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中井久夫の文

中井久夫の文は、川端康成の美しさを思わせる。
やすなりの字が違うかも。
方解石のような文という人も居る。
クロルプロマジンが見つかる前の、閉じ込める場所をどうするか、しかなかった時代に統合失調症を専門にした、法学者崩れから文化功労者へ。
2022年、満を持して没。
エッセイ、ギリシャ詩の翻訳は数知れず、
翻訳は原文よりかなり長くなると面白がられた物好き。
ファンも多い。
よって、統合失調症や精神病院の闇を垣間見せつつ、
彫像のようになった患者が6時間後に指が動いたなど書いてあるエッセイは極限を観察し続ける忍耐と愛情をにじませ、
北中淳子に本当に統合失調症のフィールドワークをする学問をさせてしまった、影響力があった。
数々の名もなき精神科医たちを語り継ぐ中井久夫のエッセイを読んでほしい。
人は幽閉されたら、体力があったら暴れる。
時にけが人が出るので、鎮静薬の注射薬をぶち込む慣例となっていたが、
中井久夫は合気道の心得があったので、後ろから方にぶら下がり、
自分が殴られないように腕をロックして、足で胴体を抱えて抱きしめてあげれば、3,4時間、体力があっても6時間でどんな患者もおとなしくなると、
ヒポクラテスの誓いを守り切る高潔さを精神病院に吹き込み、
男性病棟、女性病棟と分けたり、避妊手術をしたりしなくていい時代の到来を待った。それぞれの観察眼のある名もなき医師が働き、
クロルプロマジンはじめ、「抗精神病薬」が20世紀後半から現れる。

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504字
統合失調症は、自信をもって「仮説」をもとに治療がされてますが、 日々概念や治療法が改良されているものでもあります。 有効性と安全性、普及できるかの審査などで保険適応になるまで 10年単位の時間がかかるもののようです。 医師は、確かな情報を語らなければならない。 でもぼくはそれを拒んだので、 失った特権の代わりに得た知見から、有力視されてきているものを 挙げたり、(自由診療、つまり保険適応外で高めですが外科手術より安いものがおおいです。詐欺師の医師をえらばない限り)新概念のしょうかいをしようと。

統合失調症

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医学的知識と、人類文化学からなる医療人類学だっただろうか、阪神大震災の直後に心のケアセンターを立ち上げ、60歳を超えてからPTSDに専門を…

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