音楽は美しさに加えて善があれば最高である

(書き下し文)
子（し）、韶（しょう）を謂（い）う、美（び）を尽（つ）くせり、又（また）善（ぜん）を尽（つ）くせり。武（ぶ）を謂（い）う、美（び）を尽（つ）くせり、未（いま）だ善（ぜん）を尽（つ）くさざるなり。

(現代語訳)
孔子様が舜（しゅん）の音楽「韶」を評して、「美を尽（つく）しまた善を尽せるかな」と言われた。また周の武王の音楽「武」を評して、「美を尽しているがまだ善を尽しておらぬ」と言われた。

(思い)
人格は、行いと結果の集積により構築されてゆく。
そうした人格をもって、評価がなされる。
この教えの中の音楽でいうところの「舜の音楽は良く聴こえる」というニュアンスは、舜という人格（背景：行いと結果）を知っているから、そのように評価できるのであろう。いわば、人格ありきの評価なのである。