【本のこと】『小さな生活』
新型コロナウイルスの影響は、私の生活にも出てきました。
大学は当分の間、遠隔授業。
アルバイトは2つともお休み。
デートもバドミントンもできない。
だけど、もっと不便を感じている方が沢山いる。
今は自分と大切な人たちの健康を守るべく、在宅生活に専念します。
家で過ごす時間が増えてきた最近、こんな作品を読んでみました!
津田晴美 著『小さな生活』(ちくま文庫)。
私が生まれる1年前、1998年に出版されたエッセイ集です。
著者の津田さんは、東京の美大を卒業後、建築やファッションなどの企画部門に従事し、1982年からはフリーランスとして、雑誌や広告などのインテリア・スタイリストをされている方。
ちなみに、この作品を薦めてくれたのは母でした。
母は私以上の読書家で、お気に入りの本しか手元に残さない人なのですが、『小さな生活』をとても大切にしています。
そんな母の「お気に入り」を覗いてみたくて、1ページ目をぺらり。
ここで、私のスキな部分を綴ってみます。いっぱいありますよ。(笑)
「暮らし方が素敵かどうかは、その人の現実への姿勢なのだ」(あらすじ)
「夢見る少女の時期が過ぎて、それまでの自分を愛してくれた多くの人がそのままでいてほしいと願うのだけれど、自分にはもっと見たい世界があるような気がして暖かいベッドからするり抜け出す決心をする」(はじめに)
「キッチンは春の畑のように生き生きしてくる」(キッチン)
「言葉の価値を知ることは、真実を探求することや、物の価値を知るということと同じに曖昧な考えが明確になる。現実の生活を楽しむことが夢に近づく方法なのに、多くの人は現実のなかにはないと思っている」(ワーズ・ワース)
「センスが身につくとは、好きと思うものと相思相愛の歴史を重ねること」(センス)
「欲しいと思うほどの作品に出会った。それだけで幸せだ」(アート)
「闇のなかにある光る砂を撒き散らしたような美しさのなかに自分とつながる特別の明かりのひと粒があることを感じる」(あとがき)
津田さんの言葉選びからは、彼女が大切にしている生活やインテリアに対する、ひっそりとした愛おしさを感じました。
読者にだけ、こっそり耳打ちしてくれるような空気。
母の「お気に入り」を覗き、娘は少しオトナになった気がします。(笑)
貸してくれてありがとう。(ここで言う娘)
アナタのお気に入りは、どんな作品ですか?
読んで下さったアナタ、ありがとうございます!
Après la pluie, le beau temps.「止まない雨はない」
今日が、少しでも良い日となりますように。