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『未完成』をオタクが観た感想

最初に言おう。私にとってJO1THEMOVIE『未完成』-Go to the Top-は正解の映画だった。

Twitterを見る限り賛否両論があるのは知っている。「もっと裏側を見せて欲しかった」「皆がどう悩んで私達JAMにぶつかってきてくれてるか知りたかった」
私も見る前はそこを映し出してくれていると思っていた。

舞台裏で高熱で倒れかけのメンバーがパフォーマンスとプレッシャーで押し潰されそうな所や、初期の頃信用出来ないメンバー同士で意見交換して怪訝な顔をしている所。辛かったと分かっているこの2年間を辛い顔で重ね塗りされて「ここまで歩いてきた茨の道には俺たちの血が沢山溢れてるよ。今だって身体は傷だらけだよ。JAMが気付いてないだけで、」と2年間の応援を後ろ指を指されるのが怖かったと思うのはエゴだろうか

けれど、初めて『未完成』を全て見た時、この2年間の混沌を「意味のあるもの」とした、苦痛を苦痛としてでは無く踏み台として飛び立つ為の糧にした、彼らの強さ、アイドルらしさを前にして私は感服した。


約半年にわたるオーディションを勝ち抜いて、やっと夢見た世界に飛び出せると思った矢先にコロナという未知数の感染症に世界が侵され思う様に進めなかったこの2年間。

PROTOSTAR
STARGAZER
THESTAR
CHALLENGER
STRANGER

どのCDを出してもJAMに会える事はなかった。


そしてWANDERINGのリリースを前に
初の有観客ライブOPEN THE DOORを迎えたJO1。

扉が開いて10人が照らし出された瞬間に推しの突き抜ける歌声。

CHALLENGERのリード曲「Born to be Wild」


「この曲がJO1に革命を与えたんだな」って口元が緩んで2番に差し掛かった時に急に嗚咽が漏れだした。自分でも何でこんなに苦しくなってるのか分からなかった。


練習生だった彼らと今の彼らのツカメが交互に映る。強い信念と逃げられないという痛い覚悟を含んだ刃物のように光る眼差しと、JAMの光をいっぱいに映すキラキラの希望の眼差しの差が嬉しかった。この曲を彼らはもう生き残る為に振りかざす武器として踊らなくていいんだ。あの時を思い出す懐かしさと僕達を選んでくれてありがとうという感謝と夢を追いかけられる幸せを体現する曲になったんだ。日プは忘れちゃいけないし101人で踊ったツカメは確かにあったけれど、もうこの曲は君達の幸せの歌になったんだね。もう、何にも縛られずにいいんだね。

その事実が何よりもとてつもなく嬉しかった。



未完成の後すぐ移動してOTDの円盤を観た。その時は涙は流れなかった。あの2年間を一緒に歩いたからこそ意味があるラストのOTDだった。

劇中、景瑚が同じような事を言っていた。
─2年間思う様に活動出来なかった事、ある意味良かったのかもしれない

そりゃあ初めからライブが出来た方がずっと良い。
でも、2年間会えなかったからこそ作り上げてきたJO1とJAMとの絆。そして最終兵器のように隠されたJO1の武器であるパフォーマンス。
他のグループより茨の道を進んできた意味はたしかにあった。


この物語は彼らにしか歩めなかった。あの感動はJO1とJAMだけのものだ。

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