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【OAK】ウッド&ストリップリング獲得

ご無沙汰しております。もーです。スプリングトレーニング開始を目前に控え、チーム整備も仕上げの段階に入ってきました。

なかなか大きな補強には動けないアスレチックスですが、2月に入って2人のベテラン投手を獲得することに成功したようです。

アレックス・ウッドと1年契約

ジャイアンツからFAとなっていた先発左腕アレックス・ウッドと1年契約を結びました。ベースサラリーは8.5Mで、出来高が1M付きます。

ブレーブス、ドジャースで変則のスターターとして活躍したウッドは、2021年からジャイアンツで3シーズンプレー。最初の2シーズンでは、「130イニング」&「イニング以上の奪三振」&「計3.7fWAR」と期待通りの活躍を見せていました。

しかし、2023シーズンは先発機会を大きく減らし、成績は低迷。与四球が増えた一方で、奪三振は減っており、明らかに内容が悪化しました。

一方で、バレル率・ハードヒット率といった被打球系の指標は依然として優秀な水準にあります。球威に頼って抑えるタイプではないため、被打球系の指標が健在なのは期待できる要素です。

気がかりなのは、2022年にはキャリアベストを記録した四球率が、1年でキャリアワーストの9.8%にまで落ち込んでしまったことです。

四球率の悪化は単に制球が悪化したためではなく、キャリアワーストのChase%(ボール球スイング率)を記録してしまったことに原因があるでしょう。

シンカー、チェンジアップ、スライダーとどの球種もChase%は悪化していますが、中でもチェンジアップは最も下落して8ポイントも悪くしています。しかも、そのチェンジアップを前年より10ポイント投球割合を増やしているのは、結果的にはハマらないモデルチェンジになってしまいました。

チェンジアップの改良ないし、レパートリーの見直しに手を付けて成績改善するパターンがあり得るかもしれません。

また、アスレチックスで先発機会を保証され、先発のルーティンで投げられることも、成績改善に繋がるかもしれません。

前々回のnoteで、アスレチックスのお隣さんで、先発投手がフレキシブルに起用されていた元ジャイアンツの投手は狙い目かと取り上げました。移転問題や環境の悪さから、FA市場では不利なアスレチックスでしたが、地の利を活かせた形になったでしょう。

狙い目に思えるのが、ジェイコブ・ジュニス、アレックス・ウッド、ショーン・マナエアの元SF3人衆。
ポイントは先発ローテ枠の保証と、ベイエリアでやっていたからオークランド行きのハードルが低いというところです。


ロス・ストリップリングをトレードで獲得

トレードとしては不公平に思えます。

OAK獲得
ロス・ストリップリング
3.25M

SF獲得
ジョナ・コックス

2年25Mの契約でジャイアンツに昨年加入したストリップリングは、昨年は22登板でERA5.36・fWAR-0. 3と不振に陥りました。オプトアウトの権利を持っていた今オフはダウンイヤー後とあって当然オプトインし、ジャイアンツは12.5Mのサラリーを負っていました。

ベテランの先発投手を欲していたアスレチックスが不良債権の処理に付き合った形ですが、年俸負担はわずか3.25Mに留まり、一部媒体では球団Top30にも名を連ねるコックスも放出しました。

9M以上のサラリースペースを捻出できた上、ストリップリングの処理のために3.25M以上のものを失わなかったジャイアンツにとってのメリットが大きいように感じます。

来年以降、オークランドを離れてマイナーの球場でプレーする可能性も高く、FA市場での補強はさらに困難になるでしょう。そうすると、プロスペクトを差し出してのトレードや、不良債権のトレードで地道にデプスを整備するしかありません。育成によってトレードアセットが生えてこなければ、いずれ大変になるだろうということを予感させるようなトレードになりました。

ストリップリングは、不振の昨年も上位2%に入る優秀な四球率を記録した制球力が持ち味。ゾーンにアタックすることを求められるアスレチックスの若手先発投手たちにとっては、良いお手本となることでしょう。また、リリーフ経験も豊富なため、若手の芽が出ればブルペンに回すこともできるはずです。デプスとしてきっと重宝するのではないでしょうか。

対価となったジョナ・コックスは2023ドラフト6巡目のアンダースロット。ドラフトイヤーにはオーラルロバーツ大で歴代3位の47試合連続安打・全米トップの117安打を記録したヒットメーカーです。ダブルプラスのスピードを活かした守備・走塁は確かなもので、第4の外野手として昇格にこぎ着ける可能性は高いのではないでしょうか。一方で、ヒットメーカータイプにしては空振りが多めな点はネック。さらに2巡目指名のライアン・レスコとスタイルがモロ被りしており、優先度が高いプロスペクトではありませんでした。


ジョナ・ブライドをDFA

一連の枠空けで内野のユーティリティ選手ジョナ・ブライドをDFAしました。

ブライドが争うと見られていた3Bのポジションは極度の人材難で、このトランザクションは正直驚きです。現在、プラトーンとして入りそうなあれどミス・ディアス以外では、ジョーダン・ディアスとエイブラハム・トロが3Bの候補になります。ただ、その2人のマイナー成績はブライドには遠く及ばず、守備力でもブライドが上回るはずです。

個人的にも推していた選手でしたし、不可解に映るトランザクションでいなくなってしまうのは寂しいです。昨年のクリスチャン・パチェがDFA後に開花したのの二の舞いになる可能性が高いと思います。


デプスをチェック

ウッドとストリップリングの獲得によって、先発ローテの前4枚が決まりました。

ポール・ブラックバーン
JP シアーズ
アレックス・ウッド
ロス・ストリップリング

ルイス・メディーナ*
ジョー・ボイル
オスバルド・ビード
カイル・マラー*
ミッチ・スペンス*
エイドリアン・マルティネス
ホーガン・ハリス
フレディー・ターノック
ジョーイ・エステス

印付きはオプション不可

ブラックバーン、シアーズ、ウッド、ストリップリングは故障がない限り開幕ローテーションは確実。問題は先発5番手です。ここに列挙しただけで9人と、数だけはいっちょ前に揃っています。

ただ、実際に一歩リードしている位置にいるのはこの中で4人。

まず最有力候補が昨年も100イニング以上投げたメディーナ。メディーナはこの中で経験・ポテンシャルも十分な上、オプションがありません。

そして昨年終盤のデビューで高いポテンシャルを発揮したジョー・ボイルがそれを追う2番手か。ボイルはオプションが3つ残っていますが、昨年のパフォーマンスを見る限りではマイナースタートは惜しい逸材です。

さらに、ルール5ドラフトで加入したミッチ・スペンスも、開幕ロスター入りか返却かという立場のため、一歩リードしているでしょう。フォーストはローテ落ちしてもリリーフとして残留する可能性にも言及しています。

正真正銘、背水の陣を迎えるのがオプション切れのカイル・マラーです。昨年はAAA・MLBともに防御率7点台と最悪の出来で、本来ならストリップリングのためにDFAされていてもおかしくなかったはず。生き残ったということはまだ球団から期待されている証ですから、STでは良いパフォーマンスをしてほしいところです。


とはいえ、40人枠にこれだけのデプススターター(これに加えて故障中のウォルディチャックや有望株バッソらも)を抱えているのは、ロスター編成上歪に過ぎます。まだトレードバリューのあるターノックなどをトレードに出して、野手の有望株の確保に動くのは理に適っています。残り保有2年のブラックバーンの売りに動くのもありだと思います。


2名のベテランを加え、先発ローテはなんとかイニングを消化できそうな形になってきたと思います。昨年のルチンスキと藤浪と比べると、相当頼もしい2人でしょう。

残りはトレバー・ゴットしか補強していないブルペンと、ほぼ補強がない野手陣(特に控え捕手)でしょうか。ST前の動きに注目しておきたいです。

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