【70年代洋楽】Stevie Wonder”Talking Book”51周年

“Talking Book” Stevie Wonder
1. You Are The Sunshine Of My Life
2. Maybe Your Baby
3. You And I (We Can Conquer the World)
4. Tuesday Heartbreak
5. You've Got It Bad Girl
6. Superstition
7. Big Brother
8. Blame It On The Sun
9. Lookin' For Another Pure Love
10. I Believe (When I Fall In Love It Will Be Forever)

去年10月で発売から半世紀。
スティービー・ワンダーの名盤というと、Songs in the key of life(Sir DukeやAnother Star収録)が挙げられがちだが。

個人的にはこちらが好き。

やはりBBA(ベック、ボガート&アピス)、スティービーレイヴォーン等幾多カバーされた「迷信(Superstition)」の印象が強いか。鍵盤楽器のなかで最もギターに近い発音構造を持つ楽器クラヴィネット(クラリネットではない!)を中心としたファンキーな音楽。が、このアルバムの中に他に類似した曲はない。クラヴィネットは度々顔を出すものの、むしろ一般的にはファンキーさを出すために使われることが多いのに対して、Maybe Your Baby でのスロウな曲調の中でのワウをかけた粘りのあるサウンドやBig Britherでのアルペジオ的なフレーズ等、多様なサウンドを聴かせるベクトルなのが興味深い。

迷信のイメージから入るとアルバム全体の毛色の違いに戸惑うこと必至。オープニング曲はエレクトリックピアノ(フェンダーローズだと思う)のふんわりとした音が響くゆったりとしたYou are the sunshine of my life、ラストのI Believe (When I Fall in Love It Will Be Forever)もエンドロールのような壮大なバラードで、アルバムを通して聴くと最終的にはゆったりメロディックな印象の方が強く残る。
アルバムのカバーアートが、山道みたいな砂利の上に座り込んでるスティービーなのが、ちょっと思想か何か感じさせる、なんとなく本作のイージーリスニング風味を隠している感もあり。

捨て曲ないが、数曲かいつまんでく。

You And I (We Can Conquer the World)は近年ジェイコブ・コリアーのカバーが2017年のグラミー賞Best Arrangement, Instrumental or A Cappella受賞とのことで、もちろん原曲も良い。

ちょっとラウンジっぽいYou've Got It Bad Girlは、マイナーコードをスケールおかないなしにガンガン繋げてく珍しい進行も凄い。

なんとドナルド・バードのカバーもあり。

Tuesday Heartbreakは小沢健二のソロデビュー曲「天気読み」(公式が動画も音源もアップしていないのが残念)のサビ頭で大胆に引用されているけど、個人的にはむしろ「天気読み」を聴いたことで元ネタのメロディの良さ、抑えたノリのカッコよさに気づけた。

たまたま見つけた青山陽一がギターバンドでやってるバージョンもかっこいい。

改めて、名作。

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