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【OAK】ルール5イリジブルのプロスペクトたち


この物々しい画像は、昨年ルール5ドラフトが中止になった際に、「中止なんてありえない!」という同志たちと参加したデモの様。

今年は労使交渉もないので、ルール5ドラフトが1年ぶりに帰ってくる予定です!!!

どんな選手を指名できるのかという以上に、多くのファンにとってはルール5ドラフトというのは、どの自前のプロスペクトが40人枠にプロテクトされるのかに考えを巡らす良い機会。シーズンオフのテンションが上がるイベントのひとつです。

簡単に仕組みを説明すると、ルール5ドラフトでの被指名資格を得た選手は、12月上旬に迫る40人枠確定デッドラインまでに40人枠にセレクトされることで、ルール5ドラフトの指名対象から外れる(=プロテクトされる)ことになります。

昨年のA'sはニック・アレンやジョナ・ブライドらをプロテクト。
対して、不動のQBに定着したカイラー・マレーはまさかのプロテクト漏れとなりましたが、ルール5ドラフトの中止でなんとか残留を果たしました(良かった~~)。

昨年と比べると、今年はプロテクトするか否かで悩むような選手の数が多くありません。ですから、他球団のルール5前のロスター整理に上手くつけ込んで選手を獲得してくる作業の方がむしろ本丸だと思っています。
去年フィリーズがヤンキースからドニー・サンズとニック・ネルソンを獲得した時のようなムーブができればいいですね。


*備考
今年から新たにルール5ドラフトでの被指名資格を得るのは「2018ドラフトで指名された高校生」と「2019ドラフトで指名された大学生」ということになります。


プロテクト確定

ホーガン・ハリス(Hogan Harris) LHSP/AAA

昨年からルール5イリジブルでしたが、プロテクト漏れ。プロ入り後の実質3シーズンで54.2イニングしか消化していない圧倒的な耐久性の低さがプロテクト漏れの原因でしたが、今年は自己ベストの73.2イニングを消化。
すると、傘下No.1のK% : 33%を記録するなど、一気に評価を高める1年になりました。

先発左腕ながら最速98mphを叩き出せるエンジンは魅力満点で、クラシカルなカーブとチェンジアップはいずれも空振りを奪える球種です。既にAAAに到達しており、またスペック的にもルール5ドラフトで指名されるリスクは高く、プロテクトしない理由がない選手です。


プロテクト確率高

ローレンス・バトラー(Lawrence Butler) OF/A+

開幕当初は寒い気候に慣れずに低空飛行でしたが、尻上がりに調子を上げ、81試合の出場でwRC+129を記録。その後は怪我で長期離脱しましたが、シーズン後のAFLでは大活躍を見せています。

20-20を達成できる爆発的なポテンシャルを秘める反面、三振の多さが懸念点でしたが、AFLではアプローチを改善させています。ポテンシャル通りのスペシャルな選手になれる兆しが見えてきたと思います。

A+までの経験しかありませんが、昨年もA+までしか経験のないジョーダン・ディアスをセレクト。ディアスはマイナーの階段を順調に駆け上り、今年デビューを飾りました。ディアスよりポテンシャルは上のバトラーをセレクトしないことは無いと思います。


プロテクト確率あり

マックス・シューマン(Max Schuemann) UT/AAA

センターラインを中心に7ポジション守れるスーパーUTであり、昨年は52盗塁を決めた韋駄天。昨年のプチブレイクに引き続き、今季はさらに打力がアップ。BB%は13.7%、さらに自己ベストのwRC+128を記録しました。

結局昇格したAAAでは全く通用しなかったですが、俊足のUTとあってロスターに置くには困らない選手です。昨年もAAA未経験のジョナ・ブライドをプロテクトしているため、シューマンにもプロテクトされるだけの資格は十分にあるのではないでしょうか。


カイル・マッキャン(Kyle McCann) C/AAA

強打の捕手としてドラフト時から期待されていましたが、プロでは停滞。今年はついに打撃開眼し21HRをマークし、尻下がりに調子を落としたがwRC+102でフィニッシュしました。守備は常に課題とされてきましたが、今季は首脳陣も目を見張る進歩を遂げ、捕手としてデビューできる可能性が出てきました。

もしショーン・マーフィーをトレードしてしまえば、40人枠に捕手はシェイ・ランガリアーズのみ。控え捕手の補強は急務ですが、さらに第三・四捕手のオプションとしてマッキャンをセレクトする可能性は十二分にあります。AAAは打者天国のラスベガスということを考えれば、守備が十分なレベルに達していれば、ランガリアーズに次ぐ控え捕手として開幕する可能性も無きにしもあらずでしょう。



プロテクト確率低

コリン・ペルース(Colin Peluse) RHSP/AAA

昨年は101イニングでERA3.39と活躍して一躍プロスペクトの仲間入りを果たしたペルースでしたが、2022年はAAで足踏み。
変化球が未熟なせいで三振を奪えないのが足かせとなっています。

今年は怪我せずにフル稼働しましたが、AFLに派遣されています。AFLでは改善されたチェンジアップのおかげか好投が続いており、球団の裁量次第でプロテクトも有り得そうです。他球団からしてみれば1シーズンMLBのロスターに置き続けられるクオリティではないと思いますが、来シーズン途中での有力な昇格候補でしょう。


クリスチャン・フェルナンデス(Christian Fernandez) RHSP/A+

クリスチャン・ベサンコートの対価の一人。既に23歳でルール5イリジブルですが、遅咲きのため未だにA+で投げただけ。
しかし、全体的にそつなくまとまっており、チェンジアップのクオリティは組織でも1,2を争うほどと、見どころはある投手です。大柄で出力も良いですしね。


ユーリビエル・アネレス(Euribiel Angeles) 2B/A+

ショーン・マナエアの対価の一人。前半戦の不振故にスタッツの見栄えはよくありませんが、7月からは打率.333、wRC+131と大爆発。評価されていた高い打撃センスを発揮しました。

昨年のジョーダン・ディアスのような前例もありますから、プロテクトの可能性は捨て切れないところ。


JJ シュワルツ(JJ Schwarz) C/AAA

カイル・マッキャンと似たプロフィールで似たキャリア。強いて言えばマッキャンより年齢が高く、ポテンシャルは低めと、プロスペクトとしてのバリューはマッキャンには劣っています。もし捕手をセレクトするなら、マッキャンかシュワルツのどちらかでしょうが、1人選ぶとなればマッキャンになると思います。


ジュニア・ペレス(Junior Perez) OF/A

かつてのホルヘ・マテオのトレードの対価。加入後は停滞続きでしたが、今季後半戦から打撃開眼。7月からは出塁率4割超とアキレス腱だったアプローチの改善がwRC+131の大爆発に繋がりました。もともと身体能力に秀でた選手でしたから、打力さえ伴ってくればポテンシャルは青天井。

まだAでのプレイ経験しかないのはマイナスなポイント。マイナーカテゴリーのルール5ドラフトで指名されないようにしてほしいものです。


ローガン・デビッドソン(Logan Davidson) SS/AA

2019ドラ1がついにルール5イリジブルに。昨年に比べれば数字は良くなりましたが、跳ね切るところまでは行きませんでした。ブレット・ハリスやザック・ゲロフなどの球団内のIFプロスペクトは増えてきており、来年以降頑張らばければ立場はありません。

ケビン・スミスもTOR時代にはAAでコケてから、AAAで活躍してバリューを取り戻していますし、まだまだ諦めるには早いところ。パワーポテンシャルと選球眼、肩は本物ですから、来年の覚醒に期待しましょう。


ラザロ・アルメンテロス(Lazaro Armenteros) OF/A+

ミスター・三振。
「三振さえ減らせば」と何年間も言われていましたが、今年は逆にK%がキャリアワーストの43.4%と悪化した代わりに、BB%とwRC+は自己ベストと独自の進化を遂げました。

逆にこれはこれで有りな気がするので、来年以降も頑張ってほしいところです。K%が40%を超えるメジャーリーガー、見たくないですか?
なお、プロテクトの可能性はありません。


チェイス・カラブイグ(Chase Calabuig) OF/AA

オールドプロスペクトながら、抜群のアプローチで成績は優秀。左利きのためポジションに制約はあるが、後半戦からは1Bでの先発も増やしてきました。プロテクトはなくとも、注目してほしい選手の一人です。

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