女神の継承見た感想

ナ・ホンジン監督の哭声がけっこう好きだったので、女神の継承も見よう見ようと思いビビりを繰り返し、プライムビデオに入ったこともあり腰を上げてやっと見た!

哭声に出てくる祈祷師から着想を得た、タイの土着宗教の中の巫女をやっている女性ニムのドキュメンタリーという形で始まるモキュメンタリーホラー映画になっていた

・第一に感想を言うと本当にオチがやるせない!!

・ニムが人生や夢を捨てて、どうやって信仰されてきたかの背景もわからない、存在感の薄〜い神とやらに信仰心を向け続けなければいけない状況に対して、呪いや病気で具体的に攻撃をしかけるクッソ強くて根拠ある悪霊。災いが降りかかり、今まで自分が信じてきた神はいないのか?と思わざるを得ない状況で、疑心を持った時点で悪霊勝ち確なのつよすぎるよ。

・最後のニムのインタビューシーンが本当に印象深くて、『儀式に意味があるかわからない。私の中にバヤン(神)を感じたことはない』と言い部屋を出て、カメラの外からニムの啜り泣く声が聞こえてエンディングが流れる。このシーン本当に悲しい。
窓から見える緑が綺麗で、映画の中で一番明るく感じた画面と思える分、より一層悲しさがある。
今まで姉の代わりとして巫女になり、祈り、姉から自分に対する仕打ちを聞いても姉の味方であり続け、石像が壊れた時に泣き叫び悲しんだ憐れみ深い彼女が、祈れなくなった瞬間から終わりだったんだという事実が胸に残り続けてつらい。

・何か信じられなくなった時点で全て台無しになってしまう話で、祈りや信仰とはなんなのかをずっと問いかけてくる。キャッチコピーの「祈りの先に、何があるのか」がより重く感じれるよね

・やるせないよ〜〜〜〜〜〜〜、哭声のときといい「何を信じれば良いかわからなくなった瞬間壊れていく」の容赦無さがつらい。


・この作品R-18+指定があり、どこがそんな過激なのかあんまり知らなかったので調べてから見たんだけど
-セックス(合意)
-犬を茹で殺す
-臓物が出る
だった。
犬、死ぬらしい〜とは噂に聞いてたし、最初の方に犬食文化に触れていたり、道端で野良犬死んでたりしたから、そこで犬死回収したと思ってたけど、悪霊憑きのミンが飼い犬を茹で殺し食べるシーンがあり流石にビビった

・でも「いくら悪霊が混在してるからって残虐行為が調理だとなぜか知能高く見えてホラー感薄まるな」とちょっと思ったりした。

・それ以外にも霊障によって人前で生理が来るシーンたか、子供を突き飛ばしたり、赤子を食い殺すシーンもあり、生理的嫌悪の量がすごかった。


・物語の始まりから儀式の日までのカウントダウンまでの緊張感は本当に怖くて、後半の儀式の盛り上がり方超すごくて良かった。すごすぎて、今ホラーを凝縮したものを全部見てる見たい!と思って笑ってしまった。怒涛の悪霊ラッシュは面白い。


・土着宗教で血族関係テーマなのもあって、ヘレディタリーやミッドサマーを並べて想像してしまったけど、あれは完全に常軌を逸した信仰心で成り立つ話だから全然比較にならないよな

・色んな考察をかじっているが考察も含めてニムの運命があれなのは本当につらい

おわり

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