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センター試験の詩

「顔が小さくてかわいいね」って言葉はきっと、「君は脳みそが小さいからばかなんだよ」って意味だから好きじゃない。眠くて、お腹が空いて、しかも君がいないから心が寂しくなって、頭の中が「偏差値2」のときもあるけれど、洗濯しててもやかんの火を覚えている僕は賢い。

前橋市がどこにあるのか答えられない君の住所は宇宙。地球暮らしが初めてだから仕方がないよねって慰める。「月に土地を買ったんだ」って自慢してくるお金持ちの女の子より、前橋市を知らない君の方が綺麗で可愛い。地球は窒素Nに汚された。NANAって名前は汚れているの?

本当の海は綺麗っていうより怖い。海水浴場は人が多すぎるから人間の勝ちだけど、ふたりぼっちの海は負けだね。あれは海に殺される。殺された。殺されたら可哀想な人のふりをできるから楽だね。僕はいつも被害者でいたい。可哀想なら笑っていられるよ。

コンビニの「温めますか?」に「お願いします」と言えない臆病な僕。あの1分をセンター試験国語に回せたならきっと、第一志望に受かっていたのに。「お願いします」が言えない人だから、落っこちちゃったんだねって、4年経って気付いた。

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