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109\\\ 呼吸法のたくらみ~*その2


~身体のチカラって、抜けますか?~



前ページの続きです。テーマは、ただの空気を『気のエネルギー』に変える、です。これが、呼吸法のたくらみです。


ただの空気を『気のエネルギー』に変えるというのは、落ちている葉っぱを五千円札に変えるようなもの(笑!)かもですね。そうは言っても、ただの空気だって生きる身体にとってはとても大切なものです。それは「酸素」というのが含まれているからです。酸素は5分間断たれるだけで命にかかわるくらい大切なものですから。


ですから、ここでは、ただの空気なんて書いてますが、決してバカにしているわけではありません。しかし、ただの空気は、いくらたくさん吸っても深く吸っても『気のエネルギー』にはなりません。ただの空気と『気のエネルギー』とは、違う質のものだからです。


きっと、ただの空気の中から細かい粒子だけを抽出してギュッと集めることが出来たら『気のエネルギー』になるかもしれません。それともうひとつ必要な条件があります。それは、自分の意識とつながっていることです。自分の想いや意識やイメージとつながっていないと『気のエネルギー』とは言えないのです。それは『気のエネルギー』とは、この自然界のあるものではなくて、「人間が作り上げたもの」だからです。


『気のエネルギー』というくらいですから、物理的なチカラ(生命エネルギーとしても)使えますが、『気』というのは同時に「精神」という意味もあるのです。ですから『気のエネルギー』は必ず「精神にしたがって動いてくれる」ようにしておくべきです。


ただの空気を『気のエネルギー』に変えるためには、とにかく人間の身体側の準備が必要です。まずは、身体のチカラを抜ききることから始めます。なんて聞いても、『気のエネルギー』を養うために「身体のチカラを抜く」というのはどうしても関連性を感じませんね。


ふつう、身体のチカラを抜くというと、筋肉のチカラが抜けてグンニャリしたりダラダラしたりで、無気力な状態になるイメージを想ってしまいます。よく「気の武道」では「身体のチカラを抜きなさい」と言われますが、武道なのにチカラを抜くっていうのは、どこか矛盾しているように思われて、身体のチカラを抜く効果を信じてもらえないようです。


それでも、身体のチカラを抜く「理由」がわかれば安心してチカラを抜くことが出来るかと思います。その理由とは、外の空気(ただの空気)の気圧を身体の中に受け入れる、ということです。


身体のチカラを抜いて、外の空気の気圧を全身で受け入れましょう。全身のチカラを抜きますよ。すると、身体の内部には、外からの気圧が浸透された状態となって、それが「エネルギー源」として有効利用が出来るようになるのです。この時、身体にチカラが入っていますと、外からの空気の気圧をはね返してしまいますので、残念ながら、ただの空気を『気のエネルギー』に変えることは出来ません。


身体のチカラを抜くときに、コツがあります。前ページにも書きましたが、空気をふたつに(二極)にするのです。身体の右側の空気の気圧と身体の左側の空気の気圧を「左右同時」に受け入れるのです。つまり身体は左右の空気の気圧にはさまれた形になります(正面からの空気からの気圧は受け入れないようにします)。


どんどん身体のチカラを抜いて、左右の空気の気圧にはさまれた状態になってゆきましょう。身体の内部は空気の気圧で満たされます。意識的にチカラを抜いて、意識的に空気の気圧を感じ取って、体内に巡らせるようにしてゆきましょう。


自然体の、ぼーっとしたリラックス程度ではなかなかうまくいきません。ちょっと精神力がいります。グンニャリリラックスではいけません。左右からの全空気を自分の身体の中に引き寄せて吸い取るくらいのイメージの方がうまくいきます。


身体のチカラを抜くというのは、身体にチカラを入れるよりも何倍もむずかしいものですが、一度出来て、その感覚がわかったりすると、あとはずっとうまくいくようになるものです。いつも自分のために右側と左側に空気がまさんで守られているような感じになるものですよ。(続きます~)


「呼吸」のつくり方。

しらのゆきひと///呼吸のデザイナー

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