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めったに怒らないわたしがプチ憤慨した話

SNSでは、「世界が元に戻ったらしたいこと」を発表するのが流行った。わたしは苦々しく思った。世界は元に戻らんぞ。つまり、多くの人々の暮らしが、その人にとって同じ場所で、同じように営まれるようになっても、死んだ人は帰ってこないし、収入を失った大人がたくさん現れるからである。

自分が死なないのを疑うことなく、「また元に戻る」と考える人は視野が狭い。人口が4分の3になっちゃうんじゃないかと震えながら、わたしは彼らを少し羨む。

今の生活が1年2年と続いても「わたしは」困らないので、ずっとずっとこのままでも「わたしは」嫌ではないので、「世界が元に戻」っても戻らなくてもいいのだが、なんにも不自由なく生きているからって、わたしも浮世離れしていて薄っぺらい。

ありがたいことです。目に留めてくださった あなたの心にも喜びを。