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左きき

窓の外に目をやる。朝から箱の中で訳のわからない事を喚き散らすオウムをこの広い檻に放したらどうなるだろうか。何羽も何羽も。檻の中に害獣は増えつづける。ハンターは非難され、害獣の保護団体により傷つけられ血を流し、その数は減り続ける。この広い檻の中では獣の血は赤く貴く、ハンターの血は赤くも貴くもないらしい。しかしヤツらの赤は、ワタシにはドス黒く粘度の高いタールのように見えた。

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