雑筆42 不愉快なニュース⑫ パーティー券問題
腐敗した企業は、衰退して倒産します。腐敗した国家は、衰退して、最悪国が滅びます。パーティー券問題は、多くの政治家が、いかに腐敗していたかを白日の下にさらしまし。いままで特権でどれだけ甘い汁を吸ってきたのか、国民に知れ渡りました。国会は立法府です。法律を作る場所ですが、腐敗した政治家が作る法律は、腐敗しています。自分たちの特権を守ることに一所懸命です。検察はどのように処理するつもりなのでしょうか。もし「記載ミス」で、済ますようならば、検察に対する国民の信頼は失墜します。
・元衆院議員の石原伸晃氏は収支報告書に付ける領収書について「1円領収書って、これをやるだけで凄い手間で、これを税理士に確認してもらうとそれだけで40万円ぐらいかかる。非常にナンセンスな話で、慣例として100円、200円、300円、そんなものの領収書が本当に必要なのかって気がする」と持論。時々、こうした発言をしている議員がいますが、これも政治家が得意の論点のすり替え、誤魔化しです。特権意識満載の発言です。「1円の領収書を貰ったことがあるのですか」と聞きたいです。100円、200円、300円でも領収書をもらって経費で落とそうとしているのでしょうか。そんなものは普通は自腹です。政治家としてセコイというよりも、人としてセコすぎます。企業では経費として落とすなら、100円、200円でも領収書が必要です。さらに、会社でも個人事業でも、業務関連性と経費性(利益に繋がること)が認められないと100円でも経費は認められません。
・自民党二階派の事務総長を務める武田良太元総務相は11日、東京都内で自身の政治資金パーティーを開き、そこで「政治資金パーティーの必要性」について語った。共同通信によると、政治資金パーティー問題について武田氏は「政治不信を招くような事態に至った」として陳謝したものの「政治資金パーティーは政治家にとって重要な政治活動のひとつだ」とも強調したという。派閥政治の弊害が指摘されている現状を念頭に「政治家は情熱だけをぶつければいいわけではない。政策を形にし、国民に還元するためには同志が必要だ」と、派閥の意義を訴えたと報じている。これも得意の論点のすり替えです。なぜ政治家は同志を集めるためにパーティー券を売ってお金を集める必要かあるのかの説明になっていません。高額の歳費や交通費や政党助成金や企業献金までもらっているくせに。口先だけの「陳謝」で、悪いと思っていないことは一目瞭然です。
・検察と財務省は霞が関の「2大権力」と言われています。あまりなじみがないので「検察庁」について少し調べました。法務省の特別の機関として、検察庁があります。検察庁では検察官・検察事務官などが執務しており,検察官は,刑事事件について捜査及び起訴・不起訴の処分を行い,裁判所に法の正当な適用を請求し,裁判の執行を指揮監督するなどの権限を持っているほか,公益の代表者として民法など各種の法律により数多くの権限が与えられています。検察庁は各裁判所に対応して置かれ、最高検察庁、高等検察庁、地方検察庁および区検察庁の4種類があます。政治からの一定の独立性を保持しており、法の正義に従った職能の行使が期待されています。政治的に任命される法務大臣は行政機関たる検察庁を擁する法務省の長であることから、下部機関である各検察官に対し指揮する権限を有するとも解しうるところ、公訴権の行使に対する不当な政治的介入を防止する観点から、検察庁方において、具体的事案に対する指揮権の発動は検事総長を通じてのみ行い得るとの制限が規定されており、法務大臣は、事務に関しては一般的に検察官に対して指揮・監督することができますが、個々の事件については検事総長に対してのみ、と検察庁法で定められています。戦後、指揮権発動が行われたのは1953年から1954年にかけての造船疑獄事件の際のみです。今回のパーティー券問題は東京特捜部の管轄のようです。 特捜部は,東京・大阪・名古屋の地方検察庁にだけ置かれている部で,公正取引委員会・証券取引等監視委員会・国税局などが法令に基づき告発をした事件について捜査をし,汚職・企業犯罪等について独自捜査を行っています。検察と財務省は霞が関「2大権力」と言われていますから、仮に2つがタッグを組めば無敵の権力を持ちます。
・今回のパーティー券問題のきっかけは、神戸学院大の上脇博之教授の告発状の提出からです。内容は過少記載額で、清和政策研究会(安倍派)が約1900万円、志帥会(二階派)が約950万円、平成研究会(茂木派)が約600万円、志公会(麻生派)が約400万円、宏池会(岸田派)が約200万円とされる。たぶん、ほとんどの議員は、何時もように、「記載ミス、修正」で、簡単に済むと考えていたと思いますが、予想外の大事件に発展しています。
・「政治資金収支報告書」には、1年間の収入と支出、資産などを記載し、原則、次の年の3月末までに、都道府県の選挙管理委員会か総務大臣に提出することになっています。2022年分に関しては、11月24日に約3,000団体の報告書が公開されています。 そこに記すべきは、同じ人や団体から年間5万円を超える寄付や、1回の政治資金パーティーで20万円を超える支払いを受けたものなど。名前や金額などを記載しているので、本来であれば、お金の流れがきちんと分かるものになっているはずです。主な政党の収入で、最も多いのは「自民党」で約248億6,000万円。前年から約5億1,000万円の増加。続くのが「共産党」で約191億円。前年から約5億円の減少。政党交付金は受け取ってなく、収入の9割近くが機関紙等の事業収入となっています。「公明党」は約135億1,000万円で前年から約16億8,000万円増、「立憲民主党」は約91億7,000万円で約7億2,000万円増、「日本維新の会」は約43億9,000万円で約19億7,000万円増、「国民民主党」は約17億9,000万円で約6億9000万円減少、「れいわ新選組」は約7億8,000万円で約2億6000万円増、「社民党」は約5億1,000万円で約4,000万円減でした。今年、提出があった3,000団体ほどの収入は総額1,067億円ほどで、前年から71億円ほど増加しました。コロナ禍で控えていた政治資金パーティーの開催が増えたことも主な要因です。岸田総理は党幹部との会談で当面の間、派閥パーティーの開催を自粛するよう申し合わせてはいますが、それ以外のパーティーについては言及していません。「政治にはお金がかかる」と政治家本人が言うぐらいですから、大事な収入源となる「政治資金パーティー」は、これからもあちらこちらで開催されることは確実です。
・特捜部は、安倍派を含む主要5派閥に対する政治資金規正法違反(不記載、虚偽記載)容疑の告発を受理。臨時国会の会期末(13日)後に、不記載の規模が特に大きい安倍派を集中的に捜査するとともに、他派閥への捜査も継続するとみられる。安倍派では所属議員に課したパーティー券販売ノルマの超過分を派閥や議員側の収支報告書に記載せずに議員側にキックバック(還流)していたとされ、不記載額は平成30年~令和4年分で数億円に上る恐れがある。また、岸田首相が7日に離脱するまで会長だった岸田派(宏池会)でもパーティー収入の一部が不記載だった疑いが浮上。数千万円に上るとの情報もあり、特捜部は慎重に確認を進める。岸田首相の資金管理団体は「年8回開催・総収入1.5億円」、利益率8割超の荒稼ぎをしています。そんな中、マスコミの報道では、捜査は安倍派をターゲットにしているようです。不記載のキックバックは、議員の収入ですから、記載していなければ脱制です。野党議員も修正しています。公平に捜査してほしいです。
・今回の安倍派への集中した捜査は、根っこには官僚と安倍元首相との確執があるとネットで取り上げられています。①「内閣人事局」。各省の事務次官を頂点とする一般職国家公務員の人事、自律性と政治的中立性にも配慮して、政治家が介入することは控えられてが、各省の人事を全て官僚に牛耳られては、政治家は官僚の傀儡となりかねず、縦割り行政の弊害も大きくなってしまう。そこで、各省の幹部人事を首相官邸が一元的に掌握し、政治主導の行政運営を実現することが構想され、第2次安倍晋三内閣の下、2014年に「内閣人事局」が創設された。それ以降、昇格を人質にとられた官僚側に政治家の顔色をうかがう傾向が出てきたとの指摘もある。②安倍元首相は、『安倍晋三 回顧録』の中で財務省について「国が滅びても、財政規律が保たれてさえいれば、満足なんです」「省益のためなら政権を倒すことも辞さない」などと批判しています。③20年1月31日に下された「黒川弘務東京高検検事長(当時)の定年を6カ月延長する閣議決定」。黒川氏は、菅氏に近かったとされています。黒川東京高検検事長の定年延長は、安倍首相のスキャンダルを抑え込むために、安倍内閣が強引に進めたものだとみられています。しかし結局、“賭けマージャン疑惑”で黒川氏は東京高検検事長を辞任(20年5月)。同年9月には安倍氏が首相を退陣した。その後首相となり、立場が変わった菅氏は、「桜を見る会」問題に関して特捜が安倍事務所の事情聴取に入っても、官房長官時代のように抑え込むことはできなかった。安倍氏がこの世を去った今、特捜は再び自由に動ける状況となった。今回の「安倍派パーティー券問題」においても、安倍派をターゲットにして徹底的な疑惑追及を行う可能性が高い。それはかつて、息のかかった人物を東京高検検事長に残そうとするなど、人事にまで介入してきた安倍政権への“復讐”のようにもみえる。
・いま前面に出ているのは、東京地検特捜部だが、舞台裏では、財務省も深く関わってくる。問題が政治資金の扱いにとどまらず、「議員個人の脱税」に発展するなら、肝心の税務情報を握っているのは、財務省だからだ。財務省と検察には、「この国の本当の権力者はオレたちだ」という自負がある。霞が関出身の内閣官房副長官(事務担当)を交えて、彼らは毎週、定期的に会合を開き、政策課題から政局情報に至るまで、あらゆる問題について意見交換している。そんな役所は、この2つだけだ。今回の問題を、単なる「政治資金の記載ミス」で済ますのか、それとも「脱税」にまで踏み込んで強制捜査も視野に入れるのかどうか、彼らの胸三寸にかかっている。関係者が多岐にわたる点も、彼らの裁量を大きくしている。彼らがマスコミ報道をコントロールするのは簡単だ。個別情報はもちろん、どう事件化するかしないかは特捜部、あるいは財務省次第なのだから、記者たちは彼らの言う通りに報じざるを得ない。マスコミが、権力者からリークされた情報を垂れ流すのは、いまに始まった話ではない。今回も同じ図式が繰り返されるだろう。「演出された大スキャンダル」が始まっていく予感がする。岸田政権は気が気でないはずだ。特捜部と財務省にとっては、それだけ「政権を脅す材料」になる。このスキャンダルが終わった先に何が待っているのか。岸田政権が来年早々にも倒れるような事態になれば、減税話は消えてなくなる。法案が成立していないからだ。財務省は高笑いするに違いない。国民民主党の玉木代表と約束した「トリガー条項」をめぐる自民・公明・国民民主の3党協議による検討は、無かったことになるでしょう。
田中真紀子氏が国会で会見「国民はバカじゃない」。真紀子氏は会見で、松野官房長官が、自身が事務総長を務めた安倍派や自身の裏金疑惑について説明を避けている姿勢に触れ、「答弁を差し控えさせていただきますと。やましいから答えられないってことでしょ。国会議員になるのを差し控えた方がいい。すっとぼけた言葉の使い方をしちゃだめ」と批判。「歳費は129万4000円。月々ですよ。文通費、私のころは20万円、いまは100万円。調査研究費、なんの調査やってるんですか?」と議員収入を説明。「これだけの大金をもらって、プラス」として「役職手当」「大臣で外遊するときも100万円づつ白い封筒に。返しましたけど。土産代だと言ってました」「盆暮れには幹事長から氷代・餅代もらいましたよ。いまもやってるんですか?」などと暴露した。「国会議員って歳費や文通費のほかにもお金いっぱいもらってるんです」と指摘する一方で「先日テレビを見てましたら評論家が『政治には金がかかるんですよ!』って言ってました。バカか!お前みたいなのが評論家やってるから。たかりじゃないのかと思って見てました」とぶっ放した。久しぶりに田中節を聞きました。爽快です。ワイドショーに出ている「御用評論家」の発言には不快感しか感じません。さすが田中真紀子さん。一刀両断です。
田中真紀子さんと言うと、小泉内閣当時の外務大臣のことを思い出します。当時、田中外務大臣は、外務省の汚職と既得権をただそうとして、外務省と戦っていた印象が残っています。マスコミは、真紀子さんのことを「とんでもない大臣」と大バッシングしていました。世論を誘導して、辞職に追い込みました。私もそのままマスコミの報道をうのみにしていましたが、インターネットが発達している現代なら見方が変わっていた気がします。ネットでは真紀子氏への称賛の声が多く上がっています。本当にごもっとも。こんな方がもっと日本の政治を行なってほしい。そうそう。田中眞紀子さんが残っているのを忘れていた。角栄氏の書籍を再版する予定で、1年前から予定していたらしいけど。凄いタイミングで出てきた。当時はガミガミ言って政権が回らなくなるけど、真っ当な意見を言う議員のイメージしかなかった。今、思えば議員時代に語っていたことがかなり正しい、国民を大切にした意見だったとわかる。大学を増やす事には断じて否定的だったし、ロケット失敗した時も自身が責任をとっていた。海外には真っ向からクレームを入れる人で、今の政権と真逆。信念を貫いて最後まで成し遂げる方。
具体的な内容は理解していないので、ネットで「真紀子さんと外務省の戦い」を調べました。飯村氏が官房長に就任した平成十三年の外務省は、要人外国訪問支援室長による機密費流用事件のさなかにあった。同年元日の読売新聞のスクープによって発覚し、首相の外遊などを担当していた当時の室長が約四千二百万円を詐取したとして、詐欺容疑で警視庁に逮捕された。室長の金遣いはなかなか派手で、流用した金は競走馬十四頭の購入のほか、ゴルフ会員権取得、高級マンション購入、女性への現金提供などに使われた。最終的に外務省幹部二十人あまりが監督責任などを問われて、軒並み懲戒減給などの処分を受けた。この問題の発覚直後に誕生したのが小泉政権であり、田中真紀子外相の登場である。「聞く必要はない!再処分が必要よ」。機密費流用事件をきっかけに外務省をぶっ壊そうと乗り込んできた田中真紀子外相の存在だった。そこから、田中真紀子氏と外務省の戦いが始まった。結局、田中真紀子外相更迭の経緯は、NGO排除にかかる鈴木宗男議員の関与如何に関する外務省及び政府の見解と田中真紀子外相の発言との矛盾である。これに端を発して、更迭された。今読んでみるとよく分からない理由です。
田中真紀子さんのお父さんの田中角栄元総理大臣に対しても、様々な圧力があったとされています。田中角栄総理は、日中独自外交をやろうとし、米国よりも先に成果を挙げた。その後の、田中金脈の発覚は、宛名のない書類の束が、ある雑誌社の入り口に置かれていた。なんだろうと手に取ると、田中金脈に関するものだった。これを調査しまとめたものが、1974/10/9に発売された雑誌『文藝春秋』で田中角栄に関する特集立花隆氏の「田中角栄研究―その金脈と人脈」。それが出版されると田中政権は総辞職に至った。マスコミに連日一斉に報道していました。今では、それらの資料の金銭の流れなどは国税でなくては手に入れないものと言われています。いまだに謎が多いとされるものにロッキード事件があります。ロッキード事件とは、米国・ロッキード社製の旅客機「トライスター」の売り込みをめぐり、日本の政財界に巨額の賄賂がばらまかれたとされる事件。田中角栄元首相は外為法違反容疑で逮捕。全日空のトライスター導入にからんでロッキードの代理店である丸紅を通して5億円の賄賂を受け取ったなどの容疑で起訴されました。裁判の一審二審で有罪判決を受け、最高裁に上告された公訴は、田中元首相の死亡により棄却された。当時、ジャーナリストの田中良紹は、「報道が国民に事件の真相を見えなくする洗脳情報のように思えてならない」と書いています。田中角栄総理は、アメリカよりも先に中国と国交を結んだことで、米国の国務長官キッシンジャーの怒りを買った。通産相であった時に田中氏は、日本の資源問題解決のための総合対策として『資源問題の展望 1971』と題する白書を作成し、今後の石油を必要な時に必要な量を正当な価格で入手できるような、自主性のある資源入手方式をいかにして作りあげるかを喫緊の課題として提示した。それにより、アメリカに睨まれた。当時は、田中角栄氏や田中真紀子氏へのマスコミの報道をうのみにして、「とんでもない」と思っていましたが、今では、本当はどうだったのかと考えてしまいます。
・2023/5時点での自民党派閥の人数は、安倍派100人、麻生派55人、茂木派54人、岸田派46人、二階派42人、森山派(元石原派)8人。清和会は細田派から2021/11に、安倍元首相が会長に就任して安倍派になりました。安倍派の資金の流れは、2014年から同会会長で、先日亡くなった細田博之氏が詳しいと考えられています。細田博之氏の死因は、多臓器不全です。報道によると、細田氏は亡くなる前日の11月8日に容体が急変したということで、突然のことだったようです。79歳でした。
今回の「パーティー券問題」により、2023/12/14に安倍派の4閣僚・5副大臣含む安倍派の計12人が辞表提出しています。安倍派は通産省閥と言われ、増税には消極的な派閥だとみられています。岸田派、麻生派は、財務省閥であり超増税推進派であり「ザイム真理教」の教団だとみられています。今回のパーティー券問題で、この2派の力が自民党内で増すと考えられています。安倍派と二階派は、力が削がれそうです。岸田派と麻生派で約100名になります。自民党内で政争が起きそうです。経済ジャーナリストの荻原博子氏は、「扶養控除縮小のウラにある「大増税」のシナリオ 税制改正大綱、政治の空白で「財務省の暴走にも監視の目を」。「政治空白が生まれると官僚が幅を利かせやすくなる。国民は財務省の暴走にも監視の目を忘れずに向けるべきだ」と警鐘を鳴らしています。時に政治では手品のように、派手に右手を動かして人々の注意を右手に集中させている隙に、そっと左手から「種」を出します。
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