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柔らかな気持ち


涙の話


朝からそれはもう滅茶苦茶に落ち込んで
日曜日の7:30の電車に乗って考えて思い出して
泣いていた

落ち込んだ原因の人物を想って
そしてお守りのようにカネコアヤノの歌を聴いて…

マスク生活なんて暑苦しいし、人の顔が見えなくて
表情が窺えなくて寂しくて早く終われ!!もう十分!!て
なってたけども
今朝だけはマスクが人目から守ってくれた

守られていてよかったと安心しながら
マスクになんて守られたくない
あっちにいるあの人に私の事を守ってほしいと思った
そして、気付かれたくないと考えながら
誰かに本当に誰でもない誰かに気付いてほしかった
「大丈夫ですか?」この一言が欲しかった

のんびりと閑散とした日曜日の朝の電車の中で
こんな事を考えていた私は欲張りなのだろうか

私は涙を流すことを躊躇わない(人前を除く)
悲しい時もうれしい時も所かまわず泣き出す
でも、静かに泣くのだ
わんわんと子どもみたいに感情のままに声を出しては泣かない
極めて静かに噛み締めるように泣くのだ
一人暮らしのひっそりとした家の中でも
人通りの少ない裏路地でも夜道でも

涙を流すことは安らかに眠る事と似ている
なんだか分かんないけどそんな気がする
泣いている時はぐーんとその気持ちに寄り添って
とことん涙を流す、涙の気が済むまで

それから、涙がもう満足したように止まると
すっきりして落ち着くのだ
涙が流れた原因は綺麗に忘れられないけど
人が眠りから得る栄養を、泣くことで摂取している気がする



救いの話


今朝、泣いていた私を救ってくれたのは
バイト終わりに足を運んでみた、
あるお花屋さんのある女性が一人で開いている小さなPOPUPSHOPだった

元々告知は見ていて知っていたけど
バイト終わりに人の多い原宿に行く気になる気がせず
また機会があれば行けばいっか~程度に考えていた

そんな私が行くきっかけになったのはその女性が

なんか今日誰かとしゃべりたいなとか話聞いてほしいなって思ったら遊びに来てください。べつに花は買わなくて大丈夫なので~
自分が心を許して帰りたい場所、安らぐ場所がない人のちょっとくらい役に立つ空間になればと思ってます。
花が生活の中にあってもなくてもいいけど、ある方がちょっと幸せみたいな感じでこの場所も同じように誰かのちょっとした逃げ道や大げさですが救いになるような場所にしていけたら~と思っています。

と言葉にしていたからである

たまたま救いようも無いほど落ち込んでいた私は
何とかバイト終わりにあり得ないほど込み合っている竹下通りを歩いた
この道中もなんだか寂しくなって
それから、これからもしかしたら救ってもらえるかもしれないと思って
ちょっとだけ泣いた
竹下通りをちょっとだけ泣きながら早歩きした
楽しみだった

いつもインスタで見ていた女性がいた
優しく話しかけてもらった
お花と花瓶を見繕ってほしい事を伝えたら
「どんな気分になりたいですか?」と聞いてくれた
「柔らかい気持ちになりたいです」と答えた

ブルーとピンクのカーネーション
シャギーガーベラ
濃いピンクの小花(名前忘れちゃった)
の三本を選んでもらった

花束を持って歩くのって最高に気分が上がる


小さなお話をして、
来店した人のお名前を覚えたいとの事だったので
名乗り、花を長持ちさせるコツを聞いて帰った

もちろん、こんな事があってあれやこれやで泣いて泣いてどうしても誰かに救われたくてここまで来たのだとは伝えなかったけどそんな話をしなくてもその女性の放つ優しいエネルギーと包み込むような話し方で十分に救われた

日々(良く言えば)慎ましやかに暮らしている私にとって花を部屋に飾る事は大変なことだと考えていたけど
そんなことはなかった
生活に、部屋に、花があることこそが慎ましやかな暮らしだった

飾られている花を見てその女性を思い出し救われて
そして、電車で泣いちゃうくらい落ち込んだ事を思い出して、また泣いてしまうかもしれないけど、私の為に選んでもらったお花をこれでもかというくらい大事にしようと思う

そうすることが、今朝電車で誰かに救われたかった私と
これからまた弱虫になってしまう私を、救い、守り、そして勇気づける気がする


帰宅後、なんだか散らかっている部屋を片付けて
実家にいる猫を入れている写真立てをピカピカに拭いて
飾れていなかったポスターを壁に貼り、それからお味噌汁を作った

今朝だったらこんな何てことないタスクをこなす事も
できなかったはずだけど、花を部屋にしつらえた私は蘇り、大音量で今朝とは違う気持ちでカネコアヤノを流しながら、狭くて、でも快適な部屋をなめらかに動き回ったのであった


終わり


追記
なんか前の記事でも救いの話してて
どんだけ救いようのない日常を送ってるのか惨めになったけどその分なにかに救われた分だけ記事にしていけばいいのか…
人生は続く…


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