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イラスト集を買う-sekuda『pokets』-

デザインが仕事の友人と、銀座の蔦屋に行った。
友人が好きなポップカルチャーのコーナーで、鮮やかで目を引く表紙の本があり手に取った。イラスト集だ。パラパラと捲ると、その絵に二人して引き込まれた。

手荷物の都合上、その場では購入せずにいた。が、しばらくしても、私の頭からそのイラストの印象が頭から消えなかったので、作者の情報を記録していた友人に連絡し教えてもらう。sekudaさん、という方の作品らしい。

ほどなくして、あの時見たイラスト集を購入することが出来た。
カラフルなのは、なるほど、セクシャルマイノリティ(レインボーフラッグ)がテーマであったためかと理解する。


イラスト集を買うのはいつぶりだろう。コミックスを買うのも最近ではデジタルだし、画集の類は場所を取るからと断捨離してきた。
データで手に入るものを物理的に購入することに、いつしか抵抗を感じるようになっていた。それでも手元に欲しいと思うのは、それだけの魅力と価値を感じているからに違いない。

私は絵を描かないが、イラスト作品を見るのが好きで、国際展示場で開催されるデザインフェスタなどにもたまに行く。sekudaさんと同じ傾向のイラストレーターが数多いることを知っているけれど、なぜこの方の絵にそこまで惹かれるのだろう。

画風、ファッションセンス、構図、配色……どれも素敵だ。突出して魅力的と感じる要素は分からないけれど、私は画集の中で、ホクロやそばかすの描かれている人物の絵が特に好きなのだと気づく。
イラストなのだから、”描かない”ことができる。あえて肌に描かれるそれは、キャラクターの象徴でもあると同時に、魅力を与えるスパイスみたいだ。何だかとっても人間みというか、温かさというか、そんなものを感じる。

一応私は女性であるという手前、毎日化粧をするわけだけれども、皮膚に点在する黒いものは抹殺しなければ、という感覚は義務感に近かった。
(コロナ禍のマスク生活をいいことに、顔のホクロ除去をしたし……)
これから私の肌に現れるだろう黒点は、加齢によるものだろうけど、何とかsekudaさんの絵のようにかっこよく映えてはくれないものだろうか。

このイラスト集は、部屋の目につくところに置いて、たまにうっとり眺めている。


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