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カラーネガ恐怖症

中学に入学し、写真部に入部したての頃 写真家である父親が、私の写真の指導者でした。父親から譲り受けた「NIKON F」に、自宅に大量にあったカラーネガを装填し写真を撮りまくり、その日のうちに父の後輩であるミニラボで現像プリント(料金は父親のつけ) 自宅に帰り父親にダメ出し。来る日も来る日も、私の写真を見てただ綺麗なだけ、被写体の色に惑わせられるな、光を見なさい、被写体に負けていると・・・。カラーネガの色は焼くときに調整するのでいくらでも綺麗な色は作れる、撮影者の意図を色だけで表現し作る写真は、だれでも撮れる。私は心の中で綺麗な写真のどこが悪い!などと心の中で葛藤の毎日。今でこそ父親の意図は解るが当時は、私にとって大きな壁であった。ネガだから色が作れるのだからと、なけなしのお小遣いでリバーサル(ポジフィルム)を買って撮影に挑んだ。流石に高価なフィルムだけに、被写体、アングルもだが、シビアなラチュードのフィルムだけに、グレーペーパー(18%GLAY)を使い露出にも神経を使った。父親はいった、印刷物にするわけでは無いのでリバーサルは無駄遣いだと・・・。ネガで、毎回同じくらい神経を使って撮影しろと、このころ私はカラーネガ恐怖症に陥っていた思い出である。

デジタル主体の現在、カラー調整がゼラチンをつかわず出来るデジカメ、ネガと同じくらい緊張する私です。

写真データ NIKON FE2+Ai50mm1:1.4(絞りf=8) PL使用 FUJI業務用ネガISO100

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