オートマチック

オートマチック

偉大なる裏切り者の、そして協力者の、交差する線上に膨らむ卵状の耳朶の、すこし塩分を含んだ井戸水の、朽ち果てた鶏舎の、解放される暖簾の玉が貴方の目的地へと、嫌われていると書かれた手紙の、全裸の雪原に鶴は飛来し、天気が回復するとか崩れるとかの、読み始めたのではなく読み終えるのではない詩の、髪の毛を噛んだ前歯の、水銀は転がる奴隷のように、ふたつ並ぶ神社が、よく砥がれた月の狂気を、退屈の、間際の息の、雨に濡れる、地下鉄の生温い、胆管閉塞を、おおきな悲しみのうちに、自足していた、甘い素描の、葉上に転がる素裸の愛の、すべてが顔につながる。

#詩

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