鳥 prier


鳥 prier

乾いた息を
チモシーの草地に伸ばしてゆく
あの高台の部屋をすこしだけ色づけてみる
塗りすぎたら
だめ
思い出してしまうから
いのちを帯びるから
遠いから
温みをみせるから
油断していると
愛してしまう
みえない白い指先の
清潔なひとりだけを
冷たくなった海へと
連れていこう
海道はいつも
差しのべられた部屋すみからはじまる
柔らかい背中の中心の擦過傷から
はじまる
はじめましてって
三拍子の音律の焔を
いつか燃やされるからだの
火曜日だろうか
もういちど海道は祈りの日差しを見せる
この右足の未明には遠いけれど

#詩

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