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【シネマ歌舞伎】「三人吉三」はシェークスピア

大分前になりますがシネマ歌舞伎「三人吉三」を観てきました。
噂には聞く有名作、初見です!

+++DETA
NEWシネマ歌舞伎「三人吉三」
2014年に上演されたコクーン歌舞伎を映像作品にしたものです。
コクーン歌舞伎とは、現代的演出を取り入れた歌舞伎公演で、ロック音楽がBGMに使われたりなどします。
<<配役>>
和尚吉三:中村勘九郎
お嬢吉三:中村七之助
お坊吉三:尾上松也
https://www.shochiku.co.jp/cinemakabuki/lineup/29/

こいつは春から縁起がいいわえ

どこかいつか聞いたことがあるこの有名なセリフは、この作品に登場します。
素性も性格もバラバラだが、同じ「吉三(きちさ)」という名前を持つ悪党3人が運命的に出会い、義兄弟の契りをかわす。金と名刀を巡り、明らかになる事実と塗り重ねる罪。因果が回り回って悲劇へと転がり落ちます。
ざっくりあらすじはこうです。

これは、、、しぇーくすぴあ!

人の想いと行動がすれ違いを重ね、因果が回り回るこの感じ、、、愛憎背中合わせの感情、、、追い詰められて狂っていく狂気
なんかに似てる、この感じ…………そう
シェイクスピア!!!

そう思って気づくのですが、シェイクスピアの特徴である、ひと言をこねくり回して3行に伸ばして表現する、あの独特の言い回しは、歌舞伎のケレン味たっぷりのセリフに近しいものがありますね!

作者の竹河黙阿弥が歴史的にはまだ日本に入ってきていなかったとされる「しぇーくすぴあ」を異国の商人から手に入れて読んでいたとしたら。。。って妄想するともう一つ物語が浮かんできてわくわくしますね。
あ!盗作とかいう意味ではなくですよ!
日本におけるシェークスピアの和訳の権威、坪内逍遥とも近い関係にあったみたいですし、もしかしたら「新しい歌舞伎をつくろう!!」なんていう熱い議論をしていたかもしれませんね。なんて。

「伝統と現代の融合」という終わりなき旅

このコクーン歌舞伎は、歌舞伎に新しい魅力を見出そうと、ポップミュージックを取り入れたり、現代劇の俳優を起用したりと、伝統に現代要素を取り入れようと取り組まれた歌舞伎です。

伝統芸能と現代の要素の融合は誰もが考えますけど、本当に難しくて、結局はどっちつかずになってしまうのが大体です。これもまた、私から見ると全く融合されていなく、歌舞伎と現代劇それぞれの領分を削りあって、不完全+不完全という感じを受けました。
これならば、完全の歌舞伎の世界にどっぷり浸かりたかったし、逆に現代風にするならバリバリロックで衣装も創造的な新解釈がみたかったと思いました。あ、それはもう劇団☆新感線だね。もうありました。

でも、とっても面白い脚本だと思いました。
シェイクスピアみたいにいろんな演出でいろんな人がやってもいいなあ

 .。゚+.(キョウハココマデ)゚+.゚。


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