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総料理長に食べてもらう料理は…♡

旅館の総料理長のMさんは、わたしが適当に作ったごはんを見ては「食べたい」と言う。きゅうりの酢の物、めかぶ納豆、小豆ごはん、コープの冷凍食品、自分が持ってきた魚のカマの料理…

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(↑これは友だちに作った、鯛のカマをオニオンソースで仕上げたもの。オニオンソースもMさんが作って持ってきてくれた。)

何でもいい、わたしが作ったものを一緒に食べたいといつも言っている。夜ごはん自体、あまり食べないのに。

こないだのAEONデートのとき、夜ごはんをわたしが作ることにしていた。メニューはお任せ。好き嫌いはないとのことで、何を作るか明かさずにいた。

AEONでは特売日で、トマトやナス、きゅうりなどの野菜が積み上げてあった。それを何度見もしてたから何か見つけたのかと思って「どうした?」って聞いたら「ナスが美味しそう!」と言う。わたしは「・・・!!・・・今日、ナスのメニューだよ」

こういうシンクロはいつも起こる。この日の朝もMさんが、朝食を食べながらメッセージを送ってきていた。パンにはオリーブ油と塩をつけて食べるって。わたしもパンには油と塩なのだ。こんなレアな食べ方をする人に出会ったことがなかったから、お互いに「ビックリ!」ってやり取りしてた。

この日はAEONでナスを買って、帰ったらわたしが調理。Mさんは気を遣ってなのか、キッチンに立ち入ることをしない。すぐ横の部屋のわたしのイスに座っているけれどわたしも落ち着かないし、「横になる?」って聞いて、寝室に案内して寝てもらっていた。わたしは集中して作れたが、Mさんはわたしの部屋が初めてで、緊張して眠れなかったと言っていた。

作ったのは坦々ナスのパスタとアボカドの油揚げピザ。パスタは坦々麺のようなピリ辛の、少し濃厚な味のパスタにした。相手の好みに合わせて作っても、きっとわたしが満足しないから、わたしが食べたいものを作ろうと思ったのだ。自分が美味しかったら、それでいい!のだから。アボカドのピザは少し前に作ったのを見て「食べたい」と言っていたから、ミニサイズで添えた。

肉が苦手なわたしは、ミンチの代わりに豆腐を使用。量も一人分を作って二人で食べた。初めて作る料理だったし、いろいろこうすれば良かったと思う部分はたくさんあったけど、Mさんは「美味しい!」と言って食べていた。一人分でも多くて食べきれなかった。小食カップルなのだ。7/7七夕デートで行った、ちょっと高級な回転寿司もお互いに3皿だけだった。

わたしも彼もパスタはあんまり食べないけれど、今回パスタにしたのは、坦々なすのおかずにごはん…ってしたら汁物ともう一品…って、考えることが増えるから、なすのおかずをパスタにアレンジした。慣れないことはしたくなかったから簡単にしたんだけど、その理由を彼に話すと「考えすぎ〜」って言ってた。でも普通、人が来てごはん出すときはバランスと見栄えを考えるじゃない?しかも、初めての手料理。でも彼は、少なくとも自分には気を遣わなくていいという考えのようだ。

わたしたちは食の仕事をしているのに、自分の食には拘らない。けれど本当に美味しいものは知っている…そんな二人です。

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