秋の空時計(ショートショート)
僕は彼女を愛していた。彼女もきっとそうだと思っている、多分。
春から付き合いだした僕たち。その頃の彼女は、正に春の空を舞う春風のように、優しく温かく僕を包んでくれた。
でもどことなく、春風の様な優しさが、逆にどこに飛んでいくか分からない危うさみたいなものを僕は感じた。
夏。彼女は夏空の入道雲の様に気が大きくなり、容赦なく照りつける大陽の様に僕に攻撃的になり、他所で遊んだりと開放的になった。
本当に僕の事を愛してくれているんだろうかと不安が募る日々。
秋。僕は毎日の様に空を見上