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IのITJ

エントリーできた!びっくり!どうしよう!が旅のはじまり。最長レースは30km=ITJ出場要件ギリ。でも、どうせ走るなら。どうせ辛いなら。どうせやるなら。出来るだけ「楽しい」で埋め尽くす旅にしたかった伊豆トレイルジャーニー。楽しい旅への準備は未知への距離の不安を拭うところから始まりました。時間があれば、こぞって山に入り。街を走り。決して無理はせず。気の向くままに、楽しく。もちろん自分のできる範囲で。誰かに勝つ。何位を目指す。何時間で帰る。が目標ではなく、ただただ自分らしく。自分が納得できる旅。66キロの旅路を走っている自分の身体を楽しみ尽くすレースにしたくて、公式レース名は伊豆トレイルジャーニー(ITJ)なのに、図々しくもIのITJに変換し、超個人的主義な考えで準備開始。そんな考えから始まったIのITJなのに、準備をしていくにつれて、私の周りにはとにかくかっこよくて熱くて優しくてあったかい人たちの輪ができて、あぁ幸せものだと心から思った。

ドキドキのスタート地点。まだ終わってない(そもそも完走できるかすら分かってない)のに、幸せすぎた準備期間を思い返して、あぁ終わってしまうんだな。という寂しい気持ちもふつふつ溢れて。コロナ禍にある世の中でこの大会を開催するにあたってのスタッフの方々の尽力を想像すると、感謝が溢れて。普段、アドレナリンビンビンになることのない私が、防寒ばっちりで寒いわけではないのに鳥肌立つくらいの精神状態になってる(普段することのない自撮りしちゃうくらいのビンビンアドレナリン)(よく あー今日はとっても元気!という時でも今日も眠そうだね。と言われるくらい 力のない眼が自分でもびっくりするくらい ぎゃっと 見開いてるほど)ことに気づくとなんか不思議な空間にいるような気持ちになって。

白ゲートを見た時に、あぁ無事にスタートラインに立てたんだな。と、もうすでにうるうる。

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スタートしてからの道中は楽しくて楽しくてウキウキでそれはそれは素晴らしかった。どこで何を着ようか。脱ごうか。何が食べたいか。どのくらい喉が渇いてるのか。あと少ししたら少しペースを緩めてあと少ししたらちゃんとがっつり足を動かそう。「バックヤードウルトラのあの侍たち、かっこよかったな。私が見たあのゾクゾクと、なんとも言えない気持ちはなんなんだろう。」「前の週に行ったトラサルきつかったなぁ〜。」「前の日に食べた海鮮おいしかったな。」「三島に来るまでの石山さんとの車の中、楽しかったな。」など、頭の中でぽこぽこ浮かんだ自分から自分に投げられた会話に対して、一つ一つ答え、対話しつつ進んでくあの感じがひたすらに面白かった。自分の身体を自分だけで楽しんでいるあの感覚。

夜間パートを走るのは大大大前提だったのだけど、最後の林道がすすんでもすすんでも縮まらない。すでにスタートから11時間経過。こぞって山に入った準備期間や、有難いことに周りにたくさんいるトレランの達人たちから聞いたノウハウも思い出しながら走っていたけど。致命的なウィークポイントに直面。わたしには「11時間動き続ける練習」が足りなかった。

足は全然動くのに、動悸もしないのに、楽しい!と思う気持ちは全く全く消えてないのに。「11時間以上動く」身体の耐久性 持久性 を持ち合わせてなかったみたい。そんな中、なかなかひらけないロードを自分の足音に耳を向けて一歩一歩着実に進む。

ようやくようやく人影が多くなり、ゴールゲートまで続いているだろうライトが多くなり。最後のゴールエリアに入った!と思ったら、前に現れたのは、おだけっち。。。。泣

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ボランティアで来てくれるのは知っていたけど活動時間がスタートから10時間と言っていたので、まさかまさか会えると思わなかった。

おかえりーーーーー!もう少しだよ!もうそこだよ!と最後に背中を押してくれた一声をもらった時点ですでにやばいぃ。涙でてきちゃう〜。の状態だったのに、ゴールに進んだら、現れてきたのはもうとっっっっくにゴールしていた、チキンハートのみんな。

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亜衣ちゃん!おかえりー!やったーーーー!さいこー!って声が。なにこれ、最高。幸せ。幻??あそこをくぐればゴールできちゃう??

なんて思ってたら、サイドにお祭り漢の直樹くんが現れたハイタッチ。前をみたら、レース後を感じさせない爽やかすぎる染谷さんがカメラを構えて立ってる。。。泣 楽しみ尽くしたんだから絶対絶対笑顔でゴールと心に誓っていた自分との約束はみんなのあたたかさで簡単に破ってしまい、涙と鼻水混じりのゴールとなりました。ゴールゲートを潜ったら、この笑顔。しゃきーん。

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涙も鼻水もどっかに飛んでって(きっと袖口でふいただけ)、疲労も飛んでって、目の前にいる染谷さんに向かってこのケロッとした顔。

あれから約2ヶ月。今でもあの時のゴールとそれまでの準備期間を思い浮かべると幸せなホクホクな気持ちになれる、魔法の1日だった。どれほどの時間や苦悩が費やされて、あのレースが終わるまでどれほどの苦渋の決断があったのだろうか計り知れないけれど、あのレースを作り上げてくださったITJの関係者にはありがとうの感謝でいっぱい。素敵な素敵な伊豆トレイルジャーニー(ITJ)をIのITJ だなんて、超絶個人主義すぎる思考で走っていたのに、終わってみたらみんなの優しさの塊が身にしみて痛いくらい。そんなみんなに感謝でいっぱい。

みんな、みんな、ありがとう。

また1つ挑戦する前に、書き残しておきたかった記憶。#IのITJ




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