日記(栗山ノート 感想)

WBC優勝監督である栗山英樹さんのエッセイ。彼のノートから様々な言葉を抜粋して、彼自身の体験談と共に紹介される内容。
言葉に重きを置くと同時に実践も多く、きれいごとや理想論も多い中失敗を糧に進む姿を覗くことができます。
今日は本書の内容詳細より先に、本書の流れをざっとみて感じたことを書きます。

ミーハーと読書

(日記)私は斜に構えたオタクなので、去年は読まなかったが今年になって読むことにした。まさしくWBC熱を帯びた栗山さんのエッセイはそれに当てはまる。今後「気にかかった」レベルの本は、徹底的に読み進めちゃおうというスタンスでいきたい。それぐらいのミーハー・にわか読書が好ましいと感じていて、肝心なのはその中の情報を取捨選択、アウトプットするかにかかっているのだと思う。「眉唾物だな」と感じる書籍であっても、書籍買って読むだけの失敗なら安いしその中から発見もあるだろう。この前の「すごい脳の使い方」なんかはまさにそこからスタートして意外な発見が多いものだった。見出すこと、ジャーニーこそが読書の醍醐味だろう。

さて、本書の栗山さんは非常に多くの言葉を学び、かつ実践していることが明らかになる。そんな中で印象深いのは、その言葉たちをそれぞれ結びつけていることだ。言葉とそれに関する考えをリレーさせていて、古典から近代思想、現代の成功者など時代をこえて普遍性を見出して自分のたくわえとしている。引き出しの多さは、そのような結びつきやアレンジを行う工夫があるからなのだと思う。「読書マップ」なんて考えがあるが、ここだと「言葉マップ」ぐらい言葉どうしの意味の結びつけと自身の行いを大事にしているのだろう。
本書をとおして綺麗な言葉が多く出てくるのだが、栗山さんは自尊心は高くなく謙虚でありつづけるため、「もうちょっとスカッとしたいのに」と感じるかもしれない。学ぶことで知識をひけらかしたくなるのを抑えて、組織づくりや自己実現に取り組む姿勢は興味深い。ネットミームで栗山さんは「きもちわるい」と言われるが、それは気持ちよさ・心地よさを捨てて言葉少なく地道に赤裸々に向き合っている姿を見せているのかもしれない。


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