大森博子 Hiroko Ohmori🐟⛅

おもに昔の出来事関係(日録や訳注)や雑記などを書きつけています。よろしくお願いいたしま…

大森博子 Hiroko Ohmori🐟⛅

おもに昔の出来事関係(日録や訳注)や雑記などを書きつけています。よろしくお願いいたします。 ノート https://note.com/11111hiromorinn/ X https://twitter.com/11111hiromorinn

最近の記事

【諸乗法数】5-74

【諸乗法数】5-74 五散亂 華厳孔目章 自性  外(散乱)  内散乱  粗重  思惟 註 佛道成就の妨げになる心の乱れ五種。『華厳孔目章』巻三に見える。 自性散乱 五識による乱れ。 外散乱 意識が外に向っての乱。 内散乱 内心が安定しないこと。 粗重散乱 計画性のない思索。 思惟散乱 佛以外の教えによる思索。

    • 【諸乗法数】5-73

      【諸乗法数】5-73 龍五不隠形    生  僧 死  護 婬 時   嗔    睡 註 龍王がその姿を変えることができない五種。生まれる時。死ぬ時。婬事の時。怒る時。眠っている時。 ※「僧護」は未詳。真言宗の僧慧友のことか。栂尾高山寺の学僧で、字は恵猷または慧友といい、僧護と号した。伊賀国上野に生れ、はじめ智積院において謙順の門弟となり、その後、近世真言律の復興に尽力し、現在の高山寺経蔵の基礎をなしたとされる。

      • 【諸乗法数】5-72

        【諸乗法数】5-72 五妄想 (首)楞嚴(經)  堅(固が欠落)  虚明  融通  幽隠  顛倒 註 五蘊に同じ。堅固妄想は色、虚明妄想は受、融通妄想は想、幽隠妄想は行、顛倒妄想は識。巻十に見える。

        • 【諸乗法数】5-71

          【諸乗法数】5-71 五不退  信  位  證  不退 行  煩惱  註 退は堕落のこと。不退は修道堅固な故に堕落しないことを表す。 信不退 十信位に達した者が堕落しないこと。 位不退 十住位に達した者が堕落しないこと。 證不退 初地以上に達した者が堕落しないこと。 行不退 八地以上に達した者が堕落しないこと。 煩悩不退 菩薩の境地に達した者が堕落しないこと。 補註 十信位 菩薩が修行して得られる菩薩五十二位の中、下位から数えて第1番目から10番目の位。 十住位 菩薩が

          【諸乗法数】5-70

          【諸乗法数】5-70 五邪  詐現異相  自説功徳 占相吉凶 高聲現威 説所得利以動人心 註 佛道に入った者がしてはならぬ事五つ。正しくは五邪命という。『大智度論』巻十九に見える。 詐現異相 殊更に奇瑞を説く。 自説功徳 己の功徳を誇らしげに説く。 占相吉凶 吉凶を占う。 高聲現威 声高に人を威圧する。 説所得利以動人心 利益で人の心を動かす。 修行者は占いはしないものと決まっているが、俗人の常として、占いによってこの先のことを知りたいものである。運命は自分

          【諸乗法数】5-69

          【諸乗法数】5-69 三禪五支  捨支  念支  慧支  樂支  心一境性 註 三禅天(既出)に到達した修行者の得られる五つの功徳。法界次第(中国の南朝の陳の時に編まれた仏教入門書)の解説。 捨支 舎支に作り、世間の喜怒哀楽を舎(す)てて誠の喜びを得る。 念支 愛念から離れて心の澄む境地。 慧支 智慧を得たる境地。 楽支 舎・念・慧を得て楽しむ境地。 心一境性 一心支に作り、心が澄みわたる境地。

          【諸乗法数】5-68

          【諸乗法数】5-68 初禪五支  覺支  伺支  喜支  樂支  心一境 註 五禅支とは、禅定(ぜんじょう 心が動揺することがなくなった一定の状態)に入るための段階。 覚支 尋支ともいい、まず瞑想を始めて道とは何かを考える。 伺支 それを更に深め細やかに瞑想の度を増す。 喜支 喜悦支ともいい、煩悩から徐々に離れることを喜ぶ。 楽支 煩悩から離れることによる楽の状態。 心一境 一境性ともいい、瞑想に集中すること。

          【諸乗法数】5-67

          【諸乗法数】5-67 五浄内(ママ・正しくは肉)  不見殺  不聞殺  不疑為我  自死  鳥殘 註 出家者でも供養されたら食して良い肉五種。 殺す所を見ないで肉となったもの。 殺される時の声を聞かないで肉となったもの。 自分のために殺されたのではない肉。 自ら死んだ物の肉(前生譚に兎の話有り)。 鳥が啄み残した肉。 今でも南伝佛教ではこれが行われている。中国の僧が完全素食となったのは梁の武帝の命によるものといわれる。わが国に伝播して精進料理に。

          【諸乗法数】5-66

          【諸乗法数】5-66 五力難判  定力  通力  大願  法威德  借識力 註 五力とは、佛道を志す者を悟りに導く方法に五つあるが、その五つの方法のどれが優れているか判じ難いことをいう。『宗鏡録』の説。『宗鏡録』では、大願は願力となっており、また、法威徳と借識力の順になっている。 定力 禅定に入ること。 通力 如来の通力。 願力 如来の大願。 法威徳 如来の示した法の威徳。 借識力 如来の識力を借りて己の道とすること。

          【諸乗法数】5-65

          【諸乗法数】5-65 掃地五德  自除心垢  亦除他垢  去驕慢  調伏心  長功德 註 掃除の利点五種。『佛説有部毗奈耶雜部』に説く。まず己の心の垢を取り除き、さらに他人の心の垢も取り除く。驕慢な心を去って謙虛となり、煩悩を調伏し、その結果、長く功徳となる。 釈迦の弟子の周梨槃陀伽は愚鈍で物覚えが甚だ悪く、釈迦の説法を聞いてもすぐに忘れてしまう。それを嘆いていると、釈迦は箒(ほうき)を授け、「これを見たら掃除をしなさい」と。愚鈍ではあるが素直な槃陀伽は早速それを実践。や

          【諸乗法数】5-64

          【諸乗法数】5-64 法身五 瓔珞(經)  如々法身  功徳法身  目法身  變化法身  虛空法身 註 法身(ほっしん)とは佛の本体のこと。解釈は経典によって相違があるが、これは瓔珞経(『菩薩瓔珞本業経』二十巻、後秦の釋佛念の訳)の説。 如々法身 如来の本来の姿。 功徳法身 佛の功德を表す。 目法身 佛の光明が目に見えるが如く衆生に明らかなこと。 変化法身 形をなさず応変する法身。 虛空法身 不生不滅の真如を体現する法身。

          【諸乗法数】5-63

          【諸乗法数】5-63 五蘊喩  色如聚沫  受如水泡  想如陽燄 行如芭蕉 識如幻事 註 五蘊(ごうん)とは肉体と精神の五つの集合体。それらが本来は皆空であることをいう。 色(肉体)は泡の集まりの如くとりとめが無い。 受(感覚)は水の泡の如く空しい。 想(想像)は陽炎の如く搖らぐ。 行(心の作用)は芭蕉の葉の如く破れ易い。 識(意識)は幻のようなものでる。

          【諸乗法数】5-62

          【諸乗法数】5-62 土五種  法性土  雙泯土  俱性相  融三世間  慈誦土 註 『華厳経疏』に見える如来(佛)の居ます世界五種。経疏には「五種土」とある。 法性土(経疏では唯性土に作る) 如来の法性を表す世界。 雙泯土 如来と一体となった世界。 俱性相土 如来の智慧を象徴する世界。 融三世間土 如来の神力によって三世間が融合した世界。 慈誦土(経疏では総摂土に作る) 一切が円融した世界。

          【諸乗法数】5-61

          【諸乗法数】5-61 五般若  實相・所證理  觀照・能證知  文字・能詮教 境界・大塵事  眷屬・心心所 註 正しくは五種般若。『華厳経』等に見える。般若(智慧)の五種類の働き。 実相般若 身躰の働き。 観照般若 智の働き。 文字般若 表現の方法。 境界般若 対象を表す。 眷属般若 応用を表す。

          【諸乗法数】5-60

          【諸乗法数】5-60 食五報  色  力  命  安  辯 註 食が齎す五つの報い。色は肉体を養い、力は活力を養い、命は生命を養い、安は心の平安を養い、辯は言語を養う。 行政は現実的に人々を救済するためにあり、その基本の一つとして飢餓状態にさせないということがある。人は生まれた時点で置かれた環境に違いがある。食べるのに困らない富裕な家庭や身分の人もいれば、その日食べる分も満足に得られない貧窮の家庭もある。釈迦は王族として生まれ、何の心配もない生涯を約束された身分であっ

          【諸乗法数】5-59

          【諸乗法数】5-59 神五通  足不履地  知人心命  回眼千里 呼名即至 石壁無碍 註 佛の持っている、いわゆる神通力のこと。 足は地を踏まない(地上の虫を害さぬため爲)。 人の心や運命を知る。 千里の先も見通す(過去未来も含む)。 御名を唱えれば立ち所に至る。 石壁等も障碍とはならない。 神通力を持っていても、妖術使いのように常にこれを行使して何かをするということは佛はしない。また、その人の運命や行く末、どういう死に方をするかを知っていても、それを占い師