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小野流光さんの物語:欲望と覚醒の狭間で

小野流光さんは、東大大学院で生物学を研究し、IBMからサイバーエージェントへ転職しました。そこで中国市場へも進出。しかし日本ではi-modeが全盛でしたが、中国市場では成功しませんでした。その後、サイバーエージェントを退職し、ベンチャー投資に身を投じ、ジモティーやGrouponといったベンチャー投資に関わり、2020年までVCで活動しました。そして2022年まで17LIVEのCEOを務め、その後は出家し仏教の道を歩むことを選びました。

彼が感じたのは、金融資本主義が人々を狂わせるということでした。数字が永遠に伸び続ける世界で、成功と欲望が人間を支配する一方で、幸福が失われていく現実に直面しました。そしてそれが人類にとって幸福をもたらすのかを深く考えるようになりました。

小野さんは、金融資本主義がドーパミン中毒を引き起こし、成功を追求する人々を苦しめる一方で、オキシトシンのような本質的な人とのつながりが欠如していることに気づきました。彼は、ネット社会の中でドーパミンによる一時的な快楽が蔓延していることを懸念し、生身の人間とのつながりが持つ本質的な価値に再び目を向ける必要があると感じています。

彼が仏教に魅了された理由は、自己のエゴや欲望を超越する方法を見つけるためでした。小野さんは、欲望や成功の追求が無限に続くことに対して疑問を抱き、最終的には何も持たないという仏教の教えに救いを求めました。

結局すべての人は必ず老いて死んでいき、苦しんでいた考えも意味がなくなっていく。自分自身で勝手に思ったものに苦しんでいる。人間もなくなる。雲のようにはかないことに気づく。そう考えると囚われが減っていった。

彼の物語は、現代社会における成功と幸福の本質について深く考える機会を提供してくれます。私たちもまた、彼のように内面を見つめ直し、真の幸せとは何かを問い続ける必要があるのかもしれません。

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