短歌的実験(5)

短歌的実験(5)

風景の骨として上下する、いつも、からだを揺らす水平線が
切り取った人差し指の腐敗する時間は青く魚群のように
落下する少年少女、海遊は「盲目駅」へとふたたび戻る
水の中で花はつぎつぎ燃えはじめ罪状だけが燃えずにのこる
海岸で拾った骨の潔さ詰めたらきれい、恋人がいた
夜間飛行する蝶の話を始めよう罪人として生まれて
消息は途絶えてしまった裏庭を掘り進めればガラスの破片
孵化をした満月のした錆びてゆくナイフのように詩群を葬る
モク ドク 致死量にすこし届かないココロの染色体が ふ る え る
あかくあかく花弁を敷き詰めたのね遠くに塔が聴こえるだろうか

#短歌

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