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「夏」

夏 18時

夏18時。
夏のこの時間帯は知らない記憶が、脳の自分が把握していないような域から引き出されてきそうな錯覚に陥る。夏の夕焼けは、強烈で。世界の終りのような感じがして好きだ。変に涼しい風が吹いて背中を押される。どこか遠くで小学生の声がするし、制服のズボンの長い裾を無理やりまくりあげた高校生たちは自転車で並進している。「どうせ」とかあの頃は言わなかったと昔を懐かしんでしまう。
最近は「ガクチカ」や「インターン」とか耳をふさぎたくなる言葉ばかりが聞こえるようになってきた。好きなバンドの新曲に盛り上がる暇も、好きなことに熱中する時間も、何かを発見することも少なくなった気がする。あと睡眠時間も。「なんとなく」とか「とりあえず」とか曖昧なものばかり口にするようになった。時々起こる良いことに心躍らせ、何者かになりたい自分の影だけがゆらゆらと残っている。はっきりしないが、最近は、自分の人生に健康に過ごしているから良いというハードルを立てゆったりとそれを乗り越えてはとぼとぼと歩いている。果たして自分は今どんな背中をしているのだろう。

焦ったところで見つからない未来がぼやけてなかなか見えない。聞いてる曲や天気によって自分の感情が左右されることが多くなってしまった。

大人になることとはどういうことなのか、
一生分かる気がしない、知りたくない。
忘れたくないモノも年々増えていく
忘れてしまってもう思い出せないモノもたくさん。

この夏、親友が本気で夢を追って遠い地へ行った。
たくさん考えさせられた。
自分の夢、将来、二年後、目標、もう本当にたくさん。

20歳の夏で気づいたこともある。「改めて気づかされた」が正確かもしれない。
誰のために、何のために、考え出すと馬鹿な自分にはとても難しい。
それでも一度きりの人生悲観せず周りの人を幸せにさせるような人でありたい。今まで助けて支えてくれた人が全員幸せであってほしい。
仕事もそうだしこれからの色々もあるけど、まずは人として自分と出会った人たちの幸せを願える人でありたい。でっかく生きたい。一人じゃきっと20年も生きられなかった。お金を持っていて毎日健康に生きられたところで一人じゃどうにもできなかった。振り返るとそんなことばかりで。将来どうなるか全くわからないし考えなんてコロコロ変わるんだろうけど、2023年夏の自分は周りの人への感謝が止まらないので記録しておこうと思う。こんなわけのわからない感情すらも忘れないでいたい

人のために何か頑張れる人になりたい。なる。


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