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【OAK】藤浪が加入するアスレチックスってどんなチーム?

先日、藤浪晋太郎のA's加入が決まりました。細かく分析だったり、考察だったりをするのは契約の詳細が明らかになってからしかできないので、先送りに。

せっかく日本人選手が加入するのですから、今のところ得体の知れない貧乏で弱いチームで通っているアスレチックスを紹介してみようと思います。


「マネー・ボール」イズムは健在。お金がなくても頑張っている

オークランド・アスレチックスの代名詞といえば、やはり「マネー・ボール」でしょう。

かのベストセラーからは既に20年の歳月が経ちましたが、未だに「マネー・ボール」イズムは健在。
「マネー・ボール」内では敏腕GMだったビリー・ビーンは今では第一線を退きシニアアドバイザーとなっていますが、アシスタントGMだったデビッド・フォーストがGMを引き継ぐなど、当時から在籍するメンバーが今もチームを動かしています。

そして、マネー・ボールの真骨頂である「低予算で勝つ」というコンセプトもそのまま。
過去11年間ではMLB10位の866勝をマークし、6回のプレーオフ進出を果たしました。その間も年俸総額は低く、年俸総額ランキングでは25位以降が指定席となっています。

しかし、低予算チームの宿命で、中心選手の年俸が高くなってしまえばとてもチームに引き留めることはできません

そのため、低予算で強いチームを作り何年かプレーオフに出ると、チームをいったん解体。そして、中心選手たちをトレードして若手選手・有望株を獲得し、再び安く戦えるチームを作っていきます。

この「勝負→解体→育成」のサイクルが今のアスレチックスの根幹にあります。

今はそのサイクルでいうところの「解体→育成」のプロセスにあたります。

昨年のオフシーズンからマット・オルソンやマット・チャップマンらの主力選手を立て続けにトレードし、多くの若手選手を獲得しました。
当然チーム力は落ち、ダントツの地区最下位に沈みましたが、同時に楽しみな若手も続々と芽を出しています。


藤浪を支える将来のゴールドグラバーたち

画像出典:FOX44

その若手の筆頭格ともいえるのが遊撃手のニック・アレンと捕手シェイ・ランガリアーズの2人です。

正ショートとして開幕を迎えることが当確となっているアレンは、東京五輪でもプレーしていたのでお馴染みかもしれません。
アレンは昨年メジャーデビューを飾ると、限られた出場機会ながらDRS+10、OAA+9と傑出した守備力を披露。

肩の強さ・脚力ともに飛び抜けているわけではありませんが、反応の良さや優れた野球IQにも助けられ、普通は追いつけないような打球も捕ってしまいます。

そして、今季から正捕手を務めるシェイ・ランガリアーズも堅守に定評があります。アスレチックスは先月、ゴールドグラバーのショーン・マーフィーをトレードしましたが、ランガリアーズもマーフィーに勝るとも劣らない捕手になれると言われています。

昇格前は「マイナー最高」とも言われた強肩はもちろんのこと、大柄な体格の割に敏捷性に優れるためブロッキングも巧み、さらに投手とのコミュニケーション力も高く評価されています。
スプリットを武器とする藤浪との相性も良いのではないでしょうか。


守備力自慢はこの2人にとどまりません。

2018年のベストプレーでお馴染みの爆肩ラモン・ローレアーノがライトを守ります。

スプリングトレーニングでセンターのレギュラーを争うクリスチャン・パチェも、アレンと同じく守備の名手として期待される有望株。
さらにFAで新加入のベテランであるジェイス・ピーターソンとアレドミス・ディアスも高い守備力を誇ります。

藤浪を支えるバックはかなり堅いです🔥


藤浪のライバルは意外と多い

各種報道にもある通り、アスレチックスは先発ローテが不透明な状態です。だからこそ藤浪が移籍先として選んだという面もあるでしょうし、アスレチックスも先発の機会を与えられるということを売りに藤浪にアピールしたのでしょう。

契約の詳細が出てみなければ藤浪の立ち位置はまだ分かりません。が、先発ローテはほぼ確約となることが大方の予想です。
しかし、ローテが確約となった場合でも、ローテ争いからスタートした場合でも、藤浪はあまりうかうかしてはいられないと思います。
確かに成熟した投手は少ないですが、駒数自体はメジャー有数に揃っており、その中には多数の有望株も含まれます。

まず、先発ローテでスポットが確約されていそうなのは、コール・アービンとポール・ブラックバーンの2名のみと見ています。
さらに韓国からFAで加入したドリュー・ルチンスキもローテに入ることでしょう。


  1. コール・アービン←昨年規定クリア。エース格

  2. ポール・ブラックバーン←昨年オールスター選出。健康であればローテには入りそう。

  3. ドリュー・ルチンスキ←KBOから1年3Mで加入。藤浪とステータスは同じ。

  4. 藤浪晋太郎(???)

  5. ???


藤浪とローテの2枠を争うかもしれない、またはシーズン中に藤浪からスポットを奪うかもしれないライバルをまとめてみます。

ジェームズ・キャプレリアン
→過去2年間で47先発と実績あり。オプションがないため マイナーに落とせない春先は優先される可能性あり。

ケン・ウォルディチャック
→Top100プロスペクトにも名を連ねたエース候補。昨年デビューを飾り、ポテンシャルの高さをアピール。

カイル・マラ―
→マーフィーのトレードで加入。上に同じくTop100にも名を連ねた大型左腕。昨年はAAAで奪三振王に輝き、もうマイナーにやり残したことはないか。

AJ パク
→昨年はセットアップで活躍。元ドラフト全体6位の大器が先発として最後のチャレンジか。

JP シアーズ
→ウォルディチャックと同じくモンタスとのトレードで加入。昨年ERA3.86とまずまずのデビューを飾った技巧派左腕。

エイドリアン・マルティネス
→昨年はホロ苦デビューも落差のあるチェンジアップを武器に好投もあった。タイプ的にも藤浪とやや似ており、マルティネスの台頭があると藤浪は厳しくなる可能性も。

アダム・オラー
→昨年の開幕ローテの一員。成績は見た目も中身も良くないが、こういうタイプを案外化かしている球団なのでワンチャンはあり得る。

有力なライバルをまとめてみましたが、やはりウォルディチャックとマラ―というトッププロスペクトに注目です。
球団内での優先度も当然高いでしょうから、藤浪は開幕ローテには入ったとしても結果を出さなければ、いずれはこの2人をローテに入れるためにブルペン降格を余儀なくされるかもしれません。


久々の日本人選手にワクワク

こと日本人選手が少なかったアスレチックスですが、日本人選手がプレーするとなればかなり久しぶりのことになります。(マイナーでは現在A+の冨岡聖平、過去には中島裕之など)

2012年からの私のファン歴でも、アスレチックスに日本人選手がいるというのはほとんど初めての体験なので、とても楽しみです。契約規模からしても長く在籍することはなさそうですが、在籍中にメジャーリーガーとしての地位をなんとか確立してほしいな~と思います。

個人的には藤浪は未だに高校時代のイメージが強いです。家族の地元が八戸だったおかげで、高校野球では光星学院(当時)をずっと応援していましたが、光星学院が何度決勝に上がっても立ちはだかるのは大阪桐蔭と藤浪の圧倒的なピッチングでした
この頃とプロ入り当初を見ていた人は誰もが「ライバルと言われている大谷翔平より投手としては上」「いつかはメジャーで大活躍」との夢を藤浪に抱いていたと思います。

時は流れ、藤浪は当時の期待通り、メジャーリーグにたどり着くことになりました。かつて期待されていたように鳴り物入りでの渡米ではないかもしれません。しかし、かつてのライバル・大谷翔平と同じ舞台に立つことになります。

もし、藤浪が大活躍することになったら、これほど素晴らしいストーリーはないと思います。
今から藤浪のパフォーマンスが楽しみでなりません。



追記:
契約の詳細が出ました。真面目な分析だったり、考察だったりの記事は後日出しておきます。



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