そらとぶさかな

小説を書くさかな。個人サークル「月刊さかな」で関西中心に文学イベント参加。 執筆、読書…

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小説を書くさかな。個人サークル「月刊さかな」で関西中心に文学イベント参加。 執筆、読書記録、日常で思った事など。

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『月刊さかな』既刊一覧&参加イベント

◆参加中/参加予定イベント https://text-revolutions.com/event/ ※2021年のイベントについて直参予定は今のところありません。購入希望の方はBOOTHでの通販をご利用いただけるとありがたいです。 ◆BOOTH通販やっています https://gekkan-sakana.booth.pm/ 既刊すべてお買い求めいただけます。 発想方法はあんしんBOOTHパック(370円)です。 ◆カクヨムにて作品公開中 https://kakuyomu.

    • 【試し読み】空読みのラスタラート

      【第一章 廃棄処分の夜】  ラスタラートは夜道を走っていた。  星明かりはわずかで手元もろくに見えない。大きな石や木の枝にか細い足を取られては、転びかける事もたびたびだった。時折吹きつける強風も、ラスタラートの小さな体にとっては強敵で、お気に入りの朝焼け色チュニックがあおられるたび、そのまま空へ舞い上がってしまいそうになる。  それでも彼女は走り続けて、一心不乱に目的地を目指していた。  ラスタラートは、闇夜に白く輝いている一帯にたどり着いた。  森の中で、灰色の木

      • 2021年のそうさくのもくひょう

        そらとぶさかなです。 近所の神社におみくじを引きに行ったら、中吉でした。 まあそんなもんかな、大吉がほしかったけど。と思っていたら、 「これやるよ」と父親が自分のおみくじをくれました。 それが大吉でした。 自分の力だけじゃ大吉には到底なれなくて、ひとの思いとか助けとか協力とかを受け取れてこそ大吉に、というか大吉以上になるものなのかな、となんとなく感じました。 というわけで今年は、というか今年とか関係なく常に、周囲の人を大事にしていかないとな…と思った出来事でした。まあさかなは

        • 2020年ふりかえり

          そらとぶさかなです。 早いもので2020年ももう終わり。あっという間でした。 かんたんですが今年の創作活動をまとめてみます。 1月・文フリ京都参加。『白の展示会』初版頒布。 2月・文フリ広島参加。 5月・テキレボEX参加。新刊は無し。 6月・エンタメの公募にひとつ応募して普通におちる 7月~9月 ・小説の技術本をたくさん買って読んでみる。 ・児童文学の公募に応募しようとして間に合わず絶望。 10月~12月 ・児童文学の公募用原稿を一旦完成。 ・テキレボEX2参加。『空読みの

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        『月刊さかな』既刊一覧&参加イベント

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        • 読書記録
          10本
        • 作品紹介
          8本

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          さかなの読書記録【2020.08】

          おれたちの夏はこれからだ! さかなです。 現実逃避をふりはらって暦を見ますと、あら9月。ただお盆休みがあったぶん8月はとても長かったような感じがします。2か月ぶんくらいあった。あと暑かった…。 引き続き、人と会ったり混雑したとこに遊びに行く事は出来るだけ避けていました。ですが何だか麻痺が進んできて、今がどういう状況でどう振舞えばいいのか、よくわからなくなってきてしまっている気もします。 その代わり、朝の人がいない時間帯に、自転車で走り出す事にハマってしまい、気分転換でよく自転

          さかなの読書記録【2020.08】

          さかなの読書記録【2020.07】

          そらとぶさかなです。 今年は梅雨が長かったですね。コロナで遠出できないかわりに、ちょっと近所を探検するのがマイブームですが、それさえもやりにくく、なかなかジメジメとした気分が多い7月でした。そして終盤は一気に暑くなりましたね! 展開早い! さて、七月の読書は、いま書いている(書き直している)作品のための勉強という感じでした。 こんな本を読みました。 ■上橋菜穂子、瀧晴巳「物語ること、生きること」 …インタビューから起こされた、上橋さんの人生をたどる本。 なんというか勝手

          さかなの読書記録【2020.07】

          【楽しさと惰性】試し読み

          ※この記事は、そらとぶさかなのエッセイ本『楽しさと惰性』の試し読みです。書誌情報はこちらをご覧ください。 (『1. 切ない』より)  切ない。  まずはこの一言だ。  例えば、イベントで本が売れない時。隣のブースでは順調に売れているけど、自分のブースには長い事誰も近づいてこず、ぎこちない静寂の中で一人座っているような。 または、イベント前日に一分一秒を争うコピー製本戦を繰り広げている際、ふとスマホに通知が来て見てみると、友人が楽しげな旅行の写真をアップしましたと書かれていた

          【楽しさと惰性】試し読み

          【楽しさと惰性】作品紹介

          『楽しさと惰性』 ( 2018年発行 / B5 / 50p / 300円 ) ★試し読みはこちらです。 初にして現状唯一のエッセイ本。 この本の表紙を作って下さった知人との、 「同人誌即売会になぜ参加するのか?」 「うーん、楽しさと惰性ですね」 というやり取りから始まった、即売会参加についてあれこれ語りまくるエッセイです。 2014年から始めたイベント参加の経験から、具体的なお金や頒布数など販売の話、イベント参加で感じる不安、小説を書くという趣味についても触れています。 主

          【楽しさと惰性】作品紹介

          【薬屋のクレオール】試し読み

          ※この記事は、そらとぶさかなのファンタジー小説『薬屋のクレオール』の試し読みです。本の詳しい情報はこちらをご覧ください。 ■採光師の話  麦色の道はどこまでも草原に伸びていて、ただ青く広がる空の下、山のふもとの街まで続いていた。看板も無く、歩く人もいない一本道である。  山は北の土地に連なっているが、今は単にぼんやりした影のようにしか見えない。草原を照らす空はあんまりにも青すぎるため今にも青が溢れて落ちてきそうだ。  空には、鳥のように飛び交う影がある。それが鳥ではなく、

          【薬屋のクレオール】試し読み

          【薬屋のクレオール】作品紹介

          『薬屋のクレオール』 ( 2015年発行 / A5 / 本文45p / 400円 ) シリーズ三作品をまとめたファンタジー短編集です。 ★試し読みはこちらをどうぞ。 収録作は『少女と愛の話』『採光師の話』『景色売りの話』。 光を集める代わりに自らが影に変貌していく採光師など不思議な人々、薬らしくない奇妙な「薬」、などなどの異世界感。 忘れっぽいマイペース薬屋&好奇心旺盛でやたら喋ってる空集めのバディ感などを、楽しんでもらえるかと思います。 ◆ あらすじ ◆ その薬屋は、綺

          【薬屋のクレオール】作品紹介

          【旅する鉄塔】試し読み

          ※この本は、そらとぶさかなのファンタジー小説『旅する鉄塔』の試し読みです。本の詳しい情報はこちらをご覧ください。 ◆さびしがりな灯台の話 あるところに、灯台がいた。  白くて大きな灯台で、背はそこまで高くないけれど、海のかなたまで照らせるきれいなレンズを持っていた。  そして灯台は、とても、さびしがりやだった。  灯台は海に面した山はだの崖に、たった一人で建っている。 街へ続く一本しかない道は、山を越えていく時間のかかる道なので、ひとが訪れることは滅多にない。  近くにはむ

          【旅する鉄塔】試し読み

          【旅する鉄塔】作品紹介

          『旅する鉄塔』 ( 2018年発行 / 文庫 / 68p / 400円 ) ※「恋する鉄塔」から改題&表紙を新装しました ★試し読みはこちらをどうぞ。 すべての塔好きに贈る、塔たちのものがたり。 様々な『塔』を主人公にした、ファンタジーっぽい読みきり短編3本を収録した短編集です。 さびしい話、にぎやかな話、そしてかなしい話に、じっくりと浸ってみてください。 <収録作> ◆『さびしがりな灯台の話』 …孤独がつきものの灯台なのに、ものすごい寂しがり。  灯台はクモやビニール袋

          【旅する鉄塔】作品紹介

          【白の展示会】試し読み

          ※この記事は、そらとぶさかなの本『白の展示会』の試し読みです。 本の詳しい情報はこちらをご覧ください。 ■表題作 白の展示会  いつもの通学路は薄曇りの空に押しつぶされてひしゃげて見えた。  人気の無い道を、ユミカはかしかんだ手に高校のかばんをぶらさげて歩いている。  土曜の昼なのに歩く人影がまばらなのは、この冬一番の寒さのためだろう。葉を落としきった街路樹のせいで一段と寒々しい。  今日は半日だけの授業の後、二者面談を受けた。  卒業後の進路、ちゃんと考えてるか。大学に行

          【白の展示会】試し読み

          【白の展示会】作品紹介

          『白の展示会』 ( 2020年発行 / 文庫 / 114p / 500円 ) 現代小説の短編集です。 試し読みはこちらの記事をどうぞ。 進路に悩む学生は「白」を展示する不思議な会場に迷い込み、 好きな物を共有できない孤独な大学生は、美しい空を通して人と関わり、 仕事と立場に疲れた女性は、冬を生きるサボテンに自らを重ね、 強さとは何かを考える文芸部の少女は、迷いながらも文字をつづる。 様々な悩みを抱える女主人公達が、途方に暮れながらも、前向きに歩んでいく物語集。 収録作:

          【白の展示会】作品紹介

          さかなの読書記録【2020.06】

          6月終了です。暑くなりましたね。 コロナはいったん感染者が減っていましたね。 町のお店は休業や時短が終わって、ほぼ通常通りの営業になりました。テイクアウトは引き続きOKの店が多く、テイクアウトのお客さんもそこそこ見かけました。 カフェは席数を減らして営業再開されています。混雑しています。 休業の間にリニューアルしたお店もありました。たくましさを感じます。 人通りも増えましたが、外国人観光客はぜんぜん見かけず、近場からの旅行客という感じの人はちらほらと見るようになりました。 マ

          さかなの読書記録【2020.06】

          さかなの読書記録【2020.05】

          そらとぶさかなです。 今月も自粛の月でした。行ったことのないお店がテイクアウトを始めたのでせっかくだしと買ってみたり、オンライン飲み会で飲み過ぎたりしながら暮らしていました。 5月下旬になると休業していた近所のお店が再開したり、日本人観光客がちょこーっとだけ戻ってきた感じでした。全体的になんとなく「さて6月からどうしよう?」「そろそろ外出ていい?」というソワソワした空気があったように思います。 創作の方はなんとなく「今書いてる場合なのかなあ」と思ってしまって、どちらかという

          さかなの読書記録【2020.05】