街のからだ

街のからだ

町のなかを歩いていると身のなか
の廃墟の街に触れるとき
のふっとした嗚咽、嘔吐
に夏の日の父の背中を重ねる
果てなく広がりつづける
身のなかを歩いていると街のなか
の廃墟の身に触れる
ときの影のない通り
に日差しが色づき
子宮のなかに揺れるとき壁に
突きあたる街にふれる
ときの崩壊を企てた
指先に力が漲る

そうやって夢から目覚めて
ここへたどり着くのだ

#詩

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?