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【諸乗法数】5-60

【諸乗法数】5-60

食五報 

色 
力 
命 
安 

註 食が齎す五つの報い。色は肉体を養い、力は活力を養い、命は生命を養い、安は心の平安を養い、辯は言語を養う。

行政は現実的に人々を救済するためにあり、その基本の一つとして飢餓状態にさせないということがある。人は生まれた時点で置かれた環境に違いがある。食べるのに困らない富裕な家庭や身分の人もいれば、その日食べる分も満足に得られない貧窮の家庭もある。釈迦は王族として生まれ、何の心配もない生涯を約束された身分であったが、ある時、王城から外に出て、色々な苦しみを抱えている人の存在を知った。そればかりではなく空しく死んでしまった人、更にはひたすら修行をする僧の存在を知るに及んで、我が恵まれた地位や環境に安住していてはいけない、この世から苦しみをなくす必要がある、それにはどうすればいいかという思いから、一切を捨てて修行することに決めた。いわゆる四門出遊(しもんしゅつゆう)である。これは宗教の上から苦しみというものの真理を知ろうとしたもので、それが分かれば取り除く方法もおのずからわかるといったことだが、あくまで心を軽くするものであり、現実には行政の助けが必要である。為政者に民に対する哀憐の情があるかどうか、政治家や候補者を見極める根本的な評価基準である。

 

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