新しい生活様式
新型コロナウイルスの蔓延に伴い、政府から「新しい生活様式」が提案された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_newlifestyle.html
人生100年時代も、これまでとは違った「新しい生活様式」が求められるので、気になる言葉だがーー。
・人との間隔は、できるだけ2m(最低1m)空ける。
・会話する際は、可能な限り真正面を避ける。
………。
これは感染防止対策といえばいい内容であって、生活様式というものとは次元が違うのではないだろうか。
・感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える。
厚生労働省のホームページにこんなことが書いてあるのに、なぜ、GoToトラベル事業が推進されたのだろう?
ちょっと横道にそれるが、今日1月13日のNHK「クローズアップ現代」〜ビッグデータで読み解く新型コロナの”今後”〜が面白かった。国立情報学研究所准教授の水野貴之さんが、ビッグデータをもとにした研究から「ステイインコミュニティ」を提言していた。経済活動を維持しつつ、感染を広げないためにはどうすればいいのか。答えは「地元(生活圏)で生活する」それをキャッチフレーズ的に言うと「ステイインコミュニティ」となる。携帯電話の情報などから得たビッグデータの調査で、人の生活行動の8割は1つの区画にとどまることがわかったと言う。みんなが当面は遠出を我慢してご近所で暮らせば、日常の経済活動を維持しながら、感染は地域内に抑えられる、という主張だ。
ステイインコミュニティとは真逆のGoToトラベル事業が感染拡大に一役買ってしまったことは間違いない。
全国各地の旅館の再生で名を上げた星野リゾートの星野佳路社長は、GoToトラベル事業とは違う方法で、旅館の経営を助けることを早くから提言していた。「マイクロツーリズム」だ。地域内の「小さな旅行」を提言するものだ。https://www.hoshinoresorts.com/information/release/2020/05/90190.html
「Withコロナ期における観光のあり方の前提は、『観光が感染拡大に貢献しないこと』であり、都道府県レベルでの感染対策や、さまざまな行政施策が行われている今般において、旅目的での遠出や、都道府県を跨ぐ長距離移動が発生することは得策ではないと考えます。マイクロツーリズムを通じて地域内観光を推進することで、ウイルスの拡散するリスクを軽減しながら観光需要を作っていきます。そして観光業が地域経済に貢献し、観光人材を確保できるよう、Withコロナ期収束後も見据えた観光のあり方を設計し、実践します」
観光のプロのこの考え方を政府が取り入れていたら、都道府県をまたぐ旅行を推進するGoToトラベルキャンペーンは打たなかっただろう。このキャンペーンが、「旅行は自由にしてもいいのか」という気の緩みを広げてしまったことも否めない。
脇道にそれすぎた。
言いたいのは「新しい生活様式」とうたうからには単なる感染対策のようなものを挙げるのではなく、在宅勤務の推進/テレワークの活用/地域の再発見ーーなどのロングスパンのライフスタイルの変化を挙げて、研究してほしいということだ(一部は挙げているが)。
新型コロナウイルスの蔓延はとても不幸な出来事だが、災害や疫病への対策は、クリエイティブさが求められる。コロナを機に広がった在宅勤務の推進/テレワークの活用/地域の再発見ーーなどは人生100年時代の歩き方にも繋がる新しい生活様式だと思う。
人生100年時代の歩き方を語る際に、新型コロナウイルスに触れないわけにはいかないので、少しだけ触れてみた。
次の投稿では、在宅勤務が増えると、何が変わってくるのかを、在宅勤務がほとんどになったこのごろの毎日を振り返って考えてみたい。
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