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Vol.4 わたしの不動産人生 ~中堅編①~

こんにちは。
nUe(ヌエ)株式会社の今井です。
わたしが不動産業界に飛び込んで、新人以降のはなしをしたいと思います。

■とにかく手数料を稼ぐことを求められた業界


わたしは2004年~2009年の約5年間、バリッバリの不動産専門部署に従事していました。
まず、不動産仲介業というのは手数料商売がメインなので、手数料を稼いでなんぼの世界な訳です。
私が勤めていた部署は営業マンが約200人おり、その中でもトップ営業は月に500~1000万円の仲介手数料を契約してくるスーパーマン。
上位営業マンたちのトップ競争は熾烈でした。
というのも在庫の社有物件を売ると、旅行券やボーナスが付いてくるなど、とにかく営業マンへ焚き付け方が凄い(;゚Д゚)
毎月表彰式があり、常にランキングがタイムリーに発表されます。
表彰式で営業成績上位者は壇上に立って事業部全員の前でコメントするのですが、やはりトップ営業の方は魅力的に映り、営業マンであればあの舞台に立ちたいと自然に思える環境でした。
しかし、、、
売れない営業マンは過酷で、もし営業成績が月100万円未満が続いたり、成績ゼロなんて結果を出してしまったら、地獄の宿泊での研修が待ち受けておりました(笑)
このようにして、営業マンは手数料を稼ぎ出すことを常に意識をしていきます。
そのような環境もあり、若いうちにプロ意識は身に付いたのではないかと思います。

■仲介手数料の報酬形態


不動産の手数料は「物件価格×3%+6万円」で買主様もしくは売主様より成約報酬として頂戴いたします。

例えば、
4,000万円の物件取引をすると、売主もしくは買主より4,000万円×3%+6万円=126万円の仲介手数料をいただくことになります。
新築の建売を販売するとその業者(売主様)からも手数料をもらえることが多いため、126万円×2(売主・買主)=252万円の仲介手数料となります。
このように売主買主双方から手数料をもらえることを「両手物件」と呼んでおり、1つ仕事で報酬が2倍になる。

両手物件を販売することは営業店的にはとても嬉しいわけです。

続いて、不動産会社は売主様より売却物件をお預かりして販売活動を行う契約(=媒介契約)をすると、何とか自社で買主を発見して取引を行い「両手契約」を狙いに行きます。
この両手契約という一挙両得な仕組みに悪魔が潜んでおり、多くの不動産仲介会社は危うくば両手物件を紹介して契約したいと考えてしまいます。

不動産仲介会社の営業マンは、
できることなら両手が欲しい。
なんとしても両手が欲しい。
どうにかして両手が欲しい。

と心の奥底にいる両手の悪魔がささやいています( *´艸`)

次に注文住宅を建てたい方が土地探しを不動産業者に依頼した場合はどうでしょうか。
建物予算2500万円、土地1500万円で総額4000万円。
土地1500万円×3%+6万円=51万円の仲介手数料となります。
顧客側から見ると同じ総額4000万円でも、不動産屋さんにとっては手数料差で見ると約5倍違ってきます。
また、土地売買はそれなりに経験値が求められ、建築の知識が乏しいと、トラブルになる確率が高く、ベテラン営業の方でも気を付けて取引をしなければならない物件となります。

同じ4000万円でも報酬は252万円か51万円
力のかけ方が変わるのも無理はありません( ;∀;)
専門性や難易度によって報酬に差が生まれると、この業界も変わってくるのですが(;^_^A

従って、営業店の判断によっては、

『注文客(注文住宅を建てるお客様)が来たら、建売に振れ~( ゚Д゚)』

と判断する仲介会社も多くなります。
新築建売住宅であれば、現地案内して、気に入りさえすれば、後はすぐに契約手続きが進められます。
それほど専門的知識も必要もないため、新人でも売りやすい商品です。
優秀な営業店や営業マンはこの両手契約の比率が非常に高く、常に手数料を稼げる物件に対しての嗅覚が鋭いのです。

■不動産仲介会社と建売住宅


大手不動産仲介会社はノルマも大きく、たった1店舗でも年間1~2億円ほどの手数料をやらないと利益にならないところも多いため、いかに手数料が効率よく稼ぎ出すかが肝になってきます。
そりゃ気持ちとしては建売住宅をバンバン勧めてきますよね(;’∀’)
特に大手仲介会社でないと、売却依頼を受ける件数が少なかったり、自社商品が無かったりするので、それを補うために、広告媒体は建売住宅で占められていきます。
その結果、顧客側の選択肢としては建売住宅にする確立は当然高くなります。
大きい土地が売りに出れば、すぐに建売業者が購入をして、地元の不動産仲介会社に販売協力をお願いするため、市場には建売という商品が山ほど陳列されていきます。
完成するとどんどん値下げをするので、売れていく速さは、

まるでバナナの叩き売りやないかい( `―´)ノ

わたしが新人の頃は経験値が浅いため、建売住宅を売るためのアプローチ(飛び込み、投げ込み、電話アプローチ)がほとんどで、不動産取引の専門家を目指してこの業界に入ったため、初期の頃はこのギャップに苦しめられました。

建売住宅だけを売るためにこの業界に入ったのかしら(・・?

しかし、1件取引するだけで、個人ノルマは一気に達成するので、精神的にはとても楽(´Д`)
店長もニコニコしてお店の雰囲気もよくなります。
なので、ノルマが大きい不動産仲介会社にとって建売住宅の販売は切っても切れない関係性なのです。

その結果、どこの仲介会社も建売住宅を広告掲載するようになり、同じ物件なのに色んな会社が掲載するため、消費者が見ると物件がたくさんあるように感じて、とても分かりにくいかと思います。
注文住宅を建てたいという明確な希望がない状況では、建売住宅を選択する方が多いのが実情です。

■不動産購入の選択肢と業者選定方法


住まいについて不動産の購入の選択肢はいくつかパターンがあるかと思います。

①新築建売住宅
②中古再生物件(既に内装が綺麗にしている状態の中古物件)
③築浅の中古戸建、中古マンション(+軽微なリフォーム)
④中古マンション+リノベーション
⑤中古戸建+リノベーション
⑥土地を探して注文住宅

不動産情報は国土交通省が運営するレインズという業者専用のサイトがあり、基本的に売り物件のほとんどはレインズに登録されております。
仲介会社はそのレインズを通じて、物件検索を行い、物件の担当業者に連絡を取り、在庫確認や物件の詳細についてやり取りします。
仲介会社はレインズに登録する物件は全て紹介可能なので、どこの不動産仲介会社に行っても出てくる情報は同じという仕組みになっております。
つまり情報はどの仲介会社も同じなので、紹介する物件選定は不動産仲介会社の経験値で説明や紹介の仕方が変わってきます。

①から⑥にいくにつれて、仲介手数料額が低くなり、尚且つ建築知識が求められるため、不動産仲介会社の経験値や姿勢が問われます。
もし⑥を希望しているにも関わらず、①しか勧めて来ないような露骨なケースがあると、あまり相性が良くない可能性があるので、まずは仲介手数料額に左右されずに親身に相談してくれる業者を選定する必要があります。
④~⑥は不動産仲介会社では専門知識が足りないケースもあるため、先に候補の建築会社を選定してから不動産を探す方が良いかと思います。

基本的には建築と不動産の両方ともに専門性を持つケースは多くはないので、そのバランスが良い業者だったり、不動産会社が建築会社との連携を取る姿勢を感じとれたりすると、お客様にとっては良い業者であることは間違いないと思います。

その辺りは何店舗もある大手不動産仲介会社であっても、営業によって対応が違うケースもあるため、仮に気に入らない営業と当たっても、会社ごと候補から外す必要はないかと思います。

次回は、私がどのようにしてお客様の対応を行っていたのか、不動産知識をどのようにして身に付けていただいたのかの記事にしたいと思います。


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