。

「え?」

ジミンの突然の申し出に、ジョングクはたじろぐ。ジミンはそんなジョングクに笑いながら、

「お願い。」

って伝えた。

日焼け止めを手に出す。それをジミンの背中にペタッと乗せた。ジミンは肩をすくめて、ヒャヒャヒャって笑った。

「塗れた?もう、塗り残しない?」

ジミンが聞くと、

「あ、いや、こっちにももう少し、」

ジョングクはまた別のところにもペタッと塗って、それからゆっくりのさっきつけたところも、優しく塗り広げた。なんだか、とっても変な気分だった。優しい肌だった。手は繋いだことあるし、キスだってしたことあるけど、こうやって今日背中を触るなんて思いもしなかった。ジミン氏はまるで弟といるような感じなんだろう。ジョングクはそう思ったけど、

「塗れましたよ。」

って言ったジョングクに、ありがとうってジョングクと目は合わさずに急いでラッシュガードを着込んでジッパーを上げたジミンにジョングクもジミンが本当は恥ずかしかったんだって、僕に背中を触られて、ドキドキしたんだって分かった。

ジョングクは、自分に背中を見せてゴソゴソしてるジミンの恥ずかしそうに少し小さく丸まった背中にトンと頭を寄せ引っ付けた。

「ウェーエー(なぁにい)?」

といつものようにお姉さんぶって聞くジミンにジョングクは、

「モチモチ、背中モチモチしてます。」

と言った。本当はお互いに恥ずかしいしかなかった。





ジミンの着替えが早かった理由

もちろん水着は家から着用していた。ジミンに言わせると、汗をかいた肌に狭い更衣室で水着を着るのは至難の業。だから、絶対に家から着てくる派なんだとか。ビキニだしね、あはははだだそうです。








写真お借りしました。
※この作品はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありませんが、BTSを愛でたいがゆえ、こんなだったら近くにいてくれそうだなとの思いが詰まっています。しかし実際に彼らに近寄るのは犯罪になることもありますのでご注意ください。フィクションとしてお楽しみください。
This is a work of fiction. Names, characters, businesses, places, events, locales, and incidents are either the products of the author’s imagination or used in a fictitious manner. Any resemblance to actual persons, living or dead, or actual events is purely coincidental. This work is made by all the love and imagination of BTS.
Please enjoy it as a fictional story.
©︎2018_1123yousawa

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