わずか数ミリの身体加工
♪左耳 知らなかった穴
のぞいたら
「そうだ!あたしが絶対やらなさそうなことやろう」
唐突にそんなことを思いついたのは、この上なく悔しいことがあったから。
唐突にどうにも納得できない、やりきれないことを告げられた。「好き、好きじゃない」とか「愛してる、愛してない」とかの問題ではなく「自分を肯定してくれる存在の喪失」。
というどこまでも一人よがりで人頼みな自分にそのとき初めてお目にかかった。
信じたかったから、勝手に信じた分、逆に清々しいくらい過不足なくきちんとウソだった。
別に、「見返したい」というほどパワフルにはなれない。だからと言って、「幸せになってね」といえるほど芯も通っていない。
誰かに話せば軽く相槌を打ったのちすぐに次の話題に移ってしまうような、静かで些細な、でもあたしなりの確かな脱皮。
思い立って5ヶ月。
いつのまにか学生という身分ではなくなって。バイトではなく仕事に遅刻しそうになって。
そんな冴えない身分になって。
しまったけれど。
あんなに迷っても実際にやってしまうのは、ほんの一瞬。
わずか数ミリ。
あたしはあたしのために信じたかった。
あたしはあたしのために裏切られた。
それだけ。
耳がじんじんする。
それだけ。
別にそれ もう要らないし
♪左耳/クリープハイプ
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