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コロナが流行って安心していた
コロナウイルスが流行った2020年の春、私は心身のバランスを崩して、実家で寝てばかりいた。昼に起きて、夕方までまた寝るを繰り返していた。時々、川沿いまで散歩した。平日の昼間に散歩している若者なんてそういないので、散歩の道の材木屋で「あなたいつも歩いてるよね。」と言われた。
ひどく惨めだった。こんな風になるために今まで生きてきたんじゃないと思っていた。散歩しながらこんな山だらけのとこ出ていくと思っていた中学生の自分を思い出した。
不謹慎にもコロナウイルスが流行って私は安心した。不幸なのは私だけじゃないのか。みんな私と同じだけ苦しめ、とか思っていた。
世界に私1人だけな気がした。
私は、時々、悪いことをする人の気持ちが分かる気がする。だからなんでもしていいというわけではないけれど。そういう気持ちになったことがない人があいつは最低だとか言っていると、幸せな人生だったんだねと思う。
悲しいことを味わうことはよいことなのだろうか。結局、その感情をどううまく折り合いをつけていくかなのかもしれない。
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