見出し画像

遠くへ行くアルバイトです2

ただそれはいつも見ているコンビニエンスストアと限りなく近いものであったが、なにかおかしな違和感がそこにあった。

看板の文字が若干歪んでいたり、ゴミ箱がやたらに白かったりとなにか微妙に不快感を覚えるものがそこにあった。しかし吉田は恐れることはなかった。

元々金額からして怪しいバイトと思っていたのでこういうタイプの怪しいバイトなのかと妙に納得して店内に入った。

ピロピロとした店内音とともに吉田はその商品棚に並んでいるものを見て目を見張るものがそこにあった。

ぎっしりとツメの欠片が入った袋や垢と思わしきものが小瓶に詰まって陳列していた。中にはシート状のモノなどが売ってあり値段らしきものは吉田が人生で一度も見たことのない文字で書かれていた。

店内には吉田以外誰もおらずレジにも人が立っていなかった。

しかし吉田は自分を奮い立たせて商品に陳列されているものの中から今回バイトで買わなければいけないN社のカップラーメンを探していった。

商品の中には吉田が知っているお菓子や異国のお菓子などもあったのではあるが、そう言ったものの中から時折人間の目玉が一つ真空パック状になっていたりとして吉田は早くここを出たいと商品を探した。

棚を右から順に見ていくと、カップ麺らしきものの棚があり、パッケージは吉田が見たことのない人間がモチーフのカップ麺や桜の木が描かれたカップ麵などがあったがその中に

一つN社のカップ麺がそこにあり吉田はほっとしてそれを手に取った。

吉田はレジらしきものに行くと店内から人の形を模した何かが奥から出て来た。人に限りなく近いのであるが、なにか違和感があるのである。

目の位置や鼻の位置がありえない方向に若干向いていたり、耳が上下に動いたりしているのである。

「~~~~~~」

それは吉田に向かって言った。吉田はよくわからなかったがとりあえずお金を払った。

「~~~~~~あさあpこpjpjぽqwkpか」

店員は金を受け取らず話始める徐々に人の言葉に近づいて来る。

「あなたも売りませんか?」

 何度目かの言葉で店員はそう言った。

「いえ、いらないです。」

「爪一枚一万円、あなたの健康な筋肉5000万円、あなたのチンカス3000円で買い取りますよ。ほかにも言ってくれればなんでも買い取ります。あなたのカウパー50万、耳カス6000円ありますよ。」

「いえ、結構です。」

言語として、文として理解は出来たがあまりにも滑稽なものだったため吉田は相手をせずにお金を置いてそのまま商品を取って店員に後ろを向いた。

「ありがとうございました。またお越しください」

 店員の言葉を聞きながら店を出た瞬間、吉田はあのマンホールの上に立っていた。と、

同時に携帯が鳴る。

「はい、吉田です。」

「吉田さんですか、この度はお買い上げいただきありがとうございました。商品はマンホールの上に置いて頂ければ結構です。」

「はぁそうですか。」

「ところで吉田さん、あのコンビニエンスストアで他になにか売ったりしましたか?」
 
「いえ、なにも。」

 「そうですか、分かりました。ありがとうございました。」

 そうして一方的に電話が切られた。吉田は商品をマンホールにおいて家路に向かった。


しばらくして吉田はまた金がなくなった。

バイトを探すのも面倒であった。またあの場所にいったがあそこにはもう張り紙は貼っていなかった。L県に行ってまたあのコンビニエンスストアにでも行ってなにか売ろうかとも思ったがもうあのコンビニエンスストアには出会える気がしなかった。

あ~~~
めんどくせぇ
5000万欲しいな~

と思いながら吉田は射精をした。

サポートをしていただけると私の創作活力がかなり向上致します。これからも頑張ろうと思えます。 頂いた分は創作活動に還元していきます。