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クラブ経営とスポンサーセールス

クラブがスポンサーを増やそうと思ったらまずは黒字化をすべき、いう話をしたいと思います。シンプルに黒字化の意味は現時点で売上規模、支出規模の大小はあれど採算がとれているということです。つまり企業として未来はともかく現時点で最低限の社会的信用を勝ち得る水準にあることを証明することに他ならないと思います。

特に地場産業であるクラブ経営をしていると安定感のあるオーナーが下支えでもしていない限り客観的な信用はありません。クラブ側は、地域のため、子供たちの未来のために頑張りますと力強く訴えると思います。もちろんそこに嘘偽りはなく、迫力もある一定レベルであると思います。

しかし、スポンサーを迫られている企業からすれば何を考えるのか。わかったと一度了承すれば継続して支援していかなければならない、1年で止めるわけいにはいかない。だとしたら事業規模にもよりますが、継続して支援し続けていけるか?という内なる問題に対して自問自答するでしょう。それより何よりもスポンサーをしたとしても自分達が望む形で運営してくれる組織なのかを考えるはずです。これが1番大きいと思っています。

その時の判断軸として大きな指標になるのが黒字だと思います。スポンサーする大義が立つとも言えるかもしれません。よくこの業界というのは、赤字体質でも夢先行であたかも寄付を募るかのようにスポンサーセールスをするケースが多いような気がしていました。そのような体質ではこのクラブにスポンサーしても、将来の大きな夢を成し遂げる云々の前に、この資金を生き金にしてくれるかどうかという現実的な疑問をいただくのでは、とこの業界に来てすぐに思いました。

だから事業拡大を望むにしても一度ダウンサイジングしてもまずは黒字だと考え、黒字化を最優先事項とすることを決めました。実現した際に「私達は厳しいこの業界において黒字化を実現しました。更なる地域貢献、この地域を盛り上げていくためには更なる軍資金が必要です」ということを言って回ることが出来る様になってから読み通りスポンサーは増えていきました。

仕事上初めて取引をする時にこの企業、大丈夫かな?と思ったこと、ありますよね。それと似ていると思います。

地域のため、子供達のため、よろしくお願いします!と懇願するのは当たり前です。しかし、ちょっとスポンサーの立場になった時に、どうしたら難しい決断をして支援してくれるのか、この視点が大切でパッションのみならず事実として信用の手形としての黒字化が活きてくると思います。

ちなみに八王子ビートレインズのスポンサーが昨期に黒字化してから一気に倍増したという話をしておりました。厳しいので助けてくださいでなく、ここまで出来ています、この地に更なる好影響をもたらすには更なるご支援が必要です。ここまで事業規模が拡大すればこんなことができる(強いチーム、日本一、地域貢献いろいろあると思いますが)とここで夢を語り、そんな世界観が実現できたらこんな好影響をこの地にもたらすことができます!と未来へのリアリティあるポジティブトークができると説得力は格段に上がるはずです。

結局は応援されるための1番大切な要素は信用されることです。信用されることの証となることは何なのか。ひつつひとつ立証していく作業が必要になると思います。そのひとつが黒字化です。黒字化が全てではありませんが。

夢は大切、パッションも大切、しかし、小さくても実績という信頼の積み重ねの上に次なるステージがあるはずです。

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