解説編 : 室内空気環境モニタリングデモ
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解説編 : 室内空気環境モニタリングデモ

コロナ対策の一環として、”密”を避けなければいけません。小売店、飲食店、オフィス、会議室、学童、塾など、どうしても”密”が発生しやすい環境では、誰でも簡単に効率よく、室内の空気環境をモニタリングし、綺麗な状態に保てる仕組みが求められます。

ということで、デモ動画を作成し公開しました。

仕組みに興味ある方は少ないかもしれませんが、これまで同様に、少し実現している仕組みについてご紹介したいと思います。

0. 利用イメージ(導入される現場のイメージ)

この仕組みが活用できる場面というのは、いくつか条件があるはずです。

* 室内で”密”が発生しやすい
* その”密”を常に気にしながら、現場を捌く人的リソース・時間が少ない
* そもそも"密”を現場任せで判断してもらうことにはブレ・無理がある

このような場合、「定量的な基準」に基づき、「(現場スタッフが誰でもすぐにでき簡単な)定まったオペレーション」を行うことで、”密”回避を行うべきだと思います。

この仕組みを活用することで、この重要な2点(定量的な基準、定まったオペレーション)を実現することが可能と考えています。

[ 現場運用手順(案)]
i. CO2濃度が基準値を超えた場合、アラート通知をLINE Botに出す (定量的な基準、誰でも簡単に理解できるもの)
ii. LINE Botのメッセージに従い、予め決められたドア・窓を開く(定まったオペレーション)
iii. LINE Botで(直近の)CO2濃度を確認し、基準値以下であれば(あるいは窓を開けてX分後など)ドア・窓を閉じる(定まったオペレーション)

なお、多店舗展開する会社などでは、現場データを一元管理・モニタリングし、サービス品質維持などに利用できると思います。

1. システム構成(概要)

さて、「LPWAでオフィス環境を可視化せよ!(前編)」と同様に、システムの全体構成を簡単に説明したいと思います。

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室内環境をモニタリングしたい場所(図、左側)には、センサノードとGatewayがあります。Gatewayから(ISPを通じて)インターネットの世界に出て、クラウド側(図、右側)で、The Things Stack TTS V3 Community Edtion(以降、TTS V3と記載します。TTS V3は、近く日本語化がお披露目予定)とつながります。

TTS V3以降は、2系統に分かれます。まず、管理者用を想定したダッシュボードは、Tago.ioです。もう一つは、現場スタッフなどがすぐに確認できるLINE Botです。LINE Botの手前はBotを制御するためのプログラムが必要ですが、GCPでもAWSでもなんでも良いかと思います。

[ 利用したセンサーノード / Gateway ]
- CO2センサー : Dragino LAQ4
- ドア開閉(Do): Dragion LDS01
- LoRaWAN Gateway: Dragino LPS8-JP (LoRa Pico Station)

2. まめ知識・情報

CO2センサー LAQ4は、設置場所でのキャリブレーションが必要です。センサーの特性上、キャリブレーションして、CO2濃度、TVOC濃度のベースラインを決めてあげる必要があります。公式マニュアルによれば、LoRaWANサーバへのJoin後48時間放置し、その後綺麗な空気の下、キャリブレーションを行います。30分程度は時間が必要とのことです。

デフォルト設定では、20分間隔(インタバル)でuplinkがあります。また、CO2濃度/TVOC濃度の閾値設定をすることで、インタバルuplink以外で、閾値を超えた/下回った際にuplinkを発生させることが可能です。

閾値設定をしない場合、あるいは閾値の範囲内のuplinkでは、Alarm_Statusなるフラグが"FALSE"になります。

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閾値設定をして、閾値の範囲外になった場合のuplinkでは、そのフラグが"True"になります。

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これにより、アプリケーションレベルでは、uplinkの発生契機を判断することが可能です。


LoRaWAN Gateway LPS8-JPは、出荷時の状態によっては、TTS V3に接続するためにファームウェアを最新化する必要があるかもしれません。LoRaWANサーバへは排他的な接続となります。つまり、旧来TTN (V2)とTTS V3へは、同一Gatewayが同時に接続できません。どちらか一方への接続です。

TTS V3は、執筆時点で日本語化は正式リリースされていません。また、3箇所のクラスター(欧州、北米、オーストラリア)しかありません。いずれかのクラスターを選んでください。なお、TTN (V2)とアカウントは共通化されていますので、TTN (V2)でアカウントを持っている場合は、新規のアカウント登録は不要です。ただし、TTN (V2)側で作成したアプリケーションやGatewayは継承されませんので、必要に応じて移行が必要になります。TTS V3で新規にアプリケーションやGatewayを登録する場合は、TTN (V2)からの移行などは気にする必要がありませんが、TTN (V2)で登録・利用しているセンサーノードやGatewayは、TTN (V2)側で削除したあと、TTS V3へ登録してください。

なお、TTN (V2)からTTS V3への移行については、別途触れたいと思っています。

3. 余談

先ほど触れたLAQ4の閾値設定ですが、アプリケーション側の作り次第では、特にLAQ4自体に閾値を設定しなくても、LINE Botへの通知判定は可能です。

ただし、、、

例えば、電池消耗の少しでも減らす意味で、通信インタバルを1時間などにすると、1時間uplinkを待たなければいけません。このような場合は、やはり閾値設定を有効にすべきで、閾値設定をすることで、インタバル通信とは別に、閾値による判定で、都度uplink通信が発生し、電池消耗を減らしつつ、現場の環境をより早く検知することが可能となります。この辺りはうまく活用したいところですね!

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