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【日記】祭りのあと

普段なら週6日連続で働くところを先週のサザンウィークはなんと週3しか働かず、寝ても覚めてもサザン一色だったため、燃え尽きたのか週明けから恐ろしい眠気と疲労感に襲われ、私は仕事の時間以外、呆れるくらいずっとぐうぐう眠っていた。おまけに明日は大腸がんフォローの内視鏡検査のため、ろくに食べられず空腹に悶え苦しみながらこれを書いている。

10月1日、10年ぶりに桑田佳祐の故郷、茅ヶ崎市で行われた「サザンオールスターズ 茅ヶ崎ライブ」は大成功をおさめ、人々に惜しまれつつ閉幕した。

28日に茅ヶ崎から帰宅した私も、最終日の様子は必ず見届けたいとライブビューイングに参加した。ファンクラブ限定の後夜祭をどうしても観たいと入会し、ガチ勢の仲間入りを果たしたコトミさん、そしてナツコ、ナツコの友人のアスミさんも一緒だ。

我々は張り切って2時間前に会場入りしたが、すでにグッズは売り切れも多くあった。私もコトミさんもネットで買ったが未だ届かない幻のビーチタオルはやはり無かった。
私は野球のユニフォーム風のTシャツも少し狙っていたが、それも売り切れだった。
結局スポーツタオルとキャップを買い、私たちは会場に併設されている、シティーハンターコラボカフェでお茶をすることになった。
カフェの看板メニューはドーナツで、私はカップの中に切り分けられたドーナツが入り、その上にチョコソースのかかったソフトクリームが載ったものを頼んだ。
アイスが上に乗っているため、ドーナツがひんやりとした食感になっておいしい。
ドーナツをクリームにくぐらせると、まろやかで舌触りがよく、チョコレートが味に深みを加えて感動するうまさだ。3杯くらい食べられそう(だが、やめておいた)!

開演30分前になると映画館にはぞろぞろと人が集まりはじめ、私たちも中に移動することにした。観客のなかには、片手に鎌倉銘菓くるみっ子の袋を下げた人や大きな荷物を抱えている人もいたので、昨日茅ヶ崎ライブに参戦し、そのまま名古屋の映画館に駆けつけたのかもしれない。

映画館は満員だった。茅ヶ崎ではアリーナのちょうど真ん中の位置だったので、ステージすべてを見渡すことはできなかったが、映画館ならばそれができるだろう。誰もがアリーナ一列目の眺めを味わえる。それがライブビューイングの醍醐味だ。

上映前から会場の様子がスクリーンに映されており、観客の熱気が伝わってくる。
開演のアナウンスが聞こえると、人々の興奮と感動で歓声がわいた。
上空から会場の様子が映し出され、サザンビーチの様子も見える。何万人もの人が会場の外で音漏れを聞こうと浜辺に集まっている。
改めて、茅ヶ崎市民いや日本国民に愛されるサザンのすごさを感じた。

そんな中、C調言葉にご用心のイントロが流れる。Instagramのどなたかのストーリーズで、
茅ヶ崎サザンビーチのCのモニュメントに準えて、一曲目に選ばれたのだろうという考察がなされていたが、なるほどと思った。納得である。青空とゆらぐようなメロディが調和して、なんだかノスタルジックな気持ちになる。

女呼んでブギ、YOU、My Foreplay Music、涙のキッス、夏をあきらめて、Moon Light Lover
、栄光の男と定番曲が続き、ライブでは久しぶりなOH!! SUMMER QUEEN ~夏の女王様~が演奏され、会場のボルテージが上がっていく。
続いて、原由子がメインボーカルをとる「そんなヒロシに騙されて」のイントロが流れる。
コトミさんが「かわいい!女神さま」と感激している。まさにベースの関口さんがメンバー紹介で原由子さんのことを「サザンオールスターズの女神」と形容していたが、もうその通りとしか言えない。輝く微笑みと菩薩のような包容力は女神そのものだ!
曲の後半で、キーボードから離れ前に出て、ハンドマイクで歌う姿はとてもキュートで、会場が彼女から目が離せなくなっているのが手に取るようにわかった。

その曲に続く「いとしのエリー」は、桑田佳祐が原由子に贈った曲だ。私とコトミさんは「俺にしてみりゃこれで最後のlady」のところで、カメラが原さんを抜くのを見逃さなかった。
そんな二人の素敵なラブソングにうっとりと聴き入り、空が暗くなった頃、桑田さんが故郷の茅ヶ崎を歌った「歌えニッポンの空」が演奏される。
ダンサーの色とりどりのドレスが夜空とのコントラストで美しくステージを彩っている。
この歌詞はきっと桑田さんのように茅ヶ崎で生まれて育った人には強く心に響くだろう。

ライブで聴くのが貴重な「君だけに夢をもう一度」の次は「東京VICTORY」
みんなが拳を天につきあげると、きらきらと烏帽子ライトがひかりを集め無数の蛍のように輝く。レーザーが線と線を繋ぐように夜空の中心へ集まっていく。

「栞のテーマ」「太陽は罪な奴」「真夏の果実」と人気曲が続き、定番の「LOVE AFFAIR~秘密のデート」は言わずもがな盛り上がった。
この曲はライブでよく演奏される。桑田さんはたしかミュージックステーションで、曲にでてくるのは適当に集めた横浜の名所と言っていたが、私はその適当な名所にワクワクしてしまう。いつかホテルニューグランドにも行ってみたいし、マリーンルージュにも乗りたい。

最高潮の盛り上がりを見せたあと「ミス・ブランニュー・デイ」でさらに会場は熱く燃え上がった。イントロの原坊のシンセサイザーは相変わらずカッコいい。原由子さんはこの曲のためにかなり古いシンセサイザーを使っているそうだが、確かにこれでしか出せない音と思えないくらいハマっている。
ここで新曲の「盆ギリ恋歌」が入る。
おどろおどろしいイントロと、夜空に舞う盆を感じさせる装飾の列車、エバトダンシングチームのダンスが素晴らしい。艶めかしい衣装と激しい動きが、妙に日本的で風情を感じるメロディに華を添える。ロックなのにどこか湿った日本の風土を感じさせる土着的な雰囲気は、桑田佳祐にしか出せないだろう。

「みんなのうた」では、野外ライブ恒例の水!水!水!!桑田さんが「水を持ってきてくださーーーい!」と言うと桑田さんとスタッフが4人連なってホースで放水。びしょびしょになりながらもみんなたいへんに有り難がっている。だってこれは茅ヶ崎ライブ、奇跡の水なのだから!大歓喜である。
そんななか「マンピーのG★SPOT」が始まる。桑田さんがハゲ頭に「爺」と書いたカツラを被って笑いを誘う。
世間では下品な曲として認知されている(のかもしれない)が、歌詞の内容はとても文学的で哲学的だと思う。

アンコールの一曲目は、最終日のみ演奏されたロックンロールスーパーマン。
わたしはこの歌が大好きだ。この曲に出てくる主人公はとても弱いけれど、そんな情けなさとやるせなさに桑田さんのボーカルがそっと寄り添っている。桑田さんの書く詩は、常に弱者に寄り添った目線で描かれていると思う。
続いて、桑田さんの大学時代の軽音サークルの想い出が描かれた「Ya Ya(あの時代を忘れない)」、茅ヶ崎の電車の発車音にもなっている「希望の轍」、やはり最後は「勝手にシンドバッド」!
心は「砂混じりの茅ヶ崎」にみんないるのだ。会場いやライブビューイングを通じてすべての観客が一体になる。

最高潮のなか、幕を閉じる茅ヶ崎ライブ
最後に「Relay〜杜の詩」にのせて、スタッフロールが流れる。これがとても良い映像で、
メンバーの仲の良さ、スタッフやサポートメンバーの温かさが伝わってくるような感動的な内容だった。

最後に漁港からの花火が上がり、茅ヶ崎は今日、みんなの笑顔あふれる日本一幸せな場所になったと思う。

会場には1.7万人ライブビューイングには約10万人が集まり、12万人がこの奇跡の瞬間を見届けたのだった。

夢にまで見た茅ヶ崎ライブに参加できて本当によかった。
私は内視鏡検査前の空腹のままペン(指か)を置く。お腹が空きすぎて若干何を書いているかよくわからなくなった場面もあったが、心だけは満たされている。
テレビには、「鎌倉物語」が流れるユニクロのCMが映っている。原さんの声は可愛くてとても癒される。今日も幸せだ!

セットリスト

1. C調言葉にご用心
2. 女呼んでブギ
3. YOU
4. My Foreplay Music
5. 涙のキッス
6. 夏をあきらめて
7. Moon Light Lover
8. 栄光の男
9. OH!! SUMMER QUEEN ~夏の女王様~
10. そんなヒロシに騙されて
11. いとしのエリー
12. 歌えニッポンの空
13. 君だけに夢をもう一度
14. 東京VICTORY
15. 栞のテーマ
16. 太陽は罪な奴
17. 真夏の果実
18. LOVE AFFAIR~秘密のデート
19. ミス・ブランニュー・デイ
20. 盆ギリ恋歌
21. みんなのうた
22. マンピーのG★SPOT

アンコール
1.ロックンロール・スーパーマン
2. Ya Ya(あの時代を忘れない)
3. 希望の轍
4. 勝手にシンドバッド
エンディング
Relay〜杜の詩(スタッフロール)

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