選択肢が多すぎると選べないよね、男も店も。
先日、東京をふらふらしていた。
六本木と中野に用事があったから。
多すぎる人に囲まれて思ったことは、
「こんなに人が溢れる世の中で結婚相手を見つけたのは奇跡だ」。
いや、違う。
もしも東京の街で旦那に出会っていたら、スルーすると思う。
大量の人間の中の一人にしか見えないと思う。
狭くて特殊な金谷の町で出会ったからこそ「この人」を個人として認識することができて、良いなって思えた気がする。
少ない選択肢の中から選ぶからこそ、適度な選択が可能だった。
お店もおんなじで
都会で美味しいお店を選ぶのは難しい。
いや、難しいというか
「この店に行きたい!」と強く感じるのが難しい。
美味しいお店はたくさんあるけど、上には上があるから。
もっとも良いものを選ぶのは面倒くさいから。大変だから。キリがないから。
だから、知り合いに「この店がおすすめだよ」って言われた場所に、素直に行く。
選択肢が多すぎると選べない。
選択肢が少ないと、けっこう簡単に選べる。心理的な負担が少なくて済む。
そして人間を愛する場合、世界中を吟味して「最適な人」を選ぶ必要はない。必要もないし、そもそも不可能だ。
用意された数人から最適っぽい人を選んで、あとは話し合いや大人のやり取りで進めていけばいい。十分。それが手っ取り早い。
性欲だって、「あなたはこの人とセックスしてください」って決められたら、けっこう出来るものだと思う。よほど不潔じゃない限り「はい分かりました」って従える気がする。
必ずしも「最高に性欲を喚起される人」とセックスする必要はない。
「セックスが可能な人」とすれば問題はない。
そんな感じで、世界を適度に狭くすれば決断力が増すので生きやすくなる。
結婚なんて運命的な出来事じゃなくて、「betterをいつ受け入れるか」でしかないと思う。
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