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全人類が身に付けるべき最強スキル『戦略的思考力』習得のすゝめ

この記事は2024年4月21日に更新されました。


「なりたい自分になれない」

「欲しいものが手に入らない」


これらの問題の原因には様々なものがある。行動力や分析力の無さなどが挙げられるはずだ。だが、その中でもとりわけ重要な要因が『戦略的思考力の不足』だと考える。

戦略的思考力とは『ゴールにたどり着く方法を考える力』である。つまり、ゴールにたどり着くために必要なスキルだ。


「山を登りたいのに海に行く」

「お金を稼ぎたいのに飲み会でお金を使う」


戦略的思考力のない人は、ゴールに向かって進めていないことが多い。進むべき道が間違っているために、ゴールまで繋がっていない道を突き進むことになるのだ。その様子は、さながら森の中で迷子になり、同じところをグルグル周る迷い人のようである。

誰しもが、大なり小なりのゴールを目指しているように思う。そのゴールは、あなた自身がより良くなる未来であるはずだ。そういった側面から、ゴールへの到達は幸福感にも直結する。

人は、今よりも良くあるためにゴールに到達すべきだ。戦略的思考力を身に付けることは、ゴールに到達する可能性を向上させてくれる。そして、一度身に付けてさえしまえば、次のゴール達成のためにも役立てることができる。

時間の経過によって色褪せることのない、まごうことなき最強スキルであろう。


この記事には、全人類が絶対にマスターしておくべき『戦略的思考力』に関する重要項目がまとめられている。この記事を読み終えるころには『戦略的思考力』にまつわる知識や考え方を理解できるはずだ。そして、ゴールにたどり着くことができるようになるだろう。

この記事を読んでくれた心優しい方の、自身のゴールへの到達に役立ててもらえればそれ以上嬉しいことはない。

ゴールとは『最終的な到達点』である。目的が『行動の理由』という意味の言葉であることから、『ゴール=目的地』として話を進めたい。





ゴールがない『迷子』


「ハワイに行きたい」

「ディスニーに行きたい」


旅行に行くとき、このように考えて目的地を決めることが多いと思う。目的地が決まらなければ、旅行に行くためにどこに進めばいいか、何をすればいいか決めることができないからだ。目的地が決まることで、やっとどの道を通るか、どうやって行くか、現地で何をするかを決めることができるようになるのだ。

ゴールのない状態は、目的地が決まっていない旅行と同じである。

そのため、目的地が決まっていない状態で何をすべきか、正しいのかを考えるのは間違っている。

それはつまり、どこに行くのか分からない状態で、移動手段をタクシーに決めるようなものだからだ。多くの人がそのように振る舞い、目的地までたどり着けず、迷子になっているように思える。


実は、迷路の解き方のコツの一つに『ゴールからスタートまで戻る』というものがある。人生迷子になっているのであれば、ゴールを決めてそこから今いる場所まで逆算すれば良いはずだ。たったそれだけで、迷子ではなくなる。人生迷子にならないために、ゴールは必要なのだ。

だが、目的地を決めないでふらふらと気が向くままいろんなところを巡り歩くのも悪くはない。人生が、別に急ぐ旅ではないからだ。

迷子のまま居るのもいい。ふらふらと彷徨っていれば、そのうち目指してみたい、気になるゴールが見つかるはずだ。

目的地を定めるのは、ゴールを決めるのはその後でいい。ただし、ゴールを決める前にやっておくべきことがある。それが、『自己分析』と『環境分析』だ。


かの孫氏も、『人(己や敵)を知ること』と『戦う場所を選ぶこと』がとても重要だと言っている。

己を知ることで強みを生かすことができ、価値観の確立によりそれが良い判断基準になる。そして、身の回りの環境を知ることで、有利な場所を選ぶことができるようになるのだ。

そのため、自身のゴールを決めるためには、己と身の回りの環境を知ることが第一歩だと考える。マインドマップや後述するロジックツリーなどを用いて効率的に理解を深めたい。


「今のあなたが目指すゴールはどこにあるだろうか」


自問自答し、後から確認できるよう言語化しておくことをおすすめする。



問題=『ギャップ』


現在と理想の差、すなわち現在地とゴール(目的地)の差(ギャップ)が『問題』である。先ほどの旅行の例に合わせると、問題は『現在地からゴールまでの距離』と例えることできる。

問題は、ゴールが設定されていない状態では生まれない。「年収1000万円」というゴールがあるから「稼ぎが少ない」ことが問題になるのだ。だが、このようなお金に関するゴールがなければ「稼ぎが少ない」ことは問題とはならない。


「○○が問題だ!」


と、声高々に叫んだところで、ゴールが定まっていなければそれは勘違いであり、妄言だと言えよう。

問題について知っておきたいことは一つだけだ。それは、解決するとインパクトの大きな、本当に重要な問題はほんの少ししかないということ。

これは、パレートの法則によるものだ。パレートの法則とは『全体の数値の大部分(8割)は、全体を構成するうちの一部の要素(2割)が生み出している』という経験則である。

そのため、ゴールにたどり着くためには、問題の真因を明らかにする必要がある。そして、一手打てば十進めるような、そんな問題から手を付けるべきだろう。数多くある問題から、本当に重要な問題を選ぶ必要があるのだ。

真因を知るためには、ロジックツリーがおすすめだ。ロジックツリーとは『ある要素をツリー状に分解して論理的に考えていく問題解決フレームワーク』である。

ゴールは『痩せる』こと


このロジックツリーには様々な活用方法があるが、問題の真因を探るためには、「なぜ?」を深掘りし、問題を具体化していくことになる。問題の一覧を整理し、構造化することができれば、真因の特定は容易なものとなるだろう。(ロジックツリーとは別に、論理的思考力の基本である『5W/2H』で考えてみるのもいいだろう。)

また、ロジックツリーにあわせて、情報収集にも力を入れたい。過去に同じような問題に直面した優秀な人が、解決したことのある問題であることが多いからだ。その答えを参考にするべきだ。

賢人は真似ぶものである。



戦略の基本は『論理』と『選択』


ゴールにたどり着くためには、特定した重要な問題を、ギャップを埋める必要がある。そのギャップの埋める方法を『戦略』と呼ぶ。旅行の例に合わせると、戦略は『ゴールまでの道のり選択』とも表現できる。だが、この記事では、戦略を『時間や人的資本などの資源(リソース)の配分先の選択』と定義したい。

そんな戦略に必要とされるものが『論理』と『選択』だ。論理が破綻していればゴールまでの道のりが途切れてしまうし、選択が間違っていれば大きく迂回することになるためだ。

この『論理』と『選択』は、ストーリー構成を意識するととてもわかりやすくなる。とり得る行動を構成要素として、その構成要素を選択し、因果論理でつなげていく。

すると、このようになる。

出典:ストーリーとしての競争戦略


この手法は『ストーリーとしての競争戦略』という本でおすすめされている。とても面白い本であるため、気になる方は一読してみてほしい。


ちなみに、因果論理(=因果関係)と相関関係は意味が異なる。因果論理は一方通行、相関関係は対面通行だ。以下のように理解しておいてほしい。

相関関係(上)と因果関係(下)の違い


なお、この図には核となる構成要素『クリティカルコア』と、戦略に一貫性をもたらす『コンセプト』があると良いとされている。特にコンセプトが重要で、スターバックスの『第三の場所』やサウスウエスト航空の『空飛ぶバス』、tennenの『土に還る服』といったものだ。

コンセプトとは、モノづくりにおける『一本の芯』である。

これが一貫性を生み、さらには信頼を生みだす。一貫したものは、慣性の法則のようにこれからも同じように一貫し続けるだろうと、『信じる』ことにつながるからだ。そして、信頼は説得力を生み、その説得力がより強力な戦略の土台となるだろう。そのため、戦略を立てる際はコンセプトを意識しながら各構成要素を組み立てていきたい。

コンセプトを考えるときのコツは「抽象的な表現」と「具体的なモノ」を掛け合わせることだ。前述した例はすべてこのつくりになっている。

さて、冒頭で示した以下の例を覚えているだろうか。


「山を登りたいのに海に行く」

「お金を稼ぎたいのに飲み会でお金を使う」


実は、これらの例はゴールや戦略によっては正しくもなり得る。


「海外の山に登りたいので海に行く必要がある」

「新規事業に関係する飲み会でお金を使う」


木は森の中にあるのであり、魚は川の中にいるのだ。全体という大きな流れをみたときに、最終的にその方向に向いていれば小さな流れの向きは関係なくなる。もっといえば、小さな流れをつなげたときに、最終的に強くて大きな流れになればそれでいいということだ。

戦略には高い視点が必要になる。



通過すべき『チェックポイント』


戦略には『戦術』がつきものだ。戦術とは『戦略を成功させるために実行する具体的な手段』である。

目的地をゴール、戦略を道のりとするならば、戦術は手荷物や乗り物であると言える。戦略をもとに、より具体的な手段を詰め、何が必要か、どうすれば良いのかを理解していく。

ゴールにたどり着くためには、戦術の決定にあわせ、目標を設定することも重要だ。目標とは『目的達成までに通過すべき測定可能なマイルストーン(通過地点)』である。マラソンにおける『チェックポイント』だ。


「困難は分割せよ」 ―――フランスの哲学者 ルネ・デカルト


目指しているゴールにたどり着くには、数えきれないほどの労力が必要となる。十分に大変であり、『困難』であると言えよう。その困難を分割してくれるのが『目標』なのだ。

さらに、目標にはやるべきことの明確化やモチベーションの維持、達成時には達成感を得られるといったメリットもある。その目標を設定しない理由はないだろう。

なお、目標には『SUCCESSの法則』が有用だ。目標設定の際には以下を意識して目標を立てていきたい。

  • Subjective(主観的):自分が主体的となる設定をする

  • Urgent(緊急性):すぐに行動を起こすことができる

  • Committed(コミット):コミットメントできる

  • Concrete(具体性):具体的な目標設定である(数値を使うなど)

  • Evaluate(評価):目標に対する進捗状況を確認できる

  • Shared(シェア):周囲に公表している

  • Support(サポート):他者からの支援や協力が得られる



冒険者による『実験』


戦略は立てて終わりではない。立てた戦略のとおり行動する必要がある。そして、その行動結果を分析し、戦略や目標を含めた改善につなげていく必要があるのだ。

その様子は、まるで実験により自身の仮説を検証する研究者のようである。

机の上で唸って作った戦略は、机上の空論となる可能性を孕んでいる。そのため、実際に行動して修正することには何ら問題はない。特に、戦略の修正は早ければ早いほど良いとされる。戦略が間違っているということが、ゴールまでの道のりが間違っていることに等しいからだ。

リスクを最小限にするため、素早く小さく回数多く行動し、仮説検証を進めていきたい。そして、試行錯誤しながら、改善に努めていくのだ。

戦略に沿って行動していれば、確実にゴールのある方向に向かうことになる。が、多かれ少なかれ誘惑は多い。


「目的のためだけに行動できているだろうか?」

「これからとる自分の行動は目的に沿っているだろうか?」


常に自問自答して、ゴールまで一直線に進むべきだ。ゴールに向かっているかどうか、道を間違えないように。



まとめ


これまで解説してきた内容を端的にまとめると以下のとおりとなる。

  1. 今の己を知り未来のゴールを決める

  2. 問題の真因を特定して解決策を調査する

  3. 因果論理で繋がれた戦略ストーリーマップを作成する

  4. 具体的な手段と目標を考える

  5. 仮説検証と改善を繰り返す


この流れを、息を吐くようにできるようになれば『戦略的思考力』をマスターしたと言っても過言ではないだろう。無意識化で理解できるようになるまで、何度でも読み返してもらえると嬉しい。


私は、ゴールへ向かって進む、すべての人が『冒険者』であると考える。まだ見ぬ未知の世界を、自らの脚で冒険していると考えているからだ。

人は未知のものに恐怖する。何が起こるか予想できないからだ。

ゴールにたどり着くまでにはきっと多くの未知と遭遇するだろう。未知の風景、未知の場所、未知の状況などを、幾度となく目にすることになる。


「知らないことは怖いか?」


今までにあなたが経験した中で、最高の旅行と言える旅行を一つ思い出してほしい。きっと道中も楽しかったはずだ。

未知は恐怖を生むが、好奇心はしっかりと煽ってくる。


「恐怖よりも好奇心が勝つ」


そんな戦略を考え、行動し、いずれゴールまでたどり着くように努力を重ねていく。選んだ道が正解となるように、だ。

そうすれば、必ずゴールにたどり着くことができるだろう。



参考文献


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