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子どもに相応しい親を目指す人のための子育てハンドブック

この記事は2024年8月20日に更新されました。

新しい情報を仕入れ次第、アップデートしていく予定です。


「子育て、難しすぎやろ…」


子育てを始めた当初、そう思いながら子どもに接していた。

事前準備はしてきたつもりだった。が、はじめて人の親となり、実際に子育てをしてみると何が正解かさっぱりわからない。


「こんなんで子どもに相応しい親になれるのか?」


そんな思いが頭をよぎる。

自分なりの答えが出せないというのは、このままじゃダメだという証だ。

そう思った私は、本や講座、ネットなどから情報を得て、現時点での子育ての答えを導き出すことにした。


子育て関連の情報には、真逆のことを言っているものも多かった。

何が正しいのか、未だ解き明かされていないということがその大きな原因なのだろう。


日進月歩の科学の世界で、これからどんどん子育ての答えが導き出されていくと思う。だが、それまでの間に私の子育ては終わってしまう。

だからこそ、これまで私が得てきた科学的根拠にもとづいた知識の共通項を、現時点での子育ての答えとしてまとめることにした。

この記事が、子育てに奮闘するすべての親の手助けになれば幸いである。





子育ての目的


「人生の最終目的は幸せになることだ」 ―――アリストテレス(古代ギリシアの哲学者)


アリストテレスが説くように、大多数の親は子どもの幸せを願う。

だが、親が考える子どもの幸せは、子どもにとっての幸せではないこともある。親が官僚になれば幸せになれると思っていても、子どもはYoutuberになれば幸せになれると思っているのだ。

上記は一例であるが、幸せを感じるのは子どもであり、子どもの幸せは子ども本人にしかわからない。そのため、子どもの幸せのために親ができることは、幸せという目的地を目指して歩む子どもを応援することだけなのだ。


子どもを応援するにあたり、親がまずすべきことが「子育て」であり、その目的は「子どもの自立」である。自らの力で立ち、幸せという目的地に向かって進むためには、自分の足で立てるようになることが必要不可欠であるからだ。

子どもに、一人の人として自立してもらうためにはさまざまな要素が必要だ。が、その中でも科学的な裏付けがあり、特に重要視したい要素が以下である。そのため、この記事では以下の5つの要素に絞り、これらの要素を子どもに身に付けてもらうために親ができることを示していく。


■ 自立のための5要素

  • 心身の健康:身体と心の健康度合い

  • 問題解決スキル:問題を解決する力

  • 高い人間性:魅力度や人生の満足度が高い人

  • 周囲とのつながり:人や自然との良い関係性

  • 成長マインドセット:努力すれば成長できるという考え方



子どもとの接し方


前述した「自立のための5要素」を子どもに身に付けてもらうために最も重要なことは、親が「自立のための5要素」を満たしていることである。

子どもは身近にいる人の真似をしながら学んでいく。親の真似をしながらパパ・ママの発音や服の着方を覚えていくのだ。すなわち、子どもは最も近くにいる親のことを一番よく見ている

このように親の背中を見て育っていくからこそ、子どもに「自立のための5要素」を身につけてもらうために、「自立した親」である必要があるというわけだ。自立した親を真似ることで、子どもも同じように自立する可能性が高まるのだ。

このことを念頭に置いたうえで、科学的に良いと証明されている「子どもとの接し方」を以下で紹介していく。参考にしてもらえれば幸いだ。


■ 子どもと接する際に意識すべきこと

  • 経験(失敗)を積んで学ばせる

  • 他人と比較せず強みにフォーカスする

  • 子どもの課題は子どもにやってもらう(※1)

  • 信頼を得るために一貫性をもって接する

  • 話をよく聞いて子どもの気持ちに共感する(※2)

  • 思いやりをもって率直な意見や感情を伝える(※2)

  • 横の関係性を意識して一人の(友)人として尊重する

  • 能力や結果ではなく行動やプロセスに焦点を絞って話す
    ※1 交換条件付きの報酬は絶対に与えないこと(交換条件なしならOK)
    ※2 子どもは意識的に記憶していられないため、すぐにその場で伝えること


ここで一つ、注意しておきたいことがある。

それは、子どもは親の都合など気にしないということだ。親が朝早く出かけたくても、子どもは眠ければ寝ている。そのため、子どもの都合を優先できる分の余裕は常にもっておくべきだといえる。時間的、精神的に余裕がなければ、その積もり積もったイライラがシャンパンタワーのように周りに伝染し、家庭内の雰囲気を悪くしてしまうことだろう。

また、詳細は割愛するが、子どもをサポートするという観点から、目標達成をサポートする「コーチング」や心理学的に行動を促す「行動経済学」を学ぶこともおすすめだ。これらの知識は、子どもと接する際の大きな手助けとなるだろう。



親が子どものためにできるコト


親が子どもに対してしてあげられることは驚くほど少ない。

これは、子どもが自分のペースで育つことに起因する。そのため、親ができることと言えば、近くで見守ること、求められたときにサポートすること、そして子どもの成長に良い環境を整えてあげることだけなのだ。

この章では、これらの中でも親が主体的に行える「環境構築」に目を向けていきたい。


と、その前に。

子どもの成長に良い環境を整えるにあたり、その総枠となる重要な考え方を共有する。それは、人間の体は狩猟採集生活に最適化されているということだ。

現代の人類の基礎が形づくられたのはおよそ700万年前。そのころの狩猟採集生活から、農耕生活に切り替わったのがおよそ2万年前といわれている。この生活期間の長さ(700:2)から、われわれ人類の身体は狩猟採集生活の方に最適化されていると考えることができる。そのため、この章ではこの考え方を念頭に話を進めていくことを了承してほしい。

さて、前置きが長くなったが、以下で科学的根拠にもとづいた「親が子どものためにできるコト」を紹介していく。



①成長に必要な栄養を摂る


世界保健機関(WHO)では、生後6ヶ月間は完全母乳で育て、それ以降は適切な食事で補いながら2歳かそれ以上まで母乳を続けることを推奨している。

日本では早期の卒乳が推奨されているが、赤ちゃんの免疫力の低さ(特に新生児期は外出すらNG)や腸の未熟さ、食べ物をすりつぶす奥歯の生えそろい具合を考慮すると、すべてが整う2歳半ころまでは、母乳または母乳と同じ成分が入っている市販ミルクを与えるべきだといえる。ただし、母乳の場合、母親が食べるもので母乳の質が決まるため、母親の食べ物にも気を使わなければならない点には注意してほしい。

補完食については、先住民の赤ちゃんが植物や果物ではなく、レバーや卵などの動物性たんぱく質や脂質を中心に、食べやすく栄養価の高い食べ物を食べていることを参考にしたい。今日の科学の観点からも、生後半年ごろから鉄や脂質が不足することや、体を大きくするにはたんぱく質が必要であることが分かっているため、これらのことからも先住民の補完食が正しいことの裏付けができるだろう。

上記に併せ、大人と同様に食品添加物や残留農薬、濃い味付けにも気を配りたい。これらは科学的にも身体への悪影響が認められているため、普段の食生活ではできるだけ摂取しないことをおすすめする。これらの依存が進んでしまうと、子どもの場合、かんしゃくを起こしたりアレルギー症状が出たりする可能性が高くなってしまう。

ただし、ウイルスの存在が抗体をつくるように、ある程度の毒は許容し、その毒に対応できる体づくりは必要だ。この世からお菓子やラーメンなどのおいしい食べ物、そして有農薬野菜がなくなることはないと予想できるからだ。アレルギー食品についても同様に考えていいだろう。



②腸内環境を整える


人間の腸には多くの腸内細菌が住みついている。そこで病原体を排除したり食物繊維を消化したりしながら人間と共生しているのだ。これは、人が食べ物(食物繊維)を与え、腸内細菌がその見返りとして健康を与えてくれるという古くからの共存関係である。

腸内細菌の種類が多いと、アレルギーやうつ病を予防できるという研究結果がある。そのため、腸内細菌の種類はできるだけ多く増やしたい。が、腸内細菌の種類は早い段階で決まることがわかっている。1歳半で9割、3歳で10割決まるとされているのだ。だからこそ、3歳までの間の食事や過ごし方が特に重要だといえる。

腸活については、食事については以下の食べ物を食べるまたは食べないこと、過ごし方については自然で遊んだり、動物園へ行ったり、いろんな人と出会ったりすることが有効だ。日ごろから意識して生活することをおすすめする。そんな生活を送る赤ちゃんのうんちは毎回至高の黄金うんちになるだろう。


■ 腸に良い食べ物

魚、野菜、温野菜スープ、豆腐、たまねぎ、根菜類、トマト、梅干し、ニンニク、きのこ類、40度以上の飲み物

■ 腸に悪い食べ物

小麦、玄米、卵、乳製品、果汁、はちみつ・黒糖(5歳ごろまでNG)、そば、ピーナッツ、ごま、えび、かに、冷たいもの
※腸が未発達である12歳ごろまでは、冷たいもの、小麦製品、玄米、雑穀、ソバ、生姜、辛いもの、生モノ、甲殻類、牡蠣、生野菜、ビーフジャーキーは極力控えること


ここで、腸に悪い食べ物の一覧にある「冷たいもの」について一点だけ補足する。

体を維持するためのエネルギーを生み出す細胞「ミトコンドリア」が体温の低下に弱いことから、体温が1℃下がっただけで体の免疫力が30%低下するとされている。そのため、冷たいものを食べて腸が冷えると、病気になったりアレルギーになったりする可能性が高くなる。そのため、腸が冷える体温以下(37℃が目安)の食べ物を摂らないことを意識したい。ちなみに、上記の理由から、体を冷やしすぎないこともNGであることがわかる。



③よく遊びよく寝る


子どもの行動は自身の成長に必要な行動であるという考え方からいくと、子どもの仕事は遊ぶことだといえる。大人がやらなければならないことは仕事、子どもがやらなければならないことは遊びなのだ。

子どもが遊ぶにあたり、親は子どもが安全に楽しく遊べる、できる環境を整えなければならない。大人と同様に、おもちゃをしまうための棚やトレイ、座って遊ぶための机や椅子は最低限用意し、成長に応じたおもちゃに替えていく。そして、子どもが楽しく遊べるよう、大人が子ども側に立ってゆっくり遊んで見せるのだ。子どもはその真似をして遊び方を覚えるはずだ。なお、遊び道具とその時期については以下を参考にしてほしい。


■ 遊びのスケジュール(※月齢は目安)

0か月:モビール、鏡、絵本の読み聞かせ、歌
3か月:キャンディスティック、ガラガラ
4か月:キッキングボール
6か月:ひもひっぱり台
8か月:ポットン落とし、リングさし、棚・机
1歳ごろ:シール張り、ノックアウトボール、円柱さし、楽器おもちゃ、はめ込みパズル、時計、数字、ダンス、トイレトレーニング
2歳ごろ:ひも通し、洗濯ばさみおもちゃ、トングばさみ、ネジ回し、ボタン留めおもちゃ、絵カード合わせ、絵
3歳ごろ:砂文字、地球儀、お手伝い、ブロック
※特に幼児期(0-6歳)は早期教育よりも遊びや能動的な活動をさせるべし
※4歳ごろまでは相手の気持ちを理解できないため注意


楽しく遊んだあと、その疲れをとること、そして自身の成長に欠かせないこととして挙げられるのが睡眠だ。睡眠に関しては諸説あり、いまだ解明されていないところが多い。が、先住民の生活を参考にすると、基本的には日の光を浴びて起き、暗くなったら眠るスタイルがいいのではないかと考えられる。目安としては、大人で8時間以上、子どもで10時間以上の睡眠が推奨されているため、こちらも参考にしたい。

昼寝についても諸説あるため一概にはいえないが、月齢とともにごきげんで起きていられる時間が伸びていくため、その状況に応じて昼寝をさせてあげると良いのではないかと考える。参考までに、月齢ごとの昼寝の目安を以下に示す。


■ 月齢ごとの昼寝の目安

0-5か月ごろ:適宜お昼寝させる
6-8か月ごろ:朝・昼・夕で3回をめどにお昼寝させる
9-10か月ごろ:朝・昼で2回をめどにお昼寝させる
11か月-5歳ごろ:昼で1回をめどにお昼寝させる


また、睡眠は起きる時間と寝る時間を一定にすることや、仰向けで寝て骨を休ませることも良いことだとされている。逆に言うと、リズムの悪い生活やうつぶせ寝はNGというわけだ。ちなみに、子どもにリズムよく動いてもらうためには、してほしい行動の前に時計やアラームを使って事前アナウンスするといい。ルーティンや決まり事、約束などを上手に使い、よく遊んでよく寝る、規則正しい生活を送ってほしい。



④発達段階を飛ばさない


子どもは子どものペースで成長していく。

脳や感覚も同様に成長していくことになるが、発達の順番を飛ばしてしまうと成長しない部分が出てくる。もしそうなると、その部分の成長が伸び悩み、できないことが残ったまま育ってしまう。あれもこれもできない子に育ってしまうのは、子どもにしても親にしても心苦しいことだと思う。

そうならないためには、発達段階を飛ばさないことが唯一有効な手段だ。ただし、練習だと言って無理やり次の発達段階に促す必要はない。前述したとおり、子どもは子どものペースで成長していくからだ。発達段階に当てはまる行動をしっかり身に付け、必要な筋力を鍛えさせる必要があるということだ。

発達段階の詳細は以下に明記するが、どれも正しいフォームで行うことがある点には注意してほしい。うまくできていないようであれば都度矯正して正しいフォームを身に付けてもらおう。なお、発達段階ごとの詳しい時期(目安)については以下を参考にしてほしい。


■ 発達段階(※月齢は目安)

  1. あお向け
    以降の過程に必要なお腹の筋力を鍛えるために丸い抱っこをしたり、モビールなどで自分の足や膝を触る動作を促したりするとよい

  2. うつ伏せ・首座り(2か月ごろから)
    おもちゃなどを追視させて首座りを促し、ずりバイに移行するための筋力を鍛える

  3. 寝返り(5か月ごろから)
    あお向けの状態で自分の足を手でつかみ、お腹を丸めた形(Cの字)での寝返りが正しいフォーム(左右差が出ないように気を付ける)

  4. ずりバイ(7か月ごろから)
    うつ伏せの状態で対角にある手足を左右交互に動かし、足のつま先で地面を蹴るのが正しいフォーム(全身を鍛えられるため長い間やらせることを推奨)

  5. ハイハイ(8か月ごろから)
    顔や目は目的地を向き、脇をしめ肘を伸ばして手は開き、膝は股間接幅で、足首は内側に寝ているのが正しいフォーム(ずりバイ同様に長い間やらせることを推奨)

  6. お座り(8か月ごろから)
    子ども自らお座りするため見守っていればOKだが、姿勢が丸くならないように注意が必要

  7. 高ばい(10か月ごろから)
    芝生や滑り台で始める子が多いため、そのような場所で促すのも手

  8. 立っち(12か月ごろから)
    つかまり立ちだと足の小指やかかとが変形してしまう可能性があるため、床に座っている状態から自然に立ち上がることが望ましい
    ※ずりバイ→お座り→ハイハイの順番でもOK



⑤口呼吸をさせない


鼻には鼻毛や粘膜があるため、鼻呼吸の際にはそれらがフィルタの役割を果たす。が、口呼吸にはフィルタが存在しない。そのため、鼻呼吸に比べ、喉の奥の免疫機能を担うリンパ組織が疲弊しやすく、病気やアレルギーになりやすい。さらに、口呼吸では、低位舌となり歯並びが悪くなったり、菌が繁殖して虫歯や歯肉炎になったりするため、全くいいことがない。このようにデメリットしかない口呼吸は絶対にさせない方がいいだろう。

鼻呼吸を促す際は、硬いものをよく噛んで食べさせる、おしゃぶり(ピジョン社、ヌーク社がおすすめ)をする、鼻詰まりを解消するなどの手段を講じるとよいとされている。子どもが鼻呼吸であるかどうかを逐一確認し、鼻呼吸になっていなければ都度促していきたい。

ちなみに、先に触れたよく噛むことには多くのメリットがある。良い歯並びをつくる、食べすぎを防止する、歯や顎が丈夫になる、肥満を防止できる、脳が活性化するといったさまざまな効果が認められているのだ。鼻呼吸を促すのに関係なく、よく噛んで食べさせることを意識しておきたい。


また、これまで口の話題に触れてきたことから、この場で「歯磨き」についても明記しておくことにする。

一般的に、歯磨きは特に寝る前が重要とされており、先進国では朝夜の計2回、食後30分後の歯磨きが推奨されている。歯磨きは歯を殺さないために絶対に必要な行為である。嫌がる子どもも多く、歯磨きをさせる親は大変だと思うが、鉄の意志で歯磨きを行い、歯磨きに慣れてもらわなければならない。親のように歯磨きしないと気持ち悪い状態にもっていきたい。



⑥原始反射をとる


原始反射とは「赤ちゃんに生まれつき備わっている無意識の反射動作」である。

主なものは後述するが、その種類は数多くあり、おおむね3歳ごろまでになくなる(統合される)のが一般的だ。が、もし原始反射が残ってしまうと、無意識の反射動作(戦う・逃げる・固まる)によってさまざまな障害が発生することになる。手先が不器用になったり、落ち着きがなくなったりといった症状が現れるのだ。

このような悪影響を子どもに与えないためには、原始反射を使い切ることが重要となってくる。使い切るとは、反射動作が出なくなるまで原始反射をさせるということだ。つまり、原始反射をなくすためには、あえて特定の刺激をあたえて反射動作をさせることが必要となってくるのだ。

以下に、主要な原始反射を示す。これらの反射がなくなるよう、残らないよう、子どもに働きかけていこう。


■ 主要な原始反射

  • モロー反射:大きな音や強い光、痛みなどに反応して両手を広げ抱き着く反射(長時間のスリングやお雛巻きの利用には注意)

  • 把握反射:掌や足に指を置くとぎゅっと握る反射

  • 探索反射:口元をつつくとおっぱいを探す動きをする反射

  • 緊張性迷路反射:頭の動きに対して全身がまるまったり反り返ったりする反射

  • ランドウ反射:腹ばいのときに頭が上がって体が反る反射(逆もある)

  • 脊椎ガラント反射:脊椎の刺激を与えた側に肩と腰がくっつくように動く反射

  • 対称性緊張性頸反射:体の上下の動きが連動し、顎を挙げると上肢がのびて下肢がまがる反射(逆もある)

  • 非対称性緊張性頸反射:頭を左右のどちらかに向けると同じ側の腕と足がのび、反対側の腕と足が曲がる反射

  • バビンスキー反射:足の裏の外側をこすると足の親指が足の甲側に反り返る反射

  • バブキン反射:手と口が連動してしまう反射(掌を軽く押すと口があく、口が動くと手が動くなど)

  • 恐怖マヒ反射:恐怖を感じると動けなくなる反射

  • 脊椎ペレーズ反射: 背中の真ん中あたりを下から上になぞるとなぞった方の脊柱がきゅっとなる反射



⑦正しい姿勢を身につける


理学療法の観点では、幼少期の姿勢と基本的な動きには関連があるとされている。姿勢が良ければスムーズな動作が可能だが、姿勢が悪ければスムーズな動作ができないだけでなく、健康やけがのリスクが増えるという。これは、姿勢が悪いことで内臓が圧迫されたり筋肉がスムーズに動かなかったりすることに起因する。これらのことから、幼少期から正しい姿勢を身につけ、安定的にその姿勢を維持することが大切だということがわかる。

すべてにおいて正しい姿勢というのは重要なことではあるが、ここでは特に長時間同じ姿勢をとることになる「歩く・座る・寝る」の3つの姿勢に絞って解説していきたい。


■ 歩く・座る・寝るときの正しい姿勢を身につけるために

  • 歩く:滑り止めのない靴下と足首を固定できる靴で年齢×1kmを毎日歩く
    ※砂場や芝生でははだしOK

  • 座る:骨盤を立て、足を90度に曲げ、背筋を伸ばして座る
    ※高さを変更できる椅子の使用を推奨

  • 寝る:丸い抱っこやスリング、Cカーブベッドで丸く寝かせる(向き癖を作らない、反りを作らない)
    ※授乳の際も丸い姿勢で行うこと


補足となるが、スマホやテレビの見過ぎも、ストレートネックや猫背といった悪い姿勢を助長するため注意したい。人の歴史の中で、スマホやテレビは非常に新しい部類の刺激であり、人はまだその刺激に慣れていない。そのため、それらの刺激に依存し、その依存によって体に心に悪影響が出てしまう。ジャンクフード依存然り、SNS依存然りだ。

依存による悪影響を受けないために、特に小さいうちについては、できるだけ超常刺激から子どもを離すべきだろう。ただし、超常刺激がこの世に生まれた以上、これらがなくなることはまずない。そのため、うまく付き合っていくことが重要になるだろう。親は、子どもに超常刺激との付き合い方を教えてあげるべきだと考える。



⑧無条件に愛す


愛情をたっぷり受けた子どもは脳がよく発達し、自尊心が養われ、ストレスにも強くなることが科学的に証明されている。一方、愛情によって子どもの心を満たすことができなければ、子どもが問題行動を起こすこともわかっている。これらのことから、子どもがまっすぐ育つためには、「愛情」が必要不可欠な要素だとわかる。

子どもに愛を伝えるには、スキンシップをとることや子どもに愛を伝えること、共同作業の時間をつくること、良いニュースへの積極的かつ建設的な反応などが有効だ。その中でも、特にスキンシップが有効だとされている。スキンシップにより愛情を深めるオキシトシンがよく出るためだ。ちなみに、オキシトシンは愛情とともに防衛本能も高めるため、育児に協力的でない対象に向かっては攻撃的になることがある。この点には注意が必要だ。


また、子どものありのままを受け入れ、愛することで子どもの心理的安全性が高まる。心理的安全性とは「自分の意見や気持ちを安心して表現できる状態」のことで、心理的安全性を高めることは親子の関係性の不安を解消することにつながる。つまり、親と子どもの間の良い関係性を築くことができるのだ。

円滑な親子関係を築くため、親は無条件に愛し、子どもにとっての安全基地のような場所となれるよう精進すべきだろう。そうすることができれば、必ず子どもは親のところにやってくる。子どもを無条件に愛すことが親の最大の役目だというのを忘れてはいけない。



おわりに


山が赤に黄色に染まるころ、我が家には第二子が生まれる予定だ。

第一子、一人だけでも十分に右往左往させてもらった。これから先、より楽しく、より騒がしく、より忙しくなることは間違いないだろう。

私は、そうなる前に、これまで学んできた子育てに関する知識をまとめておきたかった。

備忘録として、第二子のために残しておきたかったのだ。


時間はかかったが、重要なところだけ、いい塩梅でまとまっていると思う。

この記事が、私たち家族の助け、そしてこの記事を読んでいただいた方の助けになることを願っている。



参考文献





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