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暗黙のルール:江戸から現代へ

日本の労働文化は、ボスの指示に従うという価値観に基づいています。日本人は何も言われなくても真面目に働く優れた職業人として知られています。

コロナ時代に、田原さんが安倍首相にこう言いました。「諸外国のように緊急事態宣言の際に外出する人を取り締まればいい」と進言したところ安倍首相は「日本人は政治が決めたことをきちんと守る」と答えました。この姿勢は、日本の伝統的な「お上に従う」文化の一環と言えるでしょう。

この文化は、江戸時代から始まっていると私は思います。江戸時代には五人組などの監視組織を通じて、お互いを監視し合う習慣が根付いていました。現代でも、誰かに監視されているというプレッシャーは残っており、「空気を読む」ことが重要なスキルとされています。これは、暗黙のルールが人々を縛りつけている結果でもあります。

会社においても、複数の上の人やリーダーが存在し、ルールに従わない人は上から注意されます。それを見てサラリーマンは暗黙のルールを脈々と受け入れていくのです。このため、早く帰りたくても残業をし、自由に休暇を取ることも難しいのです。これらは誰かに言われているからしているわけでなく、暗黙のルールとして根付いているのです。

日本の労働文化は、従順さと自己規律により、長らく高い生産性と秩序を維持し、世界トップの地位を獲得しました。しかし、近年、過労死やうつ病がニュースで頻繁に取り上げられ、日本の生産性も低下しています。

そうした中、現在の若い世代は育休や柔軟な勤務条件を享受できるようになり、この変化が将来的に暗黙のルールを変えていく可能性があります。そして労働者のストレスや過労が軽減され、より持続可能な労働文化が築かれることに期待していきましょう。

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