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OXILE君今日は何をやってくれるか!
OXILE(オグザイル)=彼がそう呼ばれるようになった所以(ゆえん)とは。
平成〇〇年四月一日。今日から新年度の始まり。新入社員も今日がスタートだ。
私が外回りが終わって職場へ戻ると、すでに部長の前で朝礼が始まっている。
その中に、際立って目立った奴がいる。
いかにも、
「これは・・・まずい。」
という見たことのない顔が。
頭は丸刈りで、ところどころ濃いところ、薄いところがあったり。
そう、所謂(いわゆる)「虎刈り」である。
配属先はそう、私の部署(ところ)。
新入社員のあいさつも終わり、先輩職員たちが「その頭どこで切ったの?」と尋ねると、
新入社員:「自分で切りました」
と自信ありげに答えた。
この大事な入社式の日にその頭。周囲は驚きの色を隠せない。
その当時、人気絶頂のEXILE(エグザイル)というグループが世の中を席巻していた。
ボーカルのATSUSHIが頭にラインを入れ、真っ黒なサングラスをしているその容姿。それはまさしく、「カッコいい」。
それに対し、眼鏡をかけ、虎刈りのまったく様にならない新入社員君。
両極にいるような二人の対照的な姿。
置き換えると「オグザイル」
まったく格好良くない新入社員君に相応しいネーミングがつけられたのであった。
この物語は、アパートの管理に戦いを挑んだ新入社員の3年間の記録である。
アパート管理業界において、全く非力で虚弱体質な新入社員が、諸先輩の指導の中から健全な精神を培い、採用3年で人事異動を成し遂げた経過を通じて、その原動力となった信頼と愛をあますところなく記録化したものである。
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