鏡半身

鏡半身

たぶん
呼気を吐き出し間引きされるひかり
のようにはいかない
見られることなく
はじめての花を咲かせ
いちばん深くなったあとは
堆積するしかなく
水域をいっとき共有し
昨日のように流される
前世を立ち尽くせば
借景の街に海岸線は歪んで
億年の骨の白さと
饒舌な啞のひかり
鳥の渡りは母だったのかもしれない
五指を大地に染み込ませ
三半規管を少しずらせば
吃音のように聴こえてくる

#詩

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