性癖とか『春琴抄』とか

官能小説のカテゴリーの話を書こうと思ったり思わなかったりしていたのですが、つまり何を言いたいかというと、どのカテゴリーに向けて書くかによって性癖の書き方も違ってくるよねって話。

書き始めたのが一般文芸ジャンルなので、いまだにその方法論で書き続けているわけなんですが、なんか違うんじゃない?
と、最近思うようになりました。

私は性癖モノを書くときには、その性癖のない人が読んでわかるように、共感できるまでいかなくても、理解はできるようにということを心掛けながら書いていたのですが、それって、一般文芸的には正しいのかもしれないけど、官能小説的には間違いなのかと最近になって気づいた。

だって、男性向け女性向けに始まり、性癖から萌ポイントまで細分化された世界でさ、NTRモノ読みたいって人に、NTRって何なのかとか、どうしてNTRさせたくなるのかって、説明する意味ないですよね。SMも然り。

主従などを書く場合は、背景から地道に、わかるように、共感はできなくても最低理解ぐらいはできるようにと悩みながら書いていたんですが、もともとその性癖モノを読みたい人に向けて書く場合、それは全く不要なわけで。
主従の何たるかがわかってない人はそもそもタグ検索してここまで来ないって。

同時に自分が読み手である場合、自分にない性癖のお話は(読むなってことだよね)理解できない点があったり、読んでいて楽しくなかったりすることが多々あります。
大人しく『春琴抄』でも読んでろってことか?(普通に面白いです)。

青空文庫で検索したらあったので、リンク貼っときますね。

具体的な話をすると、私は女性がSのお話が苦手です。
と言いつつ、作品や作者によって、読めたり読めなかったり。

『春琴抄』は、何も考えずに読んでも面白いけど、何を出して何を出さないか、計算しつくされているところがすごい。

で、視点がまたすごい。
最初に読んだときには、何このまだるっこしい伝聞形式?と思ったんだけど、読者に何を見せて何を見せたくないかを考えると、伝聞形式を選択した意味がよくわかる。

話がそれました。

ここで一気にジャンルの話、というか、性癖とはいえないまでの性向の問題に飛ぶけど、あくまで一般論として、異性の好きなタイプってありますよね。

男性に於いては、好きなタイプって、固定されていることが多くないですか? そして、女性の場合は流動的で、好きになった人がタイプという場合が多い。いや、あくまで一般論です。身長180㎝以上のドSの眼鏡男子しか認めねえ、って方も当然いると思います。

これは、過去付き合った相手について、男性がファイル名を替えて保存、なのに対し、女性が上書き保存であることにも関係しているかもしれません。

そこで、やっとジャンルの話に戻ります。

男性はエロいコンテンツを具体的な性向に合致したタグで選択してるけど、女性は具体的な好みがなく、なんかエロそうなもの、って観点で選択してない?
あくまで仮説だけど。

ちなみに、『S』と『ドS』は違うって、あちこちで書いてるけど、正確に言うと女性向け官能で受けるのは『ドS❤』で、某SNSに生息する裏アカくんたちの中には『奉仕系S』を名乗る人々がたくさんいらっしゃるんですが、何ですかこの奉仕系Sって?それSじゃないし。
でも『ドS❤』の中身はおそらく『奉仕系S』程度のものなんじゃないかと思う。

また話が逸れたし、とっ散らかっていますね。ごめんなさい。

女性向けのエロコンテンツに関しては、好まれるもののパターンが決まっていて、多様性に乏しいような気がするんですね。

それは、作り手がそれしか作っていないから、というより、受ける側の問題かなあという気がします。

っていうと、女性向けエロコンテンツ、つまらない、みたいな感じに話が展開してきましたが、そういうことを言っているわけではありません。

あくまで性的な性向を示すタグの多様性に乏しいんじゃないかって話。

だからそれを補うのがストーリーなのかも、で、性癖モノでもゼロからわかりやすく書いた方がやっぱりいいんじゃないか、というか、少なくとも自分はそうしようと思った次第です。





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