Interview journal Vol.3(keu/兵庫)

Keu店主、宇都宮さんインタビュー。

keu店主の宇都宮さん。兵庫県芦屋市でギャラリーを運営。

ーーー　宇都宮さんは、
　　　　「keu」というギャラリーの代表で、
　　　　衣服や小物に関する、
　　　　多岐にわたるお仕事をされています。
　　　　昔から、衣服は好きだったんですか？

宇都宮　はい。
　　　　でも新卒当初は、
　　　　建築の仕事をしてたんですよ(笑)

ーーー　え〜！そうなんですね。
　　　　建築から衣服の業界に、
　　　　転職したんですね。

宇都宮　そうですね。
　　　　建築の仕事も楽しかったんですけど、
　　　　頭の中には、いつか服屋やりたい。
　　　　というのがありました。

ーーー　建築からアパレルに舵を切るきっかけって、何だったんですか！？

宇都宮　今から11年前に、
　　　　妻が「子供ができた」って、
　　　　言ったんですよ。

　　　　僕は、
　　　　「じゃあ、服屋やるわ」
          　って言いました(笑)

　　　　それに対して、
         　 妻は「良かったやん」って。　

ーーー　どっどういうことですか？(笑)

宇都宮　はい(笑)
　　　　ずっと妻にも、
　　　 「いつか服屋やりたいな」って
　　　　言ってたんですよ。

　　　　でも、
　　　　建築の仕事を辞める
　　　　タイミングないよな。
　　　　特に不自由もしてないしな〜って。
　　　　妻と話してて。

ーーー　じゃあ、なんで？？

宇都宮　それは将来産まれてくる子供に、
　　　　子供がおることで、
　　　　この子食べさせなあかんから、

　　　　他にお父さんやりたいことが
　　　　あるんやけど、
　　　　お前を食べさせるために、
　　　　今の仕事をやってんねんぞ。

　　　　と思われるのが嫌やったんですよ。

ーーー　すごいっ！

宇都宮　前の仕事で、
　　　　ご飯食べれるようになってたんで、
　　　　それやったら、
　　　　一回挑戦してみようかなと。

　　　　あかんかったら、
　　　　戻れば良いいかなと(笑)

ーーー　ははっ(笑)
　　　　そしたら娘さんがきっかけですね。
　　　　奥さんも素敵です。

宇都宮　そうですね。
　　　　娘のおかげで、
　　　　今の仕事をやってますね。

　　　　妻も大学在学中から、
　　　　ジュエリーを作ってて、
　　　　30年近く１人でやってきているので、
　　　　自営業に対して、違和感なくて。
              普通は止めんで。
　　　　って周りには言われます(笑)

宇都宮さんのギャラリー内にあるお庭

ーーー　そこから大阪で長く
　　　　販売等をご経験されて、
　　　　現在のkeuを運営されていますが、
　　　　keuでお取り扱いするものは、
　　　　どういうものを基準に選んでますか？

宇都宮　はい。
　　　　取り扱っているものは、
　　　　どこでやっててもいいんです。　

　　　　ただ、
　　　　「自分が欲しいもの」
　　　　しかやらないです。

　　　　だから、
　　　　持っているものしかやらないんです。

ーーー　素敵な考えだと思います。
　　　　普段は、店がない。
　　　　というものかなり珍しいですよね。

宇都宮　そうですね。
　　　　一応、自分の中では
　　　　お店としての空間は、
　　　　テントがあるんですよ。　

　　　　そのテントが空間を
　　　　移動していく感覚ですね。

ーーー　とても新鮮で面白い感覚ですね。
　　　　この特殊な事業形態は
　　　　最初から考えてたんですか？

宇都宮　一番最初は、
　　　　場所を探して、
　　　　いわゆるセレクトショップ
　　　　のような形を考えました。

　　　　でも、一瞬でやめました(笑)

ーーー　それは、どうしてですか？？

宇都宮　この業界にいると、
　　　　大体この場所で、
　　　　どれくらいのトラフィック
　　　　があるところで、
　　　　こういうお店やったら、
　　　　月の売上がいくらぐらいか、
　　　　大体分かるんですよね。

ーーー　そうなんですね。

宇都宮　だから、
　　　　分かってることやりたくないなって。

　　　　後は、
　　　　色んなところ行きたいタイプなんで、
　　　　店ごと移動する、
　　　　サーカスみたいなことを、
　　　　服屋でやってもいいかなって。

　　　　アカンかったら、戻ればいいし(笑)

ーーー　そうですね(笑)
              アカンかったら、戻ればいい。
　　　　その考え、僕も大事にします。
　　　　販売方法は
　　　　どのような形態でやっていますか？？

テントを設置する、
ギャラリーコテージの階段。
是非、実際に訪れて欲しい。
ワクワクが。。

宇都宮　基本的には在庫なしです。
　　　　8~9割が受注生産。
　　　　後は、１点もの。ですね。

ーーー　ほとんど在庫を持たないの、
　　　　いいですね。

　　　　keuの販売会の様子を、
　　　　Instagramのライブ配信等で
　　　　拝見させて頂いた時に、
　　　　取引先さんや作家さんに
　　　　信頼されていると感じました。
　　　　いい関係性なんですね。

宇都宮　僕は、ラッキーなんですよ(笑)

　　　　現在のお取引様で、
　　　　レストランで食事してた時に
　　　　たまたま隣にいて、
　　　　そこから始まった方もいます(笑)

ーーー　そんなことあるんですね！(笑)
　　　　宇都宮さんの人間力が感じられます。

　ーーー　ギャラリー(お店)をしていく上で、
　　　　　「やりがい」と「大変なこと」
　　　　 　は、何になりますか？

宇都宮　やりがいか〜、何やろ(笑)
              やりがいは、
　　　　自分の欲しいものを、
　　　　探せることですかね。

　　　　旅行して、
　　　　物を見つけることもありますし、
　　　　そこで撮影することもあったり、
　　　　生きてることが、
　　　　今仕事になってるんですよね。(笑)

宇都宮　大変なことは、
　　　　そうそう自分が欲しいものがない。
　　　　ってことですかね。

ーーー　目も肥えてきてますもんね。

宇都宮　ある程度のものは、
　　　　身につけてきたし、
　　　　そんなに良いものと思うものは、
　　　　中々ないですよね。

ーーー　そうですよね。
　　　　見つける方が大変かも知れません。

宇都宮さんが履いていた、
TACHINO CHIEさんのシューズ。
皮が足に馴染み、とても履きやすいとのこと。
奥深い味もでており、とても素敵でした。

ーーー　現在のアパレル業界については、どう思いますか？

宇都宮　個人商店に戻れば良いんじゃないかと思います。

ーーー　個人商店？？

宇都宮　現在の世の中がすごい
　　　　多様性で溢れていますよね。

　　　　ネットで見て、
　　　　すぐに服が購入できるという
　　　　ファストさも良いですけど、
　　　　その一方で、
　　　　受注して時間がかかるけど、
　　　　その時間を楽しむのも
　　　　良いんじゃないかって。思うんです。

ーーー　宇都宮さんが、
　　　　作家さんの商品を取り扱ってるのも
　　　　腑に落ちました。

宇都宮　まぁまぁ、ねっ。
　　　　みんな個人でやったらと思います(笑)
             でも、僕はできないことが多いから
　　　　周りに助けていただいてます。

ーーー　宇都宮さんは本当、
          「人」って感じですね(笑)

宇都宮　はい(笑)
             今後も、
　　　　自分の好きを信じて、
　　　　楽しく生きようかなと思います。

ーーー　自分の好きを信じて。大事ですね！
　　　　貴重なお話し、
　　　　ありがとうございました。

keuの表札。奥様のブランドCURIOも。

店名：keu
住所：兵庫県芦屋市の山の中
店主：宇都宮 有希
HP：https://keu-online.square.site