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宇宙人、地球に降り立つ 前編

 地球に二人の宇宙人が降り立つ。
「ここが地球ですか、データでは人間という霊長類生物がすんでいるという話ですが、今のところデータに出てきてないですね。」
 宇宙人Aは不思議そうに周りを見渡す。地球に住む人類は独自の知能を獲得し文明を獲得しその後発展をしたという話である。
「百年前には私たちの惑星の1萬光年近くまで来ていたという話があったのに」
 宇宙人Bの周りには、木々が生い茂り動物が闊歩していた。文明があったという痕も残っていない。
「これでは地球人が知能を獲得する前の時代ではないですか、えっとなんでしたっけ紀元前とかいうやつですね」
 宇宙人Aは地球を一周分のデータを獲得するが、データの中にあるはずの人間はどこにもいない。
「A、ここから100キロ離れたところに文字らしきものがありましたよ」
 宇宙人Bは北西側を示す。
「あぁ確かにあるな」
 宇宙人Aも同じ方を見る。二人は文字に向かって移動をした。
「Bそういえばなにかこの辺りは重くないですか」
「重力のことか?」
「いいえ空気のことです」
 Bは移動中に妙な不快感を覚えていた。地球が聞いていたよりも空気の質が何百倍も重く感じたからである。とはいってもAとBのいる惑星の技術を用いれば綿毛が身体に乗っかったくらいであるが。
「地球の天気である雨は降っていない。今日は快晴だ。加えて地球で言うところの秋だ。今日は人類にとって心地よいはずであろう。しかし確かに空気が重たい感じがするな」
Aは移動しながらの人類データを見返す。
「確かにこの空気では人類が生きていくには不便なほどの荷重がかかっているな」
 Aは大気中の空気の質量を計る。AとBは不思議に思いながらも文字の書かれた地点に到着した。


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