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おれたちはどの辺がオールフレンズポケカだったのか

オンラインのポケカイベントとして最大規模の『オールフレンズポケカ』というイベントを運営した経験を通じて、これからのオンラインイベントの可能性とか、方向性についてかんがえていく記事です。

『オールフレンズポケカ』はその名の通り『フレンズ』を最終目的地にしている点が特徴的なのですが、分解すると3つのフレンズがあったと思います。

①プレイヤー⇔プレイヤー
②スタッフ⇔スタッフ
③プレイヤー⇔スタッフ

この3軸があったことが、オンオフ通じてもイベントとして新しい点であったと僕は思っていて、「いい大会だった!!涙」だけで1記事は書けるのですがそうでははなく、ここについて書いていくことに今後につながる意味があると思っています。

結論を先に書いてしまいます。

①プレイヤー ⇔ プレイヤー

大会という形式の中で顔が見えない同士で1対戦を通じて「フレンズ」になるのは相当ハードルが高い。演出ではなく、仕組みが必要。
そして継続していくことが必要。でも参加者は本当にみんなフレンドリーだった。感謝m(_ _)m

②スタッフ ⇔ スタッフ

一度も顔を合わせたことがない同士がほとんどのチームで、各個人が当事者意識を持ちながら運営ができたことは本当にすごいと思う。これからの時代に先駆けた挑戦だったし、これが成功できたことはこれからのイベント運営の可能性を大きく広げたんじゃないかと思う。

③プレイヤー ⇔ スタッフ

ジャッジ・スタッフは影の者たるべき」というこれまでの常識の真逆を行ってみた。
常識にとらわれない酒ねこという人間の言うとおりにしてみたところ「これはこれでありだな」という知見を得た。

大体言いたいことはこれで全部なので、忙しい方はここまでで大丈夫です。


これからのオンラインイベントの活路

オールフレンズの話をいったん脇に置いておいて、オンラインイベント全体の話をしたいと思います。

ここでも結論を先に書いてしまうと、オンラインイベントはちゃんと楽しいコンテンツだし、withコロナ時代のポケモンカードというコンテンツのブレイクスルー(カタカナ語多すぎ注意報)になるので、もっと盛り上がってほしいです。なのでどうすればいいかずっと考えてます。

オンラインイベントの需要・方向性は大きく2方向あると思っています。

『便利さで攻める』『個性で攻める』の2つです。

前者は距離や時間の制約を受けないというオンラインの長所を活かして、オフラインの面白さを代替しちゃおうぜという戦略。

例えば何らかの原因で世の中の人が外に出ちゃいけなくて、会話しちゃいけなくて、物の交換をしてはいけない、そんな世の中が来た時(まさかね)にこの点が魅力的になります。

レストランでできたてのご飯を食べるのが一番うまいに決まってるけど、だいたい同じようなものが家で食えるならそれもまた良き。というUberEats的な価値観ですね。

ショップに行く交通費もかからないし、着替えなくていいし、酒飲めるし、終わった瞬間ベッドで寝られるし、みたいな良さです。

対して後者はオンラインでしかできない『何か』をするということです。

参考:参加者様のあたたかいご意見

5月6月の時はオンライン自体が新しかったので何をやっても面白かったんですけど、オフラインが帰ってきつつある状況だとそれだけで人を楽しませ続けるのは難しいと思います。

zoom飲みとかも一緒で、それ自体が楽しいってフェイズはとっくに超えちゃってる感じありますよね。

これからはオンラインポケカも、ジムバトルとか映画館とか鳥貴族とかデートとかラーメンとか●●とか(←自分が一番好きな休日の使い方を当てはめてください。)
そういうものと競合していかなきゃいけなくなるので、ただオフラインでもそこそこ面白いくらいのものをオンラインでやっただけだと、まあなかなか人を引き付けるのは難しいですよね。

ちなみに僕の中では『ビアガーデン』と競合すると大体のポケカイベントは敗北してしまうのですが、「裏オールフレンズポケカ」をやるときに「飲み会がかぶらなかったら参加するよ」って酒ねこに言ったら怒られました。

これは普通に裏オールフレンズのルールが面白そうだったから、サボる気はない前提で発言したやつなんですが、
とにかく、「このイベントは●●ってところがめっちゃ面白いから君の貴重な時間を費やしてくれ」と言い切れることがこれからはマストなわけです。

これは何かの批判とかではなくキョダイブーメランなので、「ふらだりや」「オールフレンズ」をやっている僕がまあまあの刺さり方をしています。いてえ

そういう意味だと、「ふらだりや」も「オールフレンズ」も「交流」というポイントが一つ面白さの軸になってますね。

「家に居たままさ、日本中のポケカ好きな人と友達になれたらさ、めっちゃ素敵な休日じゃん?」

と言われると自分でも「うん、まあたしかにね。」となるところではあると思います。というのをぼんやりした出発点にしてる感じですね。

オールフレンズに関しては、1回目は「大型競技大会」としての楽しさと「フレンズ」という楽しさを両取りしようとして、うまくいったとも言えるし、実際どこまでできたんだろうな、という気持ちもあり、みたいなとこが正直な感想なので、(とはいえ実際ジャッジをしていて参加者同士が仲良くなってる瞬間に何度も立ち会ったので、できていたといっても間違いではない)次回以降やるとするならば、より一層どこにウエイトを置くのかというところを意識していきたいですね。

オールフレンズはそんな感じで尖らせていくことで、参加者同士にも「オールフレンズに共感している人」という1つの共通性が生まれて、交流の糸口になったりすると思うので、継続していくことに意味があると思っています。第二回があったときはよろしくね(意味深)

まとめると、オンラインイベントはビアガーデンに勝てるくらいの価値の提供をしていくのか、もしくはUberEats的なスキマを狙っていくのか、そういった設計が必要になってくると思います。

<ここでいったんCMです>

金曜の夜にポケカが楽しめて、終わったあとにこういう感じで意識高いポケカの未来について語り合ったり、好きなカードについて話したり、美味いツマミについて話したり、僕の恋愛や煩悩について話したりできる最高イベント   #ふらだりや ** 。**

次回の開催は8/28(金)です。よろしくね。


<CM開けます>

公認ジャッジとネットポケカ部の融合

冒頭でいう②についてですね。

なんならここが一番言いたいことかもしれないんですが、オールフレンズの一番の功績は「一度も顔を合わせたことのないメンバー同士で160人規模のイベントをやり遂げたこと」だと思うんですよね。

功績というとアレですが、僕はポケモンカードイベント史オタクなので、
ポケモンカードの歴史上たぶん初の瞬間に立ち会えたことに非常に興奮しています。

僕はジャッジ組織が大好きで実家みたいな存在なんですけど、その感覚で行くと「顔合わせ」ってめちゃめちゃ大事だと思ってるんですよね。
いつもCLのミーティングの時間は限られてるんですけど、その中でなるべくインプットを最小限にして、チーム内の相互理解に大きく時間を使って、CLの運営は成り立っています。

そういう意味だと今回のイベントはまさに革新的で、一度も顔を合わせたことのないメンバー同士でやり遂げたということはオンラインイベントの歴史の幕あけとして非常に意味があるイベント運営方法だったなと思います。

ここは外からはあんまりわかんないところだと思うのでもう少し構造を説明すると、オールフレンズの運営メンバーは、
・さけねこ率いるネットポケカ部のメンバー
・公認ジャッジのメンバー

で構成されていました。
ジャッジ組はほとんど関東住みの平均年齢30overってかんじだったんですけど(うっ)、ネットポケカ組は四国の20前後の若者コンビが幹部になっていて、完全に異文化って感じでした。
なのでジャッジとしての常識とネットポケカの常識が最初はお互い全然噛み合ってなかったんですけど、徐々に相互理解を深めていくことができました。

ネットポケカチームはマジで優秀で、みれさんのツールをめちゃくちゃ使いこなして、最終的に対戦終了5分後に次回戦のマッチを出せるくらいまで成長しててすごかったです。そこにジャッジ勢の知識と経験を加えたのがオールフレンズポケカでした。

なにが言いたいかというと、これからの時代、参加者がリモートで全国から参加できるようになっただけじゃなく、主催チームもリモートで全国から運営できるということを示すことができたということですね。

もっと言うと、今までは近所にいて同じ時間に同じ場所に居られる人の力しか借りられませんでしたが、オンラインでは目的が一致していれば日本中どこの誰ともチームが組めるということになります。

これはイベント主催時の選択肢を大きく広げてることになるんじゃないかと思います。僕の力を借りたい日本全国のどこかの人いたら、貸しますので。

スタッフは影の者たるべきか

冒頭の3軸の中の③について。

基本的に僕や周りの仲良いジャッジメンバー的な価値観としては「ジャッジ・スタッフは影の者たるべき」みたいな価値観が結構あったんですよね。今もあるんですが。

そこをまあ酒ねこ氏の計らいで、ジャッジ紹介動画を作ったり、閉会式に呼び出されてしゃべらされたりしました。

(めちゃくちゃ真面目にしゃべったのに「年収は?」とか聞かれて意味わからんアホ猫め)

感想としては、これはこれでありだなという感想で、ジャッジやイベンターが影の者であるべきというのはたしかに理解できるものではあるのですが、
イベントを作っている人の思いを知ってもらうことで参加者のモチベーションが上がったりすることもあるという側面はあると思うので、
思考停止で「前に出るな」ではなく、これはこれでどういう効果があるのか今後も試していきたいですね。先日のリザードンのジャッジの記事も良かったみたいですし。

ここに関してはジャッジ勢は「前にでたいぜ」みたいなことを言うはずもなく、完全に酒ねこ氏の意向だったのですが、やってよかったなと思います。

「出るべき」「出ないべき」で思考停止しないで、大事なことは「参加者に利益があるかどうか」ってことですね。

オールフレンズポケカに関しては、「新しい挑戦」というのが一つの魅力だったので、「酒ねこっていうよくわかんない人の主催した、いつ転覆するかもわからないイベントに徐々に共感者が集まって良いイベントになっていく様を楽しむコンテンツ」と考えると、今後もスタッフはもっと前に出て酒ねこの悪口とか言いまくってもいいかもしれませんね。バーカおたんこなす。

まとめ

まあ、胡散臭いとか、一生凍結してろとか、無茶ぶりクソ野郎とか言ってますけど、本気で嫌いだったらこんな記事書いてないですからね(オードリー感)

5月くらいの世の中がどうなっていくかわからないような状態で、さらに失敗するか成功するか最後までわかんないイベントに携わることができたあの期間は、いま思い返してもめちゃくちゃ楽しかったし、一個やりきったな、という感じがあります。個人的にはとてもいい経験でした。

今後はこれを、ただオフラインがなかったから存在したオンラインイベントではなく、オンラインだからこそできる価値を考え、公式からもプレイヤーからもスタッフからも愛される、かつ意味があるイベントにしていきたいと思います。

そして、いつ転覆するかわからない手作りの船で海に出る感じを、自分も見ている人も楽しめるようなそんなコンテンツにしていきたいと思います。次があればね。

※もしこの記事を読んで「次があれば自分も協力したい!」という方がいれば酒ねこに許可を取ってないですがたぶんウェルカムです。

最後に、こんなよくわからないイベントに共感・協賛してくださった全国のショップの方々に、改めて感謝をさせていただきたいと思います。

本当にありがとうございました。

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